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「およびですか?藤沢殿。」


メイド型自動人形(オートマタ)が連れてきた人物は痛々しい姿の老人だった。

両目の焦点があっておらず右半身にひどい火傷の跡があり両足は無くメイド型自動人形(オートマタ)に車椅子を押されてここに参上していた。

彼の名はグンター・ハムンカラビ、この世界アーク最高峰の頭脳であり【訪問者達】ですら持っていない希少な能力の所持者でもあった。


「ふん、【訪問者達】とお前の契約内容は覚えているだろ、一通り聞いてはいたが、我らの脅威となりうる存在がいたのでな、貴様に確認してもらいたい。」


「ほう!あなた方の脅威となりうる存在などがまだいたのですか!それでは映像を拝見させていただくとしますか。ああ、報酬のこと、頼みましたよ?」


そう言ってグンターは先程の映像を確認する。

そして問題のシーンを見終わったグンターは手で顔を覆った。


「どうした?何かあったか?」

「どうしたもこうしたもありません、なんですかこの映像は!私をからかってるのですか!」

「は?すまない、何の事だかわからないのだが?」

「………本当に何も知らないのですか?」

「どういうことかね?あの四人には何かあるのかね?」

「……はぁ、本当に何も知らないようですね、ではあの四人の正体を教えましょう。まずあの青年とピエロの兄弟、あの二人はかなり有名ですね、アーク最大勢力の宗教、セイ教の経典【ノナカの書】に記される触れたものを創りかえる【悪魔の手(デビルハンド)】を持つシグマ・ギャランとどんなものでも元に戻す【神の手(ゴットハンド)】ラムダ・ギャランだと思われます。あの老人もそれなりに有名ですね、あの老人は同じく【ノナカの書】に記されるどんな病人でも癒すことのできる【奇跡の医者(ブラック・ジャック)】のガンマ・ナイフでしょう。そして最後の一人ですが彼はかなりマイナー……というか恐らく私ぐらいしか知っている人間はいないでしょう。彼も同じく【ノナカの書】に記された【無個性】のゼータ、その能力は殆ど全ての能力を無効化し誰からも覚えられないという力です。私のこの目、【絶対記憶の魔眼】でなければ記憶できないでしょうね。」


だがここで藤沢に一つの疑問が生じた。


「まて、なぜたかが経典の登場人物の一人を記憶することが出来ないのだ?」

「さあ?それはわかりません、ですがそうなのだから仕方ないでしょう。」

「むぅ、まあそれは今は関係ないか。ところでなぜ、二次元の存在が三次元にいると思う?」

「それは貴方の方がよく知っているのでは?裏切者の事は私はよく存じませぬから。」


そう、確かに藤沢には心当たりがあった。

幻想(ロマン)現実(リアル)にする【夢見る人(ロマンチスト)】な高空(たかあき)絵空(えそら)

何でも出せるが何が出てくるかはわからない【びっくり箱ジャック・イン・ザ・ボックス】の駿河峰(するがみね)(れん)

嘘吐きな【詐欺師(ライアー)田中(たなか)彼方(かなた)

自分に有利な陣地を創る【創造者(ビルダー)】の一志(いちし)美里(みさと)


詐欺師(ライアー)】と【創造者(ビルダー)】の能力では二次元の存在は召喚できない、ならば【夢見る人(ロマンチスト)】か【びっくり箱ジャック・イン・ザ・ボックス】であることはほぼ確実ではあった。

そして彼ら四人には超小型自動人形(オートマタ)を付けている、これで奴らの拠点も判明するであろう。

だが自分の能力【真言(マントラ)】は本気を出せばどんな敵でも屠る自信はあった。だが【真言(マントラ)】の詠唱は少し時間がかかる。その間に集られたら?【訪問者達】は一枚岩ではないことは裏切者がいることから明らかではある。そもそもグンターがここにいることですら【訪問者達】は誰も知らないのだ。彼の存在が明らかになったら自分は処刑されてもおかしくないだろう。そういうものなのだ。


ドゴォォォォォォォォォオォォォォォォオンン


響く爆音。すぐに画面を切り替える藤沢。そこには破壊された緋緋色金(ヒヒイロノカネ)製の頑強な門と4人の男女の姿があった。




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