~第七十八話~
出されたプリントをよーく見てみると……
字がなんか……手書きっぽく見える。
これ、翠先生が直筆で書いたんじゃねーだろうな? とか思ってしまったが……ま、翠先生がやるようにとか言っているので、とりあえず……真面目にプリントを回答して行く事にした。
時間が過ぎていき、授業が終わって、休み時間になった。
休み時間になったので、どうしようかな……と考えていると
「ねえねえ、まこ?」
そう話しかけて来たのは、同じクラスの美鈴だった。
「何? 美鈴」
「今日さあ? 授業が終わったら、遊びに行こうよ? まこ、何か予定とか入れてる?」
そう言われて考えて見る。
予定ね……授業が終わったら、家に帰るだけなので、何も予定とかは入れてはいないので、こう言う。
「別に予定は何も入れてないよ」
「じゃあ、遊びに行こう? 今日はさ~カラオケに行こうよ? 新しい曲を覚えたから、まこに披露しようと思ってるんだ~」
「新しい曲ね……それは美鈴が出してくれるの?」
「まこがそう言うんだったら、私は奢るよ?」
「……解ったよ、じゃあ、一緒に行こうか」
「よし、決ーまり、じゃあ、授業が終わったら声かけるね?」
そう言って、美鈴は教室から立ち去っていってしまった。
授業始まるのに、何所行ったんだ?って思うのだが……ま、放っておく事にして、次の授業の準備をする事にした。
準備が終わって、チャイムが鳴り、チャイムが鳴った後、美鈴が慌てて戻ってきたのを確認、美鈴が席に着くと、先生がやって来て、授業が始まった。
授業内容は、結構難しく、黒板にどんどん文字を書いていくので、ノートに書き写す作業で、ちょっとと言うか……疲れてしまった。
早く終わらないか……とか思いながら、時間が過ぎるのを願って、時間が過ぎ、今日の授業が全て終わって、帰りのHRの時間になった。
担任の翠先生が「じゃあ、連絡事項だが……何だっけ……ああ、そろそろ冬休みに近くなるが、その前にテストをやる事になってるんだった。ま……いい点取って頑張れよ? じゃあ、これで終わりとする」
そんな事を言って、HRが終わった。
HRが終わった後、帰りの支度をしていると、美鈴がやって来て
「まこ~、じゃあ、いこっか?」
「いこっかって……このままの姿で行くつもり? 着替えて集合とかしないの?」
「このままの姿でいいじゃないかな? だって、着替えてわざわざ集合するのも面倒だしさ? だから、このままの姿で行こうよ? 何か問題ある?」
「別に問題はないけど……まあ、美鈴がそう言うんだったら、そうするか」
「うん、さ、出発~」
美鈴がそう言うので、そのままの制服姿のまま、カラオケ店に行く事になった。
美鈴と一緒に教室を出て、昇降口に出ると
「あ、お姉ちゃん」
そう言ってきたのは、妹の亜季だった。
「亜季も今から帰り?」
俺がそう聞くと
「うん、丁度授業が終わった所だったから……で……お姉ちゃん」
「な、何かな」
「なんか、その人と一緒にいるけど……何所かに行くの?」
何で亜季は、ちょっと怒った風に言ってくるんだろうな?
そう考えていると
「妹ちゃん、今日は私と一緒に遊ぶ事になってるから、邪魔しないでね?」
とか言いやがった。
「! お姉ちゃんと二人っきりになんか、させません! 私も一緒に行きます!」
「……と、言っているけど? 美鈴?」
「え~~? まこと二人っきりが良かったのに?」
「二人っきりってね……別にいいでしょ? 亜季が一緒でもさ?」
「……まあ、まこがそう言うなら……妹ちゃんも一緒に行こうか」
「当たり前です、お姉ちゃんの行く所、私も行きますので」
「ふ~ん……まこ、好かれてるね」
「……それにどう言えばいいんだよ……じゃあ……一緒に行こうか? 亜季」
「うん、お姉ちゃん」
こうして結局、妹の亜季もついて来る事になって、三人で行く事が決まった。
決まったのはいいが……まず亜季に言いたい。
くっ付いて来るのはさすがに止めて欲しい。 何というか……思いっきり抱きついているので、歩きにくいし、周りも視線も凄く気になってしまった。
美鈴も、くっ付いて来るし、余計に目立ってしまっている。
俺が注意しても、二人は「別にいいでしょ?」とか言って来て、離れる様子が全くなかった。
山野辺市の町の中を歩いて、山野辺駅前に辿り着く。
駅前の近くにあるカラオケ店に、俺達が入ると、店の店員が何というか……不思議がっている風に見えた。
ま、女子高生三人がくっ付きながらお店に入るとか、異様だよな……?
美鈴が店員と相談して、部屋が決まったので、個室に移動する。
カラオケボックスの部屋の中を見てみると、ライトアップされていて、結構綺麗に見えた。
「まこ~誰から歌う?」
「……美鈴からでいいよ、自分は後から歌う事にするね、亜季は?」
「お姉ちゃんがそう言うなら、私も後にするよ?」
「なら、私が一番に歌うね~後で、感想をお願いね? まこ」
そう言って、実鈴が一番に歌いだす。
何の曲歌うんだ……? と思いながら、歌を聴いてみると……
歌詞が何というか、ちょっと変な風に感じた。
曲調もアップテンポなので、こう言うのを電波ソングと言うのかも知れない。
そんな歌を美鈴がポーズを付けながら、熱唱している。
えらいノリノリだな……と感じながら、曲が終わると
「まこ、どうだった?」
そう聞いてきたので
「どうって、とりあえず……凄い歌詞だなあとは思ったかな」
「え~それだけ? 何か他にないの?」
「他にってなあ……あ、亜季? 次、歌う?」
「うん、選曲したから次、歌うね? お姉ちゃん」
亜季がそう言い、次の曲が始まった。
亜季が歌ったのは、シスターラブとか言うタイトルの曲で、テレビモニターに出てくる出演者も、女だけだった。
曲調は、そんなに騒がしい感じじゃなく、すんなりと聞く事が出来たのだが……最後の歌詞に「お姉さま、大好きです」とあるのはいいのか?って思ってしまう。
歌が終わり、亜季が
「お姉ちゃん、私の歌、どうだった?」
「えっと……それは良かったよ? とか言って欲しいの? 亜季」
「うん、お姉ちゃんの為に歌ったから……」
あのー亜季さん? そこで顔を赤らめて言う事じゃ無いと思うのですがね?
男だったら、勘違いしちゃうような視線は、止めて欲しい……
「まこ? まこは何を歌うの?」
美鈴がそう聞いて来たので、俺は曲のタイトルが書かれている本を見て、検索する。
検索して見たが、特に歌いたい曲とか無かったので、知っている曲にする事にした。
俺がマイクを持つと、二人が
「お姉ちゃん、頑張って」「まこ~がんば~」とか言って来る。
頑張るも何もな? 別に点数とか気にしてないんだが……
まあ、知っている歌を歌い、俺が歌い終わると、次に美鈴が歌って、そんな感じに時間が過ぎていき、終了の時刻となった。
延長はしないので、そのままボックスの外に出て、店を出る。
代金は、美鈴が払ってくれるそうなので、外で待っていると、会計を済ませた美鈴がやって来て
「まこ、今日は楽しかったよ? でも……」
「でも?」
美鈴が近づいて来て、耳元で
「今度は二人っきりで遊びに行こうね? まこ? それじゃあね~」
そう言って立ち去って行った。
「お姉ちゃん……あの人に何て言われたの……?」
「……大した事じゃないよ、さ、亜季? 帰ろうか?」
「……うん」
帰る途中、亜季が「お姉ちゃんはあの人になんか、絶対に渡さない……お姉ちゃんは私のだから……」とか聞こえて来たけど、聞こえないフリをして、亜季と一緒に家へと戻る事にしたのであった。




