四十一話
「ロドリゲス、いまここにいるのが、今回の指名依頼をしてきた冒険者ギルドに所属している
ギルド職員だ。一度では覚えきれないだろうが――――おい」
ゴンザレスは、上陸司令部の建物内に案内したロドリゲスの方を見るため後ろを振り返りながら
告げた。
その視線の先には、ロドリゲスの姿はなかった。
だが、同じくゴンザレスと共にロドリゲスを迎えに行った冒険者ギルド職員は驚愕の表情を
浮かべて固まっている。
「――――状況が状況だ。遊びはやめておこうか、ロドリゲス」
視線を床に向けながら、苛々した声で告げる
『せめて、衣服を』
何処からともなく、井戸から聴こえてくるようなロドリゲスの声が聞こえて響く。
冒険者ギルド職員は、戸惑いながらも辺りを見渡している
「ロドリゲス」
ゴンザレスは、視線を床に向けながら静かに告げる。
その返答の代わりに、床から人の腕がにゅっと出で来る。
そして、ゆっくりと這い出るかのように全裸のロドリゲスが床から現れた
「遊びじゃなくて、本気で要求をしているんだけど」
ロドリゲスが、床から這い出ながら応える。
その床は水面の様に揺らいでいたが、すぐに元に戻った
「無駄な事に、意味不明なジョブの力を使うな」
ゴンザレスが告げる。
「口から金貨を吐く、誰かさんには言われたくないよ」
ロドリゲスが憮然とした表情を浮かべながら、落ち着かない態度で応える。
「・・・『異次元底無し沼創造
及び魔軍召喚士系列型暗殺者』という、 俺のジョブよりも意味の分からないジョブのお前が
言うのか?」
ゴンザレスが告げる
「僕が悪うございました・・・・でも、好き好んでこんな格好じゃないんだよっ!!」
ロドリゲスが大人しく謝りながら、反論するように応える
「パソコン用RPGの発展に大きく影響したシリーズで、登場するあるジョブと同じ能力があるんだ。この世界では貴重だぞ」
ゴンザレスが告げる
「全然嬉しくない・・・これなら、まだVRMMORPGで、何処かの間抜けがガチのデスゲームを人為的に引き起こそうとするのを阻止していたほうが・・・」
ロドリゲスが不貞腐れる様な表情で途中まで言ったが、ゴンザレスの鋭い視線を受けて口を閉じる。
「この世界では誰も理解する事が出来ない事を言うな」
ゴンザレスが告げる。
「それなら僕の身にもなってほしいよっ!! VRMMORPG内で、昨今流行りのデスゲームテロリズムを起こそうと計画していた何処かの間抜けを、人間が創った
完全なる仮想世界内で、捕捉し排除するのにどんだけ苦労したか・・・。言っておくけど今回のは手野グループ傘下のゲームメーカーだから、そんなそこらじゃ」
ロドリゲスは、さらに言おうとしたが、再びゴンザレスの鋭い視線を受けて沈黙した。
「言いたいことはそれだけか。ロドリゲス、お前は人間が創生した仮想世界も体験出来て、本物の異世界も体験してるんだぞ
ナナシが聞けばどう思うか」
ゴンザレスは、全裸のロドリゲスに視線を向けながら告げる
「あの人はゴブリン狩りにしか興味のない人だから―――――。で、僕は何をすればいいの?」
ロドリゲスは、くだらない話は終わったと言わんばかりに尋ねてくる
「ゴブリン狩り以外に何かあるか?」
ゴンザレスが告げた。




