十九話
―――――転移した3人は、主に『ゴブリン』だけを狩っているが、この『異世界』には、ライトノベルやRPGゲームで登場する『迷宮』が存在し、また『迷宮』を中心に街が形成していたりする。
それら『迷宮』は、『冒険者ギルド』が管理していた。
『迷宮』内は凶悪な魔物が徘徊する別世界であり、そこでの戦闘は冒険者を大きく成長させるが、
それだけに地上とは一味違う死の危険が孕んでいる。
最下層のほど、定番だが魔物が手強く、まれに浅い階層で珍しい魔物が出現することもあり、手ごわい魔物がひょっこりと現れる事がある。
『迷宮』に入るには、特に資格も必要ない。
自由に入ることが出来るが、『理由』があれば『冒険者ギルド』の『ギルドマスター』の判断で
一時的に迷宮への入場を停止することはある。
地域によるが場料を取る迷宮もあるらしいが、迷宮都市『モンギッド』の迷宮に入場料はない。
『迷宮』の入り口にはギルド職員が立哨しており、若年の者や、あまりに装備の貧弱な者は、入場をやめるよう助言を行っていた。
迷宮都市『モンギッド』の迷宮は100階層。
この『異世界』の『迷宮』では100階層が定番であり、他の『迷宮』は、
さらに深い。
階層は階段で降りることができるが、ライトノベルやゲームでお馴染みのスキップ機能は存在しない。
100階層まで行きたければ、全ての階層を突破しなくてはならず、地上に戻るには、やはり100階層を走破する他ない。
各階層に潜む魔物の多くは、戦闘に生き残る手段として冒険者にはない様々な能力を
持っており、 攻守に渡って敵対する冒険者を苦しめており、最下層には迷宮の主が待ち
構えている。
主を倒せば、内部の魔物が数日間ほど消滅し、出現はしない。
「おバカめ・・・あいつ『この世界』にくると、自重というものを手放しやがる」
ゴンザレスは、ぶつぶつ言いながら何かをしていた。
彼がいるのは、『冒険者ギルド』の建物内にある『黒い石碑』の前に立っていた。
その『黒い石碑』に手を触れれば、ライトノベルやRPGゲームなど成長要素があるシステムで使われる
『ステータス』を確認することが出来る。
ゴンザレスの場合は、 『召喚人』の『ステータス』だ。
今までは召喚数ぐらいしか表示されてはいなかったが、新たにそこには『召喚人』が武装する銃器類
及び 『カスタマイズ』、『アビリティ』の割り振り機能が追加していた。
ゴンザレスは、写し出されている『ステータス』を眺めながら眉間に皺を寄せている。
「どうしろと・・・しかし、これを適当にはできない」
睨みながら呟く。
ギルド職員にも聞いてみたが、その様な機能はないらしく存在もしていないらしい。
「存在しないなら、助言なんて当てにならない」
ゴンザレスは頭をガシガシを掻く。
『召喚人』の『ステータス』画面の『アビリティ』の所には、幾つか表示されていた。
見た所、まだ増える可能がありそうだった。
「・・・・」
ゴンザレスは、険しい表情を浮かべながら『黒い石碑』に触れる。
映し出されている表面の左側の上には、『銃器装備』の文字が表示されている。
右側の上には、『アビリティセット』の文字が同じように表示されている。
その画面をしばらく睨む様に眺めたゴンザレスは、『黒い石碑』に触れていく。
まず、ゴンザレスは『アビリティセット』の作業からはじめた。
ご丁寧にも『アビリティ』の付加効果の説明が表示されている。
見た所、初期何も手を付けていないらしく、真っ白な初期『ステータス』だ。
ゴンザレスがセットしていったのは、体力が一定以上のとき筋力が上昇する『アビリティ』と、
スタミナが一定量以上のとき、筋力が増加する『アビリティ』だ。
スタミナ消費量を軽減する『アビリティ』及び、体力が一定以上のとき、吹き飛ばし力が上昇し、
敵の体勢を崩しやすくなる『アビリティ』もセットする。
「・・・・・」
腕を組んでしばらく思案したゴンザレスは、再び『黒い石碑』の表面を触る。
次にセットしたのは、魔物からの拘束攻撃を受けた際に脱出難度が緩和される『アビリティ』だ。
銃器の射撃と命中率を増加させる『アビリティ』もセットした。
回避行動時のすり抜け成功時間を延長する『アビリティ』と、魔物からの注目度を減らし、気配を消す
『アビリティ』をセットする。
「おっと、あとは・・・」
何やらぶつぶつ言いながら、状態異常に掛かりにくくなる『アビリティ』と罠の発見・解除の成功率を
増加させる『アビリティ』、体力自然回復補助の『アビリティ』を最後にセットした。




