三十三話
前進する先には怒りの狂気を宿したゴブリンの群れが蠢いている。
また、後続から次々と押し寄せてきていた。
怒りを宿しているゴブリンの群れは、同族を殺し続けている『漆黒の銃士隊』に苛烈な報復を
行い、 その相手が死ぬか群れが群れが全滅するまで、決して止まることはない。
撃っても撃っても引き下がらず、散乱する同族の死骸を踏み越えてやってくる。
後方から新手を加えて何千何万という数で、ゴブリンの群れは隊列を組んでいる。
隊列を組んだゴブリンの群れは、数百体の『ブルース・ウイルス』と
『ドルフ・ラングレン』に 憎悪の孕んだ奇声を発しながら立ち向かっていく。
一体の『召喚人』に数十匹で襲い掛かる。
ハリウッド俳優貌なため、凄まじい
迫力のある表情を浮かべながら、数百体の『ブルース・ウイルス』と
『ドルフ・ラングレン』は、M16A1と大型自動拳銃デザードイーグルの引き金を絞り、群がってくる
ゴブリンに銃弾を撃ち込む。
凄まじい形相を浮かべながら、容赦なく同族のゴブリンを駆逐する『漆黒の銃士隊』の面々を見て
腰を抜かし、命乞いをしているゴブリンの姿もあった。
しかし、昂ぶらせている『漆黒の銃士隊』は、命乞いをしているゴブリンや腰を抜かしている
ゴブリンにも容赦はなかった。
必死に命乞いをしているゴブリンを殴り殺し、震え上がり腰をぬかしているゴブリンを
容赦なく蹴り殺す。
そこに温情というものはなかった。
特に、ゴブリンの対応が酷かったのはナナシだ。
「全力を出して泥くせぇゴブリンを殲滅しろっ!! 『漆黒の銃士隊』の恐ろしさを見せてやれ!!」
足元に転がっているゴブリンの死骸を忌々しげに何度も何度も踏みつけながら、何処か
苛々した声でナナシが告げる。
その貌は、ジャングルに解き放たれた野獣の様になっていた。
血まみれになっているゴブリンが、ゴブリン語で喚いていた。
「黙れ!! ゴブリンに生きる権利なんてあると思っているのか?」
憎悪の孕んだ声でナナシは告げながら、喚いていたゴブリンの貌に蹴りを放った。
ゴンザレスは、仮設した上陸司令部の建物内にいた。
状況報告は逐一ナナシから送られてはきていたが、もたされる情報を聞くたびにゴンザレスは険しい
表情を浮かべた。
また、建物内には幾人かの冒険者ギルド職員関係者の姿もあったが全員が戸惑っている様子だった。
建物内に存在している物などが、彼らからすれば見たこともない物があるからだ。
「・・・伺いますが、ゴブリンの総数をどのくらいと推定しますか?」
1人の男性冒険者ギルド職員が尋ねてきた。
「現在、ナナシが遭遇しているのはざっと700万規模の群れ」
ゴンザレスが気勢のあがらない声で応える。
「七百万? どういう根拠からそんな数字が」
七百万という数字を聴いて、ゴンザレスの付近にいた冒険者ギルド職員達がざわめいた。
「それは、そちらに設置されている―――――」
映像機器から映し出されている映像を見て・・・と言いかけたゴンザレスだが途中でやめた。
この世界には、そんな技術は発達していないからだ。
オルテガが新しく召喚した無人航空機『RQ-1 プレデター』から、送られてきている映像からの判断ですと...言えることは言えるが、理解はされないからだ。
幾らゴンザレス達の特殊な事情を知っている、数少ない冒険者
ギルド職員でもあってもだ。
「?」
尋ねてきた冒険者ギルド職員が、途中で喋るのをやめたゴンザレスの様子に怪訝な表情を浮かべた
「――――あそこにある妙に平べったいガラス窓みたいな所から、映し出されているものを見ての
判断です。この状況ですので詳しい事を説明をしている時間もないので・・・。
これも、我々のいる『世界』の道具の一つと理解してもらっていると助かります」
ゴンザレスは、ただそう告げた。
異世界の住民に、テレビモニターとか、どう説明したらいいのだろうかとしばらく考え込みました。




