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俺の非日常な日々  作者: 零堵
~一年目~
9/83

~第九話~

季節が夏に近づき、雨がよく降る季節になり始めた頃

俺は、今日もいつものように学校へと向かっていた。

まあ、いつも晴れていたけど、今日はどしゃぶりの雨が降っていて、傘をさして俺の通っている、山野辺高校へと行く。

登校途中、俺に話しかけて来る者がいた。

「おはようございます、まこ」

「おはよう……」

俺に話しかけてきたのは、俺と同じクラスで、俺に手紙を送った人物、汐崎美咲しおざきみさきであった。普通なら、安心してあいさつとかするようなものだが、彼女から来た手紙の内容は「好きです、彼女にして下さい」だったので、どう返事していいか、本当に困っているのである。

「まこ……やっぱり、私と付き合えませんか……?」

そう彼女が聞いてくる。

普通なら付き合えないだろう? だって、俺と言ってるが、俺も彼女も同姓だし?

「えっと……付き合うのは、ちょっと……」

「ど~してもですか……?」

「ど~しても」

「……分かりました、でも、私、諦めませんから、絶対にあなたに好きって言ってもらいます!」

そうガッツポーズを決めて言う、そう言われても困るんだが……

まあ、もしもそう心変わり? とかしたら、そうなるかも知れないけど……

そう話していると、校舎についたので、中に入る事にした。

校舎の中に入って、教室の中に入る。

教室の中に入ると「おはようございます、美咲様」と、男子の数人がそう言ってきた。

美咲は、その言ってきた男子に向かって、「おはようございますね?」と優しく言っている。

その言葉を聞いた男どもは、うおお!とか異様に盛り上がっていた、ほんと……大丈夫か? こいつら?

俺は、そう思いながら自分の席に着く。

席に着くと、やっぱりと言うか俺に話しかける者がいた。

「おっはよーまこ」

「おはよう」

俺に話しかけてきたのは、俺の親友でもある、栗谷美鈴くりやみれいだった。

「まこ~、まこが私と同じ場所で働くなんてびっくりしたよ? でもなんで?」

「……誘われたから?」

もとはと言えば、美鈴が原因なんだが

「ふ~ん、そっか、じゃあ休日もまこといられるのか~なんかいいかも?」

……何がいいんだかよく不明なのだが……

そう話していると、チャイムが鳴ったので、授業に集中する事にした。

そして、昼休み。いつものように俺は、俺の妹、南山亜季みなみやまあきが、作ってくれた弁当を食べる事にした。

お弁当箱を開いて、食べていると、俺に話しかけてきたのは

「まこー一緒に食べよ?」

そう言ってきたのが、美鈴だった。

「別にいいけど……あれ? 美鈴っていっつも購買部に行ってなかったっけ?」

「そうだけど、今日は自分で作ってみたんだ、あ、そうだ? まこ、ちょっと食べてみて?」

そう言って美鈴は、お弁当箱を開ける。

中に入っていたのは、ハンバーグに玉子焼き、お結びとまるで、お子様が好きそうなメニューばっかりだった。

「えらく子供っぽいメニューだけど?」

「うん、私、こういうの好きだからさ? こういうレパートリーにしたんだよー」

「そう」

そう言って、俺はとりあえず、玉子焼きを食べてみる。

うん……一言で言うと、しょっぱい、砂糖と塩、間違えたんじゃないか? と思う。

「これ……しょっぱいよ」

「え? ほんと? ……あ、ほんとだ……まあ、こういう事もあるよね」

いや無いだろ、普通は……そう言って、二人でお弁当を食べる。

お弁当が食べ終わると、チャイムが鳴ったので、午後の授業に集中する事にした。

午後になって、授業が終わり、放課後。

いつものように帰る用意をしていると、再び美鈴が話しかけてきた。

「まこー?」

「何?」

「今日さ? 遊びに行かない?」

「どこに?」

「まあ、私についてきて? きっとまこも楽しめると思うんだ~」

「そう……」

俺は、どうしようか迷ったが、生憎朝から降り続いている雨だし、家に直行で帰っても、何もする事ないし「遊びに行こう?」と誘って来たので、学校が終わって、放課後。

雨の中を傘をさして、街中へと制服のまま、出かけるのであった。

俺の住んでる町、山野辺市は、結構な住宅街と商店街がある。

地域としては、結構な広さで、人も多く、商店街は、人でにぎわっている。

そんな山野辺市を、美鈴と一緒に歩く

「で、一体どこに行くの?」

「それは、ついてからのお楽しみだよー」

「そう」

一体、何所に行く気なんだ?俺は、そう思っていた。

数分後、山野辺市商店街の中にある、一軒の建物にたどり着いた。

「ここだよ? まこ」

「ここって、ゲームセンター?」

「そう、ゲーセンだよ? まこはよく行くの?」

「いや……全くと言っていいほど、行かないかと」

「そうなんだ、じゃあ一緒に楽しもう?」

「……まあいいか」

こうして、俺と美鈴は、ゲームセンターの中へと入る。

ゲームセンターの中に入ると、中は冷房が効いてるせいか、涼しく、人が多くいた。

「今日は、私がおごってあげるよ~、まずこれからやっとく?」

そう言って、美鈴が指さしたのは、首都高ロワイヤルと呼ばれるレースゲームだった。

「まこは、やった事ある?」

「いや、初めてやるかな」

「じゃあ、操作方法教えるね?」

そう言って、俺にこのゲームのやり方を説明する。

「じゃあ、早速バトルしよ~、負けたらジュースのおごりね?」

「……こっち、不利なんじゃないかな?」

「……っふ、勝負と言うのは時には非常な物なのだよ~? 負けても恨みっこなしね?」

うわ、なんか言い方がムカツク……

こうなったら、全力でやってみるか……と、思い、俺は、こう言った。

「分かった、さっき教わった通りに、やってみて、全力でやるよ」

「おお? そうこなくちゃね? じゃあ、始めるよー」

そう言って、座席にお互いに座る、コインを投入して、アーケードモードの対戦バトルと言う項目をセレクトして、レース開始を待つ。数秒後、画面上にお互いの操作する車が映し出されて、スタート地点に並んだ。

「あ、ちなみにね? 私、このゲームのハイスコアランキングの上位者だよ~」

……何だと? と言う事は……こっちが、思いっきり不利な状況じゃあないのか?

まあ、やるからには全力で相手をしてやろうと思い、俺は、ゲームに集中する事にした。

そして……結果は、どうなったのかと言うと

「な、なんで??」

何故か俺が勝てました。美鈴がこう悔しがっているあたり、手加減はしていない筈……うん、運がよかったのか? それか実力か?

「美鈴……手、抜いたの?」

「ぬいてないよ~? 私、全力で相手したんだけど?」

「じゃ、自分の実力かな」

「うわ、なんか言い方がむかつくなあ、運がよかっただけでしょ~?」

「じゃ、約束どおりにおごってよね?」

「解ったよ~、次は私が勝つけどね?」

そう言って、美鈴は自販機で、ジュースを買う。

俺はそれを受け取ると、一気に飲み干す。

飲み終わって、空き缶をゴミ箱に入れると、次に美鈴は、こう言ってきた。

「次は、これやろ~?」

そう言って指差したのは「太鼓の神様」とか言う、太鼓を鉢で叩く、リズムゲームだった。

「解った」

「うん、ランクはどうする? 優しいから激ムズとかあるけど」

「やさしいで、お願い」

「りょ~かい」

そう言って、コインを入れてプレイする。

画面上に天使のわっかをつけた白ひげの爺が出てきて「これをプレイするのじゃな? まあ頑張るのじゃ」とか言ってきた。

うん、なんかやなじ~さんだなとか、思っていると、美鈴が曲を選択する。

選択した曲はと言うと「天空カイザーOP~光の空へ~」とかいうタイトルだった。

そう選択して、俺と美鈴はバチを持って、太鼓を叩く。

数分で曲が終わり、なんとかぎりぎりで成功。

そしてさっきの爺が出てきて「まあまあじゃな? もっと上を目指すがよいぞ」とか言っていた。

何で上から目線なんだ? この爺は?

2曲目は、アイドル曲の「スターマリン」とか言う曲をプレイした。

この曲はちょっと難しかったので、クリア失敗してしまい、そしてさっきの爺が出てきて「この程度とは情けない、コンテニューするかの?」とか言ってきた。

やっぱりむかつくな……この爺……

「う~ん、失敗しちゃったね?どう?楽しめた?まこ?」

「う~ん……まあ、誘ってくれてありがとね?美鈴」

「いえいえ、あ、もうこんな時間だ?じゃあ、帰ろうか?」

「そうだね」

そう言って、俺と美鈴は、ゲームセンターから、出て行ったのであった。


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