十三話
―――岩場周囲の至る所に『ゴブリン』の死骸が散乱していた。
それでも、何処から湧いてきたのかと思われるほど、『ゴブリン』はいた。
岩場に向かって群がってくる『ゴブリン』の群れに、『アラン・ドロン隊』、『ジャン・レノ隊』、
『マイケル・ダグラス隊』、『トミー・リー・ジョーンズ隊』は射撃を繰り返している。
『漆黒の銃士隊』の猛烈な射撃で、『ゴブリン』は次々となぎ倒されていく。
一方、ゴンザレスも岩場から座射のスタンスを取っていた。
銃口から赤っぽい炎が迸り、凄まじい銃声が響く。
空薬莢を弾き飛ばすと共に、スコープを覗いたまま口から何かをぺっと吐き出す。
吐き出したのは、この世界で流通している金貨だ。
付近には、幾つもの殻薬莢に混じって、黄金に輝く金貨が無数に転がっている。
『アラン・ドロン隊』と『マイケル・ダグラス隊』が、ウィンチェスターを構えながら『ゴブリン』の
群れに向かって前進し、乱射する。
銃口はオレンジかかった赤い発射炎を舌なめずりさせる。
『ゴブリン』が構えた盾の真ん中を撃ち抜き、身を守っていた『ゴブリン』も射殺する。
「 ゴブリンだけで、シモヘイヘの射殺数と並ぶな」
スコープを覗き込みながら呟き、そこから見えた後方に逃げ出そうとする『ゴブリン』数匹に
向けて、引金を絞る。
黒い影がばたばた倒れた。
ゴンザレスは、貌を顰めて口から金貨をぺっと吐き出す。
約七十~八十匹ほどの『ゴブリン』が奇声を上げて『アラン・ドロン隊』と『マイケル・ダグラス隊』に群がっていく。
だが、『ゴブリン』は『アラン・ドロン隊』と『マイケル・ダグラス隊』の影すら捕らえる事はできぬまま、逆にウィンチェスターM1866やコルトM1991A1によって死体と変えられていく。
血だらけになり蠢いている『ゴブリン』にも容赦なく銃弾が撃ち込まれていく。
『アラン・ドロン隊』と『マイケル・ダグラス隊』に続いて、『ジャン・レノ隊』も動き始めた。
『ジャン・レノ隊』が向かったのは、後続からさらに現れた四〇〇匹ほどの『ゴブリン』の群れだ。
その群れに向かって、『ジャン・レノ隊』はウィンチェスターM1866の銃口を向け射撃した。
ゴンザレスは、その様子を伺いながら、携帯型無線機使う。
「 「ナナシ」へ こちら『ゴンザレス』 状況を知らせてくれ オーバー」
携帯型無線機で尋ねた。
『こちら『ナナシ』 「ゴンザレス」へ 『ゴブリンの巣』一層を制圧した! 繰り返す、
『ゴブリンの巣』の一層を制圧した。 これより二層目に向かう。 そちらの状況は? アウト』
携帯型無線機から、雑音に混じった声が返ってくる。
「『ナナシ』へ 3個大隊規模の『ゴブリン』と
交戦中。
『蒼いゴブリン』及び『黒いゴブリン』の姿は、確認していない。オーバー」
ゴンザレスは携帯無線機で応える。
『 『ゴンザレス』へ 手助けは必要か? アウト』
雑音に混じりながらナナシの声が返ってくる。
「 『ナナシ』へ 今の所必要はない。さっさと二層も制圧して戻ってこい オーバー」
ゴンザレスは、そう返答した。




