ロベルト・サレイとディイクリス・アティ・オーディの関係性
別視点です
「わー!あんた何してんだよ!」
ロベルト・サレイは慌てたように、絵美に近寄り、力なく横たわった身体を、支えた。
「?吹き矢で眠り薬を刺したんですが?」
それが、なにか?なんてディイクリス・アティ・オーディは悪びれもなくそんな善人そうな顔で言い放つ。けれど、やっていることは非道だ。
「まったく、こんな子供どうする気なんだよ!」
「そうですね。実験体のような物ですかね?」
何てことないようにさらに言い放つ。
「は?はー!?」
「落ち着きなさい。ロベルト君。ちょっと、した実験のようなものだ」
ロベルトの焦り具合に嘆息しながらディイクリスは呆れたように、言った。
「だったら、この子に許可もらってからにしろよ!」
「そんなことしたら、首を縦になど振らないでしょうが、ちょっとした刑だ。それで、チャラになるなら、この少年も、文句ないだろう」
「ありまくりだよ!たかだか、落書きした位で、こんな目に合うのはわりに合わないだろうが!」
「落書き・・・?」
「そうだよ。広場で地面に落書きしていたんだよ。奇妙な絵だったらしいが・・・」
「・・・。・・・」
「ど、どうしたんだ?」
急な沈黙にロベルトが眉宇を潜めるが。
「ほう、らくがきねえー」
そう言って、何かを考えていた。
「そんなことはいい!こんな小さい子を!」
「・・・。いいですか?ロベルト君。私はこの子を所望しているのですよ?」
ゆっくりと、絵美の近くに来て、ロベルトの腕の中からいつの間にか、絵美を自分の腕の中に移動させていた。
「うぎゃーなんか、そんな言葉を聞くと、とてもいかがわしい言い回しだよ!!って、いつの間に、その子移動させたんだよ!!」
「そんな事を言うあなたの方が、目下いかがわしい思考回路なのでは?本当にあなたは失礼ですね。それに、きづかないあなたが悪いんですよ」
「誰が失礼だ!あんたの場合、全ての言動が失礼だろうが」
「私ですか?ああ、私はいいんですよ。私は」
にっこり笑って、返答を許さないように言う。
「まあ・・・あんたは天下の」
「ええ、ディイクリス・アティ・オーディですから」
ドヤ顔を向けられても、美しさはかけらも損なわれなかった。
そんな様子に、世界は今日も不公平だと、ロベルト・サレイは思った。
そんな、遠くを見ていると、ディイクリスが、部屋の端にある泥水の中に意識のない子供を落としていた。
それも無機質な表情込みで
「うわ!あんた何してんだよ!!」
「ああ、この眠り薬はどのくらいの効力があるのか知りたかったので。ほう、まったく気づかないんですね」
これは、興味深いという様に、今だに、絵美は泥水の中。
「うわわわ!本当にあんたは何をしてるんだよ!!」
そう言って、ロベルトは絵美を引きずり出した。
そして、顔や腕などを、拭く。
それでも絵美は起きる気配はなかった。
「あんた、どれだけ強い眠り薬を使ったんだよ!」
これからの、この少年の事を考えると、涙が流れた。
ごめんよ。止めることのできないふがいない俺で・・・。そう、呟きながら。
いや~名前を書いていた紙が見つからなくて、名前変えました~って言っても、正式な名前は出てきてないですがディイクリスさんの名前。