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六十話 異界⑩

 


 ――――一時間後、召喚人達はスタミナに自信を持てなくなった

『かたせ梨乃』貌の訓練教官は三十メートルほど前を走っているが、息一つ乱していない。

 走り出して以来、一度も方向展開していないためこの場所の果ては何処までなのか不明だ。



 この場所で同じように訓練を行っている他の召喚人小隊に追い抜かれたりすれ違ったりもするが、その召喚人達は全員、完璧に足並みを揃えて走っている。

 それに対して、『かたせ梨乃』貌の訓練教官が引率しているハリウッド俳優貌召喚人は、隊列を

 乱し、 全員が咳き込み、喘いで苦しんでいる。

 だが、『かたせ梨乃』貌の訓練教官はペースをまったく落とさないが、これまでの所殿を

 務めている『石丸謙二郎』貌と『いかりや長介』貌の訓練教官よりは遅れている召喚人の姿はない




 この一時間、とうとうまっすぐ走り続けていた『かたせ梨乃』貌の訓練教官が横にそれて、道路脇に見えてきた広大な駐車場の方に曲がる。

 そしていやになるほど軽い足取りで緑石を飛び越えた。

『かたせ梨乃』貌の訓練教官が引率している召喚人も、もちろん後に続く。

 かろうじて緑石でつまずかなかった、『ドナルド・サザーランド』 『ローレンス・オリヴィエ』 『マシュー・モディーン』貌の召喚人達は、ニヤリとした笑みを口元に浮かべた



『かたせ梨乃』貌の訓練教官はペースを落としてゆっくりと走り、引率している召喚人達が広場の

 中央まで来ると脚を止めた

『二列二整列!! ココハ訓練場ダ!! 急ゲ!!』

『かたせ梨乃』貌の訓練教官が怒気の孕んだ声で命じる

 召喚人達はふらつきながら命じた通りに整列した。

『前列ノ新兵トノ間ヲタップリト空ケロ!』

『かたせ梨乃』貌の訓練教官が後列の新兵達に命じた

『腕立テ伏セヲスルゾ カウントスルカラソレ二続ケ!!

 私ヨリモ先走ッタラ最初カラヤ直シダカラナ』



『かたせ梨乃』貌の訓練教官がそう告げると同時に、両手をついて腕立て伏せの体勢になり、召喚人が後に続くの待つ。

『一』

『かたせ梨乃』貌の訓練教官は顎が地面につきそうになるまで身体を下げる。

『石丸謙二郎』貌の訓練教官と『いかりや長介』貌の訓練教官も、腕立て伏せをしながら召喚人が

『かたせ梨乃』貌の訓練教官の掛け声に従っているのかどうかを確認している。



『正シイ腕立テ伏セヲシロ! カウント事二鼻ガ地面二ツクヨウニシロ!!』

『かたせ梨乃』貌の訓練教官が叫ぶ

『一』

『かたせ梨乃』貌の訓練教官がまた声を掛けた

『二 三。 四、五』

 30台のなかばで震えだす召喚人が出始めた。

『デニス・ホッパー』 『ショーン・ペン』 『トム・ハンクス』貌の召喚人が震え出し、

『リース・ウィザースプーン』 『ニコール・キッドマン』 『ケイト・ブランシェット』貌の

 召喚人がもがきはじめた。

 そのとたん、『石丸謙二郎』貌の訓練教官と『いかりや長介』貌の訓練教官が腕立て伏せの姿勢から立ち上がって歩み寄る



『ドウシタ! 貴様ノ根性ハソンナモノカ! 三十回モ腕立テ伏セガデキナイヨウデハ、コノ先ノ訓練ニハツイテイケツコナイゾ!!』

『いかりや長介』貌の訓練教官が、わななく腕で『かたせ梨乃』貌の訓練教官のカウントについていこうとしている、『デニス・ホッパー』 『ショーン・ペン』 『トム・ハンクス』貌の召喚人に

怒鳴る

『ドウシタ? チャッチャット腕ヲ動カセ!! ソノ棒ッキレミタイナ腕ガ太クナルノガ心配デ出来ナイッテカ!? フザケルナァ!! ソンナノハ腕立テガデキルヨウ二ナッテカラ心配シロ!! トットトヤレ!!』

『石丸謙二郎』貌の訓練教官が、腕を振るわせながらどうにかもう一回身体を上げて、うめきながら地面に崩れ落ちた、『リース・ウィザースプーン』 『ニコール・キッドマン』 『ケイト・ブランシェット』貌の召喚人に怒鳴り散らした。









ずいぶんとお待たせてしまいました・・(汗

これからぼちぼちと投稿させていただきます・・

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