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第二話 やっちゃいましたか……?


 「名は 『リズニア』」

 

 

 ────え?

 

 

 「女神の名を騙る、魔王の手先です」

 

 

 理解が追いつかない。この勇者は何を言っているのか。

 聞き間違いで無ければ、同じ名前の元女神を俺は知っている。

 

 

 「僕はその女を、討伐(殺し)に来たんです」

 

 

 その剣幕に固唾を呑んだ。

 

 

 本気だ。

 その眼は殺意に満ちている。

 

 

 "女神"で"リズニア"とくれば、やはり俺の知るあいつしかいない。

 

 

 リズニアを……殺す。


 

 どうしてそんな結論に至ったのか。何処でリズの存在を知り、この街に居ることを突き止めたのか。魔王の手先とは一体何なのか。疑問が止まらない──。

 

 不意に、誰かが俺の袖を引いた。袖をギュッと握ってこちらを見つめて来るのはユイリーちゃんだ。

 

 (こうだいさん、リズニアってもしかして、あのリズニアさんじゃあ……)

 (うん……多分、ね)

 (リズニアさんが女神とか魔王の手先とかってどういうことですか……?)

 (……それは、……いつかちゃんと説明する。絶対。今は何聞かれても知らないフリをしていて欲しい)

 (わかりました)

 

 ユイリーちゃんには俺達が何処から来たのか殆ど話して来なかった。それはユイリーちゃんだけじゃなく、普段からお世話になっているダットリー師匠や〖お食事処 レクム〗の女主人デネントさんに対してもそうだ。

 パーティーの誰かが決めたことではないが、関係ない人達には自然と話さないようにしていた。余計な心配をかけたくないというのもあったが、それ以上に巻き込みたくないというのが本音だ。

 ただ、ユイリーちゃんはこれまで俺達の仲間になる為に日本語を覚える努力を必死に続けてきた。

 日常会話もまだまだおぼつかないレベルの彼女──。それでもいずれ仲間になるであろうこの娘になら、俺達の正体も全て話してしまってもいいのかも知れない。

 

 「リズ、ニア……うーん」

 

 おっさんが腕を組んで目を瞑りながら言った。

 

 「何かご存知なんですか?」

 

 勇者が食い付く。

 

 「いや、あれは違かったような……」

 

 おっさんは険しい顔をしながら独り言のように零した。まさか、リズに心当たりがあるのか?

 

 「どんな些細なことでもいいんです。教えて頂けないでしょうか?」

 「そうだな……『きのこ狩りのリズ』ってのならいたな確か」

 

 まずいまずい……。『きのこ狩りのリズ』という、あいつに最近出来た異名が出てしまった。

 

 この街に住む人達の間ではその名を知らぬ人はいない。ただ異名だけが一人歩きしている状態なので、リズニア本人の顔を知っている人はそれほど多くはない。

 だから完全にバレた訳じゃない筈だ。

 

 ここは一旦家に戻って、狙われていることを一刻も早く本人に伝えた方が得策かも知れないな。

 

 「そのヒトは思わず「女神ですか……?」と聞きたくなってしまうような見た目でしたか?」

 

 勇者は僅かでも情報を得ようと、慎重に進めていく。

 

 「いやぁ、そこなんだよな。あれはどー見ても女神なんて容姿じゃない。どっちかっていうと……あれだ。馬車だ」

 「馬車……?」

 

 馬車……見た目の話なのだろうか。勇者がキョトンしている。

 確かに今のリズは大きな乗り物と間違えられてもおかしくない見た目をしている。でもさすがに、そこまで大きくはなかった。せいぜい牛よりちょっと大きいくらいだ。

 

 「そこのおっきな兄ちゃん程ではないが、横にデカくて丸っこい女だったと思うぜ」

 「その人は白金色の髪に空の色を映したような眼をしていませんでしたか?」

 「そこまでは覚えてねぇな……体型の印象が強すぎてな」

 「そうですか……。有難うございます」

 

 勇者はお礼を述べながらも肩を落とした。

 聞き間違いで無ければこの青年、リズの見た目まで知っている。更に日本人名で勇者をやっていると来た。となれば考えられることはひとつ。

 

 ──この勇者……まさか、リズが異世界に送った『あの勇者』なのか……?

 

 俺の記憶の本棚に引っかかる勇者はそれしかない。

 しかしあの勇者の名前をリズから聞いていなかったのが悔やまれる……。

 

 リズを庇って死んだあの青年なら、姿も日本人の筈。だが目の前にいる勇者は明らかな日本人ネームなのに見た目は完全に外国人の姿をしている。

  

 訊きたいことが山ほどあるのに、訊けない。訊ける状況じゃない。リズと関わりがあるとバレれば危険しかないから──。

 

 (ユイリーちゃん、今日はこのまま解散しよう)

 (分かりました)

 (あと、暫くは弟子ーズらしい格好は自粛しよう。色々勘繰られても面倒だからね)

 (やった……じゃなくて分かりました。明日は普通のかっこうでいいんですね! 残念ですが仕方ないですね!)

 (ああ……、うん)

 

 ユイリーちゃんが一瞬、喜びを見せた気がしたが気のせいだろうか。あのカッコウは俺に合わせて無理してやってるとかではないと願いたい。


 取り敢えず家に帰ることにしよう。そしてリズに今の状況を説明して──、

 

 「そこのキミ、リズニアという名前に聞き覚えはないかい?」

 「えっ! わ、私ですか!?」

 

 唐突な勇者の質問に対し、ユイリーちゃんは動揺を隠せない。

 解散しようとしたタイミングだったのもあって、気が緩んでしまっていたのだろう。キョロキョロとコッチを見てきても今は迂闊に助けられない……。

 

 「アナタは……」

 

 勇者がユイリーちゃんの視線を追ってコチラを凝視してきた。

 質問という感じでは無い。何かを怪しんでいるような目付きだ。

 

 ──なんだ。何かに気付いたのか?

 

 「えっと、何か……?」

 「いえ、以前何処かでお逢いしたような気がして……すいません。リズニアという名に心当たりはありませんか?」

 

 ──俺の顔を覚えているのか……? もし同一人物なら、前に顔合わせをしたのは事故る直前だぞ。トラックを運転していた俺の顔なんて、まさか覚えている訳……ないよな。

 

 「丸っこくない方のリズは、何処にいるか分からないですねー」

 

 わざと首を傾げてそう言った。


 「そうですか。どなたか『女神リズニア』ついて知っている方はいませんか?」

 

 なんとか危機を脱した俺は、その足で家に戻る事にした。

 

 (それじゃ、明日の散歩よろしくね)

 (はい、それではまた明日)

 

 誰にも気付かれないように小さく手を振るユイリーちゃんに同じように手を振り返して家に帰った。

 

 「リズー! いるかー!」

 

 呼んだ上でドアを三回ノックすると返事が返ってきた。

 

 「どうぞー」

 

 ドアを開けると物が乱雑に置かれた部屋の真ん中に、白いバランスボール……ではなくリズがいた。

 

 「リズ大変だ! お前の命を狙って──」 「ちょうどいいところに来てくれまフた! これ、お願いしまフデフ」

 「え?」


 俺の話を遮ってまで渡してきたのは、爪切りだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 「こうたろうが私の命をデフか……」

 「水戸洸たろうは俺より早く来て、唯一死んだ青年で間違いないか?」

 

 太り過ぎが原因で、自分の足にすら手が届かなくなったリズに頼まれ、足の爪を切ってやりながら話を続ける。カチッカチッと音がなる。

 

 「フい、間違いありません。しかし、どうして私がこの街に居ると分かったのでしょうか……」

 「お前にも分からないのか。命を狙われる心当たりとかは?」

 「無いでフ。転生の間では色々と説明フるのがめんどくさくて、自己紹介と軽い勇者の説明しかしてないデフからね」

 「自分で選んで送り込んだ勇者だろ? そこはしっかり説明してやれよ」

 「でもまー恨まれるだけのことはいっぱいしていると思いまフよ。現に勇者を殺したのは半分私みたいなものデフし」

 「いや、ガッツリお前だろ。何を不本意みたいな言い方してんだ。深爪にするぞ」

 

 勇者は確か、リズのジャーマンスープレックスで地面に突き刺さったことが死因だった。可哀想すぎる異世界転生だ。

 

 「でも、私を恨むだけの理由に辿り着けるハズがないんデフよ。洸たろうを殺害したことを知っているのは、ごく一部の人達だけデフから」

 「トリックを見破られた犯人かお前は。もう詰んでるから自首しろ。自首」

 「魔王を倒すのはこうだいの役目になりましたから、こうたろうのことはすっかり忘れてました。こうだいが居ればこうたろうは必要ないデフし、いっその事、口封じにもう一回殺っておきまフか」

 「この期に及んでまだ罪を重ねる気かお前は! ……心配して損したよ。もうやられちまえクズニア」

 

 リズの俺への評価が高すぎる件は置いといて、外道極まりない発言に怒りを通り越して呆れるばかりだ。

 

 「ああ〜! ちょっと、爪は?」

 

 立ち上がって部屋から出ようとする俺をリズが止めようとしてくる。

 

 「ちゃんと切り終えた。──いいか、俺は万が一お前がバレたとしても、助けてやらないからな?」

 「ブフフっ。助けなんて要らないデフよ〜。いくら聖剣に選ばれた勇者といえども、私には敵いまフェンからねえええ」

 

 一年半前のリズならば確かに今の勇者にも劣らない実力があったのかも知れない。しかし、今のリズじゃ良くて丸焼きにされる未来しか見えない。

 

 「そうか。自分の足にすら届かないお前に適わないなら、なーんも問題ないな。じゃ」

 「ちょっと待ってー!」

 

 ドアに手をかけて出ていこうとしている俺に、リズは待ったをかけた。

 

 「まさかでフけど、私がここに居るって言うつもりじゃないデフよね……?」

 「ん? だって勝てるんだろ?」

 「いやー、あ、あの、出来れば、何事もなく穏便に済ませたいので、ご内密にお願いしたいなー、なんて。ほらっ、そうフればそのうち、諦めて帰ってくれると思いまフし……。ね! こうだい、ね!」

 

 やっと自分の状態が分かったらしい。このまま痩せようって気になってくれたら嬉しいのだが……。

 

 「……分かった」

 

 溜息をつきながらドアを閉めた。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 リズのことを勇者達に内緒にしておく方向で決まった翌日。俺とユイリーちゃんは二匹の半魔を連れて荒野をお散歩していた。

 

 一匹の半魔は牛との魔物のハーフ。産まれた時の見た目がウリ坊にそっくりだったので、名を猪威猪威(チョイチョイ)

 

 もう一匹は俺とユイリーちゃんが回収したランドリーチキンの卵から孵った時ひよこだったので、名をピヨスクと呼んでいる。

 

 二匹はピヨスクが黄色い産毛の集合体だった頃からの仲良しで、ピヨスクが羽の青い(キモイ)鶏になった今でも仲がいい。チョイチョイはユイリーちゃんに懐いており、ピヨスクは俺に懐いている。ピヨスクは背中に乗ってあげると嬉しさの余り、舌をだして目をひん剥きながらヘッドバンキングするので、その姿が非常に愛くるしい。かなみちゃんやリズはドンキに売ってる音の出る鶏のおもちゃを思い出すようで怖いらしいが、俺にはそれがなんなのか分からない。

 そんな二匹を連れて荒野を回り、一時間ほどでお散歩は終了した。

 

 「チョイチョイ、ピヨスク。今日のお散歩はここまでだ。気を付けて森にお帰り」

 「キエエエエ」「フゴフゴ」

 

 そして散歩の帰り道、俺達はまたしてもあいつに出会ってしまった。

 

 「やぁ。キミ、昨日ぶりだね。依頼の帰りかな?」

 

 昨日とは随分様子の違う勇者が現れた。

 それもその筈だろう。両手に可愛い女の子を引っ付けて三人で歩いているのだから。歩いているのだから!

 ここは日照りの強い荒野。だというのに、女の子は二人とも何故か露出度が高いものを着ていて、二人して胸を強調する格好をしている。

 

 一体何をしにこんな所までやってきたのだろうか。スカートの女の子を連れて荒野にやって来るなんて勇者は何を考えているのだろうか! だろうかぁ!

 

 ユイリーちゃんが質問をする。

 

 「ゆ、勇者さま、お供の皆さんはどうしたんですか?」

 「ああ、彼らは連れてきてないよ。元々、この街にやって来た理由は僕の完全なわがままだからね。護衛をつけて歩くようなことはほぼ無いよ」

 「おい、私の勇者! この女の子は誰なのだ」

 「そうですわ! ワタクシというものがありながらコータロー、アナタまた……」

 「待ってくれ、誤解だよ! 彼女にはあのことを質問しただけだよっ」

 

 腕にくっ付いた二人の女の子は勇者に悪態をつきながらユイリーちゃんをじっと睨んでいる。

 俺の存在はひょっとして見えていないのかな?

 

 「そ、そうだ。キミに聞きたいんだけど、ギヒアードって何処にいるか分かるかい?」

 

 勇者は慌てて話題を変えた。可愛い女の子達に詰め寄られたら勇者でもたじたじらしい。何故かすごく腹立つ光景だ。

 

 (ユイリーちゃん、ギヒアードって確かCランクの)

 

 目で会話する。

 

 (はい。ギヒアの群れのボスです)

 

 「どうして勇者さんがそんなこと気にするんだ?」

 「女神リズニアの情報が出るまでの間、少しこの街に滞在しようと思いまして、退屈しのぎに依頼をいくつか受けて回ってるんです」

 

 俺の質問に対しては敬語で返してきた。どうやらちゃんと見えていたようだ。

 

 Cランクといえば、この街では一番難しいとされるランクのクエストだ。何故ならBランク以上の魔物がこの辺りには現れないからだ。

 

 「そうか。なんだったらギヒアードの居そうな場所に案内しようか?」

 「本当ですか! ありがとうございます」

 (こうだいさん! 勇者さまに関わらないようにしてたんじゃないんですか……!?)

 

 ユイリーちゃんには焦りの色が見える。確か、昨日はそんなことをユイリーちゃんに説明したような。

 

 (気が変わったんだ。勇者の実力がどんなもんか確かめておきたくて)


 勇者が実際に戦っている所は見ていない。だから今のリズの実力とどれだけ開きがあるのか確認しておきたい。

 

 (分かりました。変なこと言わないように気を付けますね!)

 

 俺達は勇者達を連れてギヒアが出てきそうな場所を回る事にした。道中、勇者が仲間を紹介し始めた。


 「紹介しておきましょう。こっちの小さいのがピタ」

 「ピタだ、です。別に私は小さくないぞ。よろしく頼む」

 「で、こっちが名家出身ご令嬢のトメ」

 「トメ・ハッシュプロ・ンドラフィス・ハーキサス・ドメスティックですわ。ハーキサス家くらいはご存知でして?」

 

 金色の長い髪を払いのけるようにして、自信の有り様をアピールしてくる。でも聞いたことない家名だ。

 

 「「いえ、分かりません」」

 

 ユイリーちゃんも知らないみたいだ。

 

 「そ、そう……別にいいですわ」

 「キミたちの名前は?」

 「ユイリーです。ユイリー・シュチュエート。主に魔法が使えます。よろしくお願いします」

 「よろしくね、ユイリーちゃん。それでアナタは?」

 「き、キークだ。よろしく。主にジョギングをしています」

 

 喜久嶺珖代なんて日本人ネームを教えるとバレる可能性があることに直前で気付いて、適当な名前を伝えた。

 

 「ははは。キークさん、ですか。ピタは剣術に意外と優れていて、トメはそれなりの魔法使いです。一応、共に旅する精鋭ですから強さは保証します。安心してくださいねっ」


 勇者は笑顔でそう言った。


 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 「着いたぞ勇者さん。この辺りにギヒアがよく出没するんだ」

 

 やって来たのは荒野の中でも大きな岩が辺り一面に転がっていて、ギヒア達が身を隠すには最適な場所。

 唸り声と共に、早速ギヒア達が姿を現した。

 

 「いいか勇者さん、まずギヒアが出てきたら、──って思ったより出てきたな……」

 

 潜んでいた数は予想の三倍、二十匹弱いる。

 ギヒアは一匹が姿を見せると全てが顔を出すのでこれ以上はいないだろう。もちろんの事ながら、ここにボスの姿はない。

 

 ──結構いるが、勇者達が撃ち漏らした奴から┠ 威圧 ┨で止めていくか。

 

 「キミたち、少し離れた方がいい。コータローの間合いに入るとケガをするぞ」

 

 ピタがそう言うと、勇者はギヒアの群れに歩いて向かっていく。

 

 「まて勇者っ、まさかあの数全部一人でやるつもりか?」

 「このくらいなら、一瞬で終わりますよ(・・・・・・)

 「いや、待てって!」

 

 勇者から薄らと青い光の奔流が流れる。

 間違いない。本気で全部やるつもりだ。

 

 「──魔力回峰(かいほう)十秒で終わらせます。 【魔響神行(まきょうしんぎょう)】」

 

 

 刹那。

 

 

 勇者はギヒアに肉薄すると、聖剣の一太刀で三匹のギヒアを一刀両断してみせた。

 


 三匹が六個の個体となって地面に落ちてくるまでの間に、別の二匹の頭を最小限の動きで切り落としてみせる。

 実力は充分に理解出来た。今のリズより断然強い。

 


 その後もあれよあれよとギヒアは数を減らし、その度に血飛沫があがった。

 


 「待て! その一匹は……!」

 


 俺の叫びも虚しく、最後の一匹も逃げる事が出来ずに絶命した。

 


 辺りは血と臓物にまみれているが、勇者の持つ聖剣は一切汚れていない。それが達人の領域が成せる業なのだろう。

 


 「勇者、お前……」

 


 ただただ呆れた。その強さにもだが、全然人の話を聞かないとは。

 

 「えっと、あの、どうかしましたか……?」

 

 頭を抱える俺を見て、勇者は顔色を伺うように声を掛けてきた。

 

 「あのな、勇者。ギヒアは逃げる時、巣に戻る習性があるんだ。で、その巣には高確率でギヒアードがいる。俺達は逃げるギヒアを追って、ギヒアードを見つけたいんだ。つまり、どういうことか分かるか?」

 「ひょっとして僕、やりすぎちゃいましたか……?」

 

 勇者は申し訳無さそうにそう言った。

 


 『おしえてっ! リズニア先生!』

 

 フい。今日から始まりまフたこのコーナーでは天才美少女女神こと、リズニアが、気になるワードを取り上げそれについてお話ししていきまーフ。そういうコーナーでーフ。

 

 

 今回はこれ、ジャンッ!!

 〈ギヒアード〉

 でフゥ。

 

 

 〈ギヒアード〉とは群れで生きる〈ギヒア〉のボフのことで、ギヒアと比べてふたまわりも体長が大きく、灰色の体をしているのが特徴でフ。

 

 強さで言うとこうだいやなかじまよりも強いですが、私やカナミンやカオリンならよゆーで倒せるレベルでフ。

 

 ギヒアードといえば、束ねた毛でできた鋭い角が特徴的です。群れのメフたちが自分達の歯でもって角を研ぐことで、角はより鋭さを増し、保っていくことが出来まフ。また、その角の形状は群れによって様々で、一直線の槍型やブーメランのような曲線型、ハート型なんてのもあったりしまフデフ。

 

 メフたちに嫌われるとギヒアードは角を研いで貰えなくなり、最悪の場合折られて使い物にならなくなってしまうそうでフ。そうなると縄張り争いにも負けて、メフを他のオフに奪われてしまうそうでフ。世知辛いでフね。

 

 ギヒアードにとって一番怖いのは、メフかも知れないでフね。(ドヤ)


 おあとがよろしいようで。

 

 次回は土曜日更新でフ。お楽しみにしてください。


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