四十九話
砲撃支援を行っている場所とは、また別の場所が慌ただしかった。
そこではパイプテントが複数張られており、400人ほどの召喚人が集まって並んでいた。
『アラン・ドロン』隊、『ジャン・レノ』隊、『マイケル・ダグラス』隊、『トミー・リー・ジョーンズ』隊の他に、『ラッセル・クロウ』隊、『ポール・ニューマン』隊、『ジーン・ハックマン 』隊、
『ジェームズ・ディーン』隊の召喚人がいた。
無線機のヘッドフォーンを耳に当て真剣な表情の召喚人や、興奮しきった表情で喋りまくっている
召喚人などの姿が至る所であった。
ここに集まっているのは、交代での食事だ。
パイプテントの下にある机には、手のひらに載る程度の大きさの『塩おにぎり』、食パンに豚カツを挟み、長方形に切り分けられている『カツサンド』、卵を挟んでいる『卵サンドイッチ』、カスタードクリームが入っている『クリームパン』、『味噌汁』だ。
『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が、何処か嬉しそうな表情を浮かべ、『塩おにぎり』と
『味噌汁』をとる。
「ヘッヘツヘッ・・・コレコレ、交代ヲシタ時カラ、脳内デコレガチラツイテイタ・・・」
『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が、『味噌汁』と二個の『塩おにぎり』の匂いを嗅ぎながら呟く。
「ヨウ、戦友、生キ残ッテイタカ」
そう声をかけてきたのは、『ラッセル・クロウ』貌の召喚人だ。
「ソッチコソ生キテイタカ」
『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が『味噌汁』と『塩おにぎり』から、
『ラッセル・クロウ』貌の召喚人に視線を向けた。
視線の先には、、『ラッセル・クロウ』貌の召喚人の他に、
『ポール・ニューマン』、『アラン・ドロン』貌の召喚人がいた。
『ラッセル・クロウ』貌の召喚人と『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が、楽しそうに会話をしている
最中に、『ポール・ニューマン』 『アラン・ドロン』貌の召喚人が、しれっとしながら
『マイケル・ダグラス』がトレイに乗せていた、『味噌汁』と『塩おにぎり』を『カツサンド』と
『卵サンドイッチ』と交換した。
『ポール・ニューマン』と『アラン・ドロン』がそれぞれ交換した『塩おにぎり』を何食わぬ貌で
咀嚼する。
「ン・・・? ソレオレノ『塩おにぎり』・・・」
『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が、唖然とした表情を浮かべながら告げる。
「イマ食ベテル」
『ポール・ニューマン』貌の召喚人が咀嚼しながら応える。
「交換シタ」
『アラン・ドロン』貌の召喚人が続けて応える
「交換ッテ・・・シカモ『卵サンド』と『カツサンド』・・・」
ムシャムシャと咀嚼している2人の召喚人を見ながら、『マイケル・ダグラス』が呻くように呟く
「アッチデ食事ヲシヨウジャナイカ」
『ラッセル・クロウ』貌の召喚人が、『マイケル・ダグラス』貌の召喚人の右肩を軽く叩きながら
告げた。
――――それらの調理をしているのも召喚人だ。
調理場では白い長袖の調理服を纏い、メッシュヘアネットを被り、そして両手を調理用ゴム手袋で
覆った 召喚人が忙しそうに動いている。
調理しているのは、ハリウッド俳優ではない
ハリウッド女優貌の召喚人だ。
調理作業しているのは―――。
演技部門においてオスカーを4回受賞したただ一人の女優で、オスカー史上第2位の12回に上り、
自立する20世紀のアメリカの女性の象徴として、多くの尊敬を集めていた『キャサリン・ヘプバーン』
美貌とは対照的な、気品に満ちた容姿が「クール・ビューティー」と賛美され、人気絶頂の最中、
ヨーロッパの君主と結婚し女優業から引退した『グレース・ケリー』
ハリウッド黄金時代に活躍した女優で、映画界ならびにファッション界のアイコンとして知られる
『オードリー・ヘプバーン』
アカデミー賞を3回、エミー賞を2回、トニー賞の演劇主演女優賞の受賞経験があり、その際立った美貌と知性でアメリカ映画に「北欧からの瑞々しい息吹」を吹き込み、「アメリカ人女性の理想」となりハリウッドを代表する女優の一人『イングリッド・バーグマン』
「ハリウッド黄金時代」を代表する大女優の一人で、世界的にもっとも有名な女優の一人であり、
優れた演技力、美貌、豪奢な私生活、そして珍しいスミレ色の瞳で知られている
『エリザベス・テイラー』
往年のハリウッド女優貌の召喚人が、『カツサンド』、『卵サンドイッチ』、『クリームパン』、『味噌汁』 『塩おにぎり」の調理をしているという摩訶不思議な空間が出来上がっていた。




