三十一話
『漆黒の銃士隊』が使っている火炎放射器は、更新された『銃器装備』の一つだ。
この時点で『漆黒の銃士隊』が、更新された種類で持ち込んでいるのは、ブローニングM2重機関銃とM224 60mm 迫撃砲だ。
レンガ色の絨毯が地表を地揺れの様に動いている。
動くレンガ色の絨毯の正体は、おびただしい数の『ゴブリン』だ。
目的の複数存在する『ゴブリンの巣』から『漆黒の銃士隊』がいる場所まで地表を埋め尽くした
ゴブリンの群れに、ブローニングM2重機関銃とM224 60mm 迫撃砲の斉射が始まっていた。
爆破した迫撃砲弾の破片が、ゴブリンの身体にをへし折り、破片を突き刺していく。
至る所でゴブリンの断末魔と耳障りな奇声が響く。
ゴブリンの奇声が、凶悪な意志で『漆黒の銃士隊』を押し潰そうとしているのを告げている様でも
あった。
そのおびただしい数のゴブリンの中を疾風迅雷の如く突進している簡素で無骨、フード付き
マントを羽織った巨躯の姿があった。
長さ一メートルほど長剣を操り、ゴブリンの骨を砕き緑色の渋きを生み出していた。
フードから見える貌をゴブリンの血液で染めながら、双眸だけを爛々と輝かせている。
不屈の魂を感じさせる、強烈な炯眼の『召喚剣士』、
第32代米国大統領『フランクリン・ルーズベルト』だ。
『召喚剣士』の付近には、ゴブリンを殺戮した跡だ。
一体でどれだけ葬ったのか。
地面に転がっているゴブリンの残骸からは、予想もできない。
もげた頸や手足は、ゴブリンの緑色の血液のだまりに転がり、腹腔から
飛び出した
腸がだらりと伸びている。
『召喚剣士』がいる場所だけは、ゴブリン解体工場のありさまだ。
『フランクリン・ルーズベルト』の付近にいる無数のゴブリンがぴりぴりと空間を震わせる高い
咆哮した。
その絶叫は、怨念に満ちていた。
咆え狂いながらゴブリンの群れは、四肢をバネにして『フランクリン・ルーズベルト』に飛び
掛かっていく
その光景は、血に飢えた獣の動きを彷彿とさせる。
ゴブリンが『フランクリン・ルーズベルト』に肉追するまえに、巨躯な身体は疾風となった。
短い閃きの同時に、ゴブリンは緑色の血液を纏いつつ錐もみながら倒れる。
瞬きの間にゴブリンを屠った『フランクリン・ルーズベルト』は、屍を踏みつけて、脚を止めぬまま
次のゴブリンに飛び込んでいく。
弾き飛ばされるその一撃は、大砲の一撃をくらったありさまだ。
その一撃で、ゴブリンは挽肉の様に分解され絶命する。
飛び散る緑色の血液と肉が、辺りに飛び散る。
『フランクリン・ルーズベルト』の動きを止める事はできなかった。




