五十話
――――照明弾の光で照らされたどこもかしこも、レンガ色で埋め尽くされている。
ゴブリンは、手に手に剣や槍、石斧や槌矛を握りしてめていた。
レンガ色の群れの中に、蒼白き色のゴブリンの姿が数匹ほど存在していた。
その一匹が奇声を発した。
その奇声は、狂女の叫びの様にも鋭い風が岩に裂けるときの音にも似ていた。
それと同時に、他の蒼白き色のゴブリンが角笛を吹き鳴らした。
その角笛の音は、ゴンザレスの耳にも聴こえた。
吹き鳴らされた角笛の音と共に、レンガ色の絨毯は瞬時も停滞せずに犇めきながら後退していく。
塹壕や物見櫓にいる召喚人は、信じがたい様な光景を無言で見送った。
「コノ集団ノ数ヲドノクライト見タ?」
ウィンチェスターM1866のボルトを操作し、ゴブリンに正確な死を送り続けていた
『ケビン・コスナー』貌の召喚人が尋ねた。
「七、八万――――十万グライカ」
ブローニングM2重機関銃の点検をはじめている、『カート・ラッセル』貌の召喚人が応える。
「ソンナニ多クハナイハズ。数万トマリダロウ。ダガ、次ハソノ倍デ押シ寄セテクルゾ」
M16A1の弾倉を変えていた『マイケル・ビーン』貌の召喚人が口を挟んだ。
「 チビリソウダ」
『ケビン・コスナー』貌の召喚人がウィンチェスターM1866の点検をしながら応える。
「オレモダ」
ブローニングM2重機関銃の点検を終えた、『カート・ラッセル』貌の召喚人が同じように応える。
物見櫓にいた3人の召喚人は、それ以降一言も発せずに、ゴブリンが引き上げていた方向に視線を向け
銃口を構えた。
―――沖合で旋回運動していた上陸舟艇の大群は梯団を組んで上陸地点を目指して殺到した。
恐らくゴンザレスが再び上陸命令を発したのだろう。
幾分波が荒れており、水しぶきが舟艇の底に蹲っている召喚人達の頭上にかかった。
東から、現在FH70 155mm榴弾砲とM777 155mm榴弾砲をぶっ放している召喚人と同じ貌の集団が
上陸を開始した。
また、新たに召喚した集団も次々と殺到している光景が出来上がっていた。
舟艇から吐き出されたのは――――。
『ゴッドファーザー』シリーズ作品を初めとする演劇などで複数の受賞をし、ウィリアム・シェイクスピアについての豊富な知識を基に、その作品に数多く出演している『アル・パチーノ』
暗記は徹底的に行い、撮影の際にはきわめて自然で役柄本人になりきっているかのような卓越した演技力を発揮し、精神病質の博士の役が高く評価されアカデミー主演男優賞を受賞している『アンソニー・
ホプキンス』
性格俳優として国際的評価を得ており、その表情から怪しい悪役を演じることが多いが、アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞している『ウィレム・デフォー』
ベトナム戦争を題材にした映画で、鬼気迫る演技でアカデミー助演男優賞を受賞した他、舞台のミュージカル俳優出身の『クリストファー・ウォーケン』
その演技力から高い評価を受けている俳優のひとりであったが、長らくアカデミー賞とは
縁がなかったが、近年、主演男優賞を受賞を果たした『ゲイリー・レナード・オールドマン』
2年連続で英国アカデミー賞主演男優賞を受賞し、更にアカデミー主演男優賞も受賞している
『コリン・ファース』
サスペンスやSFなどで凛としたエリートや屈折した悪役、TV映画でも癖のある主人公を演じて
知られている『サム・ニール』
監督も務めアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、出演作品で鬼気迫る演技を見せている
『エド・ハリス』
男臭い風貌と巧みな演技が人気を呼んで俳優としての地位を確立し、独特の個性と演技力を活かして、
アクション作品を中心に数多くの作品で主役や脇役を演じ活躍した『チャールズブロンソン』
豪華な顔触れの召喚隊が上陸を開始していた。
同じ貌で同じ服装の集団なため、異様な光景でもあるが・・・。
「新兵共ッ 急ゲ!! ゴブリンハ待っテクレハシナイゾ!!」
上陸を開始している召喚隊に、右腕に白い腕章をつけた『ブルース・ウイルス』貌の召喚人が指示を
している。
「ズイブンヒネタ新兵ダナ」
同じく、白い腕章をつけている『ロバート・デニーロ』貌の召喚人が呟く
「俺達モ似タヨウナモノダ」
それを聞いた、同じく白い腕章をつけている『ドルフ・ラングレン』貌の召喚人が応える。
それでも、全ての召喚人が実際のハリウッド俳優よりも 20代~30代後半を思わせるほど若々しい貌|だ




