二十七話
――――――――ルイトリア島上空に、初めてそれが飛来したのは、夕刻頃だった。
この『異世界』の住民には、まったく見覚えも聞いたこともないものだ。
上空に飛来したのは、40匹の銀色に輝く巨鳥だ。
40匹は編隊を組み、ひときわ高い唸り声を上空で響かせていた。
ルイトリア島でゴブリンと死闘を繰り広げている島民及びゴブリンが、不安げな様子で暮れた
ばかりの空を見上げた。
その中に、銀色の巨体に、『Home delivery for the battlefield』という文字が書かれた銀色の巨鳥があった。
その内部には、10名の人影があった。
10名はこの『異世界』では、かなり珍しい衣服を着込んでいた。
そして、全員の貌が――――――眼・鼻・口もなかった。
凹凸がない平らな状態の素顔だ。
オルテガの様に、有名な日本の妖怪『のっぺらぼう』だ。
「 『ハークル・ビースト生協』より全機へ。目標発見。現高度より投弾する」
『Home delivery for the battlefield』という文字が書かれた銀色の巨鳥内部にいる1人が、そう下命する。
その声は、オルテガと同じように渋い声だ。
何処から声を出しているのかはわからないが・・・。
また、その内部ではクラシック音楽らしきものが流れていた。
サッカーでよく使われている、ヴェルディの『凱旋行進曲』だ。
「 『ハークル・ビースト生協』より全機へ 投弾用意!!」
目標上空に到達と、その1人が静かに号令する。
「爆弾檜開きます」
別の1人が渋い声で返答する。
「投下!!」
別の誰かが力の籠った声で叫んだ。
『Home delivery for the battlefield』という文字が書かれた銀色の巨|鳥が、上下に揺れ動く。
爆弾檜に抱き抱えてきた、この異世界には存在しない物体が落下し始めたのだ。
その物体には、『勝利を捧げよ』と白い文字で書かれているものが幾つもあった。
巨鳥一匹あたり、千ポンドの物体を二十発搭載している。
高空の冷え切った大気を貫いて、地上へとおちていく。
「後続機、投弾!」
インカムを通じて、報告が届く。
闇に包まれつつある地上では、次々と爆発光が閃いている。
目標周辺一帯を火の海に変えた、この銀色に輝く巨鳥。
この異世界では存在はしない、米国のボーイングが開発した大型戦略爆撃機だ。
第二次世界大戦末期から朝鮮戦争期まで、米軍の主力爆撃機であり太平洋戦争末期に日本本土を焼け野原にした、超空の要塞『B-29 スーパーフォートレス』だ。
『Home delivery for the battlefield』・・・
ネットの翻訳サイトで、いろいろと弄って現しました。 たぶん、間違っているかもしれませんが・・
『戦場のための宅配便』 (W 送り主『漆黒の銃士隊』 届け先『ゴブリン』




