十五話
岩場周辺で『ゴブリン』の群れと闘っていたゴンザレスは、70匹目の
『ゴブリン』をXM500で仕留めた所で、疲労を隠せなくなっていた。
額に汗が滲んでいる。
「 『元の世界』での仕事もこうなら、楽なんだが」
そう呟きながら、口からぺっと金貨を吐き出す。
『ゴブリン』の群れは、大方『召喚人』によって駆除されている。
ゴンザレスは、『ゴブリン』を殺し続けている『召喚人』を眺めながら、生唾を
飲んだ。
『異世界』に転移出来る様になって、日はそれほど浅くもないが、『召喚人』の得体の知れない機械じみた、無機質な冷たさにはどうも
慣れなかった。
また、どういうわけか実際のハリウッド俳優よりも年齢が20歳から30歳ほど若い
『(この渡辺が言うには『召喚人』だが、雰囲気がどうも本業の仕事で相手にする裏社会の人間特有の雰囲気と似ているんだが・・)』
ゴンザレスは、視線を彷徨わせながら思った。
手野武装警備株式会社『特務課』は八話でさらっと紹介したが、『修羅場』と『荒事』には事欠かせない
ナナシとゴンザレス―――――『元の世界』の名前は、『渡辺純一郎』と『朝木辰雄』は、秘密武装警備員だ。
『特務課』の秘密武装警備員のメンバーの貌を知っているのは、手野当主を覗けば手野武装警備株
式会社の社長と手野武装警備附属陸海空軍軍事大学校に、推薦をした幹部補警備員しかいない。
業務内容からしても、手野武装警備株式会社及び手野グループ全般には存在すら知らされていない。
警察でも知っているのは、警察庁と警視庁のほんの一握りの最高幹部達だけだ。
財源は、手野グループの機密費から出されるが、その他に特殊貿易
と呼ばれている政府黙認の密貿易や、財界からの献金などによって豊かだ。
アメリカ同時多発テロ事件以降後の『特務課』は、世界各地の紛争地域に設置されている
手野武装警備株式会社の子会社から頻繁に『緊急要請』で駆り出されている。
『渡辺純一郎』と『朝木辰雄は、『特務課』の『修羅場』と『荒事』で、『ゴブリン』以上に狂猛な連中200人以上は闇から闇に葬っている。




