一話
――――――――死の匂いが充満する場所である村。
その一角で、悲鳴と怒号が響き渡り、そこかしこの家々からは火の手が上がっていた。
逃げ惑う人々は、レンガ色の肌に赤い眼の醜悪な風貌、ドワーフと同じ背丈の獣人の群れに襲われていた。
村は、夥しい数の『ゴブリン』の集団に蹂躙されていた。
「・・・なんて数だ」
夥しい程の『ゴブリン』を見て、呻くように呟いたのは、『緊急救援』に随行していた冒険者ギルド職員
だった。
恐ろしくて歯をガチガチ言わせながら呟いている。
近くの路面には、補給物資が散乱ししていた。
血の臭いが濃く漂っており、その周辺では『緊急救援』に参加していた冒険者達が『ゴブリン』と交戦していた。
『ゴブリン』は、外の甲高い耳障りな雄叫びを上げ、鼓膜を震わせながら冒険者達に襲い掛かっている。
戦況を見守りながら、冒険者ギルド職員はどうするべきか決断に迷っていた。
『(どうする! この数は多すぎる)』
冒険者ギルド職員が何か指示を出そうとした時――――――――鼓膜が千切れそうな轟音が響いた。
一匹のゴブリンは両足を跳ね上げて地面に叩きつけられた。
背中の射出孔に大きく残忍な傷を残していた。
『ゴブリン』の神経組織を麻痺させ、瞬間的な死を与えていた。
その轟音が合図であったかのように、凄愴な気配を纏った集団が姿を現した。
――――――一言で言えば『異様』な五人組だった。
全員が黒の背広に黒ネクタイ、黒の革靴を履き――――――全員がまったく同じ『貌』だった。
その端正な『貌』は、ハリウッドのアクション俳優と同じ『貌』だった
現れたのは、黒の背広に黒ネクタイ、白いワイシャツ、黒の革靴を履いた五人のアクション俳優だった。
その手には、『西部を征服した銃』として名高いウィンチェスターM1866を持っていた。
引金をひいたアクション俳優と同じ『貌』が、ボルトを引いて、薄煙の立つ
長い殻薬莢を遊底からはじき出した。
薬莢は熱く焦げて赤胴色に光っていた。
「さて、ゴブリン狩りを始めるか―――――『ゴブリン』を殲滅しろ!」
その後ろから、また別の人影が現れながら、そう発した。
その人物は、身体にぴったりと合った軽装だ。
号令と同時に、アクション俳優五人組は、一斉に『ゴブリン』の群れに銃口を向け、引金を引いた。
五丁のウィンチェスターM1866は吠えた。
『ゴブリン』は襲い掛かるチャンスもなく銃弾を撃ち込まれてた。
ウィンチェスターに狙われた『ゴブリン』は着弾の衝撃に吹っ飛ばされていく。
、アクション俳優五人組は素早くボルトを操作して、正確な死を送り
続ける。
『ゴブリン』の群れは戦う気力を失い、耳障りな奇声を発して逃げ出す。
「逃げられると思うなよ?」
そう呟きながら、、アクション俳優五人組を引き連れて追跡を開始する。
その光景に唖然とした冒険者とギルド職員だった。
先ほどまで苦戦をしていたのが幻だったような展開だ。
唖然としている冒険者ギルド職員の右肩を誰かが、ポンッと叩いた。
冒険者ギルド職員が振り返ると、先ほどの人物と同じ身体にぴったりと合った軽装した人物が
立っていた。
「手伝いにきました・・・」
その人物は、息を切らしながら告げる。
どうやら走って来たようだった。
冒険者ギルド職員は見覚えがあるのか、何処か助かった様な表情を浮かべた。
「おおっ、助かった!! 確か『漆黒の銃士隊』パーティの・・・」
冒険者ギルド職員がそう尋ねた。
「ゴンザレスです・・・『ゴブリン』は我々が引き受けますので、その間に避難民を保護してください」
ゴンザレスが短く告げた。
彼の後ろには、異様で迫力のある光景が広がっていた。
黒の背広に黒ネクタイ、白いワイシャツ、黒の革靴を履いた十五人の集団がいた。
『何かしら大きな事件に巻き込まれてしまう事が多く、世界一ついてない男』の
映画シリーズで、その刑事役を演じているハリウッド俳優の『貌』が五人。
撮影の前に徹底した役作りを行うことで有名で、アカデミー助演男優賞を受賞もしている
ベテランハリウッド俳優の『貌』が五人
ワイヤーアクションやバレットタイムなどのVFXを融合した斬新な映像表現は「映像革命」として話題となった映画シリーズ出演しているハリウッド俳優の『貌』が五人。
冒険者ギルド職員は、その『異様』な光景に引きつる表情を浮かべた。
その光景を見ていた冒険者達は、『ああ、これが最近噂の・・』と囁きあっている。
「えー・・・まず、『ウィルス隊』と『デニーロ隊』は、自分と同じく避難民が全員馬車に乗って脱出するまで警戒をお願いします・・・。
『リーブス隊』は、あの新しく『召喚』できた隊を率いて暴れまくっている彼の援護をお願いします・・・」
ゴンザレスは、後ろを振り返りながら、物腰の低い口調で告げる。
『イエス ボス』
全員が片言の日本語でそう応え、肩から吊るしているホルスターからコルトM1991A1を一斉に
取り出し、撃鉄を起こした。
とりあえず連載です・・・。ぼちぼちと書いていきます・・。
追加しておきました。 ドルフ・ラングレン・・・・