~第六十七話~
俺は、夏休みに突入したけど、行く所があった。
その場所というのは、秋葉にある、喫茶店、ラブ喫茶「アイライク」である。
一日のシフトを入れてるので、夏休みでも、バイト先に向かうのであった。
電車に乗り、目的地、秋葉に辿り着く。
夏と言うだけあって、結構暑い……
人も沢山いて、ちょっと鬱陶しいな……と思いながら、バイト先へ向かった。
ラブ喫茶「アイライク」に辿り着いて、店内に入る。
店内は、冷房が効いていて、かなり快適な空間でもあった。
俺は控え室に入り、自分の制服を着る事にした。
ギャルソンタイプの服を着て、鏡を見てみる。
前と違って、髪が結構伸びて、セミロングになっていたので、多少というか、女の子に見えなくもなかった。
まあ、胸のでっぱりが無く、貧乳だったので、髪を切ったら、男の子に見えるのかも知れない……そんな事を考えながら、身だしなみを整えて、ホールに出る。
ホールに出ると、俺に話し掛けて来たのは
「まこさん、おはようございます」
あっきーこと、秋村真帆であった。
「おはようございます、あっきー」
「まこさん、ちょっと聞いていいですか?」
「ん? 何?」
「新しく始まった連続ドラマ、「スターライト」ってあるんですけど……そこで、主役の暮見翔さんが「前に競演した者と三人でバンド組んで、ED作りました」って言ってたんですけど……まこさん、翔さんと競演してましたよね?」
そう言われて、俺はどうしようか……と迷った。
確かに、前に「天空カイザー」のドラマに、一緒に競演したけど……これって、話しても大丈夫なのか? とか思い、まあ、別に喋っちゃ駄目って、止められてる訳でもないし、別にいっか……と思ったので
「競演してたけど……それで?」
「それで、MKYってバンド名なんですけど、もしかして……この中にまこさん、入ってます?」
「うん、入ってるよ」
「やっぱり! そうじゃないかな…・・・と思ってたんですよ!あ、ちなみに、何のパートだったんですか? 私の考えでは、三人組なんじゃないかな?って思うんです、歌は翔さんが歌ってましたし」
なかなか鋭いなあ……この子
「自分は、ベースかな」
「そうですか~まこさん、凄いです、私楽器とか、全く出来ないから、本当に凄いと思いますよ?」
「そ、そうかな?」
「凄いですよ、あ、秘密にしとくんだったら、私、言いふらしませんけど?」
「じゃあ、秘密にしてくれる?」
「はい、解りました、あ、実は……まこさん? 今日って仕事終わったら、暇ですか?」
「う~ん……別に予定は入れてないから、暇と言われたら、暇かな?」
「そうですか、じゃあ、仕事が終わったら、また、声をかけていいですか?」
「うん、いいよ」
「ありがとうございます、あ、じゃあ、私、店長が呼んでるみたいなので、行きますね、では」
そう言って、あっきーは、離れて行く。
うん、一体俺に、何の用なんだろう? と思ったが、深く考えない事にして、俺も、仕事をする事にしたのであった。
いつものように接客をして、いつものように振舞う事にした。
相変わらず、俺を呼ぶ客は、女性ばかりで、男性客は、同じバイト仲間の東雲玲を呼んだりしていた。
「まこさん」
今日も、女性の客が、そう呼んだので、俺は、その呼んだ方に向かう
「はい、何ですか?」
「あの、魅惑のフルーツ盛りと、天使の微笑みをお願いします、あと、まこさんの携帯番号もお願いします! 毎日連絡したいです!」
「かしこまりました、最後のは教えられないですね、では、少々、お待ち下さい」
うん……携帯番号を教えてと、お客に聞かれたのが、これで五回目だった。
何で、俺の携帯番号を知りたいと思うんだろうな?
そう思いながら、仕事をする事にした。
時間が過ぎていき、店長の東雲紫さんが
「まこさん、今日はもうあがっていいわよ?」
「あ、はい、解りました」
店長がそう言ったので、俺は、控え室に向かった。
控え室の中に入り、着てる服を脱いで、私服に着替える。
着替えが終わって、控え室から出ようとすると
「お疲れ様です、まこさん、私も、仕事、終わりました」
そう言ったのは、あっきーこと、秋村真帆だった。
「お疲れ様」
「まこさん、実は今日……私の家に来ません?」
あっきーがそう言って来る。
「え? あっきーの家に?」
「はい、実は……この夏に開催される、コミックマーケットって知ってます?」
「コミックマーケットなら知ってる、去年、美鈴と一緒に行った記憶があるし」
確か、その時は、無理矢理コスプレをさせられた覚えがあるな……
「なら話が早いです、まこさん、一緒に合わせで、コスプレしませんか? 衣装は、こちらが用意するので」
「コスプレね……」
俺は、どうしようか迷った。
今年もそういったイベントはあると思うし、それに、多分と言うか……絶対、美鈴がそのイベントに誘ってくると思われる。
まあ、別に嫌って訳じゃないので、やってもいいので
「まあ、いいかな」
「ありがとうございます、じゃあ、私の家に行きましょう? あ、着替えますね」
そう言って、あっきーは着ているメイド服を脱いで、下着姿になった。
改めてみてみると……自分よりあっきーの方が、胸のサイズが大きかった。
まあ、別に巨乳になりたいと言う訳ではないので、コンプレックスは全く感じないのだが……って、何考えてんだろな?
あっきーが着替え終わり、俺に、こう話しかけてくる。
「着替え終わりました、じゃあ、行きましょう」
「うん」
そう言って、俺は、あっきーの家に行く事になった。
店を出ようとすると
「あれ~? まこにあっきー? 一緒に何所行くの?」
メイド姿の美鈴が、俺達に話しかけて来る。
「ちょっと、私の家にまこさんを、ご招待しようとね?」
「あ~いいな~…/・私もバイトがなかったら、一緒に行ったのに~」
「美鈴、バイトがんばってね」
「うん、解った、まこ、じゃあ、またね?」
またね?って、学校も無いのに、何所で会う気なんだ? と思ったが……深く考えない事にして、あっきーの家へと向かった。
秋葉の町から電車に乗り、山岡と言う駅に辿り着く。
山野辺駅とは、全くの反対方向で、帰る時、結構時間かかるのかもなあ……
と、思ってしまった。
その山岡と呼ばれる町の中を歩いて、数十分
一軒家に辿り着く。
その家は、結構大きく、立派な家だった。
もしかして、あっきーって結構いいとこのお嬢様なのか? とか思ってしまう
「ここが、私の家です」
「結構、大きい家なんだ」
少なくとも、俺の家よりは、でかいと思うんだが……
「そうですか? まあ、大きいかな? とは、自分でも思いますけどね? じゃあ、部屋に案内しますね?」
そう言って、玄関の鍵を開ける。
中は、結構広く、いい匂いがした
廊下を歩いていると
「あら、お帰りなさい、真帆」
そう言ってきたのは、なんか若そうな女性だった
結構童顔で、もしかして、あっきーのお姉さん? とか、思ってしまう
「あ、ママ、ただいま」
ママと言う事は、母親なのか……美鶴母さんと比べてみて……うん、美鶴母さんは女優なので、綺麗系、この人は可愛い系って感じか……それにしても、かなり若く見えるな……実年齢いくつなんだろ?
かと言って、年齢を聞くのも失礼だしな……
そう思っていると
「あら、お友達?って……なんか見た事あるわね?」
「ママも見た事あるでしょ? 天空カイザーで、レキ役をやった、真琴さんだよ」
「え、うそ!」
なんか凄い驚いていた。
うん……一体、あっきーは、なんて俺をこの人に紹介したんだろ?
「本当に真琴さん?」
「え、ええ……そうですけど」
「そう、まさかうちに有名人が来るとは、思いもしなかったわ、真琴さんの出たテレビとか、見ましたよ? ほら、すくーる・でっとって言うドラマもやってましたよね?」
「あ、はい、そうですけど……詳しいですね」
「ええ、気に入った人のは、覚える事にしましたので、ドラマの内容ですが……結構良かったですよ、これからも出演する番組、見ようと思います」
「は、はあ……ありがとうございます」
と言っても、今の所、出演する番組とか、全くないのが事実なんだけどな……そう思っていると
「ほら、まこさん、私の部屋に行こう?」
あっきーが、そう言ってきたので、俺は、あっきーの部屋に向かう事にした。
あっきーの部屋は、思いっきり女の子の部屋だった。
ぬいぐるみやら、いろんな物が飾ってあって、結構いい匂いもしている。
「じゃあ、早速衣装合わせですけど、まこさんに似合いそうなのはっと……」
そう言って、あっきーは、クローゼットから、服を取り出してきた。
よく見てみると、色々な服装が置いてあり、結構沢山あるみたいだった。
「まこさん、これとか似合いそうです」
そう言って、取り出したのは、なんか……武士とか着そうな服装だった。
「ちなみにこれは?」
「アニメ~新旧組~風月録~の衣装です、キャラの皆が、結構いいキャラしてるんですよ? まこさんは、見た事ありません?」
「いや、見た事ないかな」
「じゃあ、アニメ貸しましょうか? 色々持ってますし」
「いや、いいよ、悪いし」
「そうですか? とりあえず、まこさん、着てみてくれませんか?」
「……解ったよ」
そう言って、俺は、用意された服を着る事になった。
数分後、着替え終わって、あっきーにこう聞いてみる。
「どうかな?」
「凄い、似合ってます! さすがまこさんです!」
「そうかな……」
「いや、本当ですよ! このキャラで、コミックマーケットに参加しません?」
あっきーが、そう言ってくる。
俺は、どうしようかと迷ったが、別に断る理由もないので
「解った、いいよ」
「ありがとうございます!」
こうして、俺は、コミックマーケットにコスプレ参加する事がきまった。
あっきーが「写真撮っていいですか?」と聞いてきたので、それを了承して
写真を撮ってもらい、元の服装に戻る事にした。
そして、遅くなってきたので、俺は、こう言う。
「じゃあ、もう帰るよ、あんまり遅いと、妹が心配するしね」
「あ、そうですか……一緒に夕飯でもと思ったのですけど、まこさんが、そう言うなら、仕方がないです」
「じゃあ、さようなら」
「はい、さようならです」
そう言って俺は、あっきーの家を出て、家に戻る事にしたのだった。




