~第六十六話~
俺は、夏休みに入ったので、のんびりと家で過ごす事にした。
まあ、夏休みの宿題があるのだが、それはあとでやればいいかな……と思っていたので、家で、ごろごろと過ごすのもありか……と思っていたのである。
そんな感じに過ごしていると、俺の持っている携帯が着信したので、出てみると
「やっほ~まこ、元気にしてるかな?」
そう言って来たのは、同じクラスで、親友の栗谷美鈴だった。
「元気にはしてるけど、一体、何の用?」
「まこ、今日さ? 暇?」
「暇と言っては、暇だけど……一体何?」
「じゃあさ? プール行こうよ? 今日って、結構暑いしさ? プール行ったら、気持ちいいって」
「プールね……どうしようかな」
「だって、まこ、今日、暇なんでしょ? これから、予定とか入れてるの?」
「いや、別に予定は、何も入れてないけど」
「じゃあ、問題ないじゃん」
「……分かった、行くよ」
「じゃあ、決まりだね? 水着もって、待ち合わせは、山野辺駅で集合ね? 遅れないでよ? まこ」
そう言って、電話が切れる。
遅れないでって……時間を言ってないんだが?
まあ、今から行って、いなかったら、美鈴に電話すればいいだろう……と、思う事にして、早速、準備をする事にした。
準備が終わって、家に誰もいなかったので、外に出て、家の鍵を閉める。
外の日差しは、カンカンに照りつけていて、美鈴の言ったとおり、結構、暑かった。
集合場所が、山野辺駅だったので、山野辺駅に向かう。
山野辺駅に辿り着くと、もう既に、美鈴の姿が見えた。
「遅いよ? まこ」
「遅いって、時間言ってなかったじゃないか、美鈴」
「あれ? そうだっけ」
「そうだよ」
「まあ、いいよ、ちゃんとまこ、来てくれたしね? じゃあ、行こうか?」
「ところで、今日、行く場所って、どこなの?」
「プールって言ったから、今日は、山野辺市民プールに行きましょう」
「了解」
そう言って、俺と美鈴は、山野辺市民プールに行く事になった。
山野辺市民プールは、駅からそんなに離れていなく、ちょっと歩いただけで
辿り着いた。
夏休みというだけあって、家族連れや、学生が結構、多くいたりして、結構賑わっていたりしている。
俺と美鈴も、その中に入り、早速更衣室に向かった。
更衣室のロッカーの中に着ている服を脱いで、水着に着替える。
なんか視線を感じたので、辺りを見渡すと、何故か美鈴が、こっちを見ていた
「何してんの? 美鈴」
「いや、なんか……まこの水着って、新鮮だなあ……ってね? ほら、去年は、バイト仲間で海に行った時、まこだけ、水着着なかったでしょ?」
「そうだっけ?」
「そうだよ、それにしても……まこ、なんかかっこいいね」
「そう?」
「うん、でね? 私のは、なんと……ビキニタイプなのだ!」
そう言って、美鈴は、俺に水着を見せてくる。
なんで、俺に見せるのが謎なんだが?
「ねね、どう? 似合ってる?」
「似合ってはいるけど……胸が小さいかな? あと、そういうのは普通、男の人に言うもんじゃないの」
「それはしょうがないでしょ! ちっとも育たなかったんだからさ!、そう言うまこだって、貧乳でしょ? まあ、その水着だと、似合ってるけどさ?」
「自分は、これでいいと思ってるよ、あんまり胸大きいとか、嫌だと思うしね」
「ふ~ん……あ、着替え終わったから、そろそろプールサイドに行こうか?」
「そうだね」
そう言って、俺と美鈴は、プールサイドに向かった。
プールサイドに行くと、かなりの人数がいて、丁度、休憩タイムだったらしく、プールの中に、誰一人、入ってなかった。
監視員らしき人が、プールの中に飛び込み、泳いでいく。
よく見てみると、あの人、すごい鍛えられてるな……こっからでも、泳いでる姿がよく見えた。
「あれ? まこ、もしかして……ああゆう人がタイプ?」
なんか変な誤解されてる気がするので
「そんなんじゃないって、ただ、すっごい鍛えてるな……って思っただけ」
「あ~ほんとだ、あれだと、オリンピックとかにいそうだよね」
「でしょ? ただ、見てただけだよ」
そう話していると、監視員の人が、プールから上がって、メガホンで、こう言って来る。
「休憩タイムは終了です、次の休憩タイムは一時間後とします、飛び込みは禁止です、皆さん、きちんと守って下さい、それでは、皆さん、どうぞ!」
そう言って、首から下げている笛を、ビーーーと鳴らした。
「あ、入ってもOkみたいだね? じゃあ、入ろうっか? まこ」
「うん」
そう言って、俺と美鈴は、プールで遊ぶ事にしたのであった。
「まこ~さ、泳ごっか?」
「そうだね」
そう言って、プールの中に入る。
水温は、結構いい感じに設定されているらしく、ちょっと冷たい感じがした。
「ここって、競泳用のプールと流れるプール、あとウォータースライダーがあるけど、やっぱり、流れるプールはいいねえ~」
そう言って、手を動かしながら、美鈴は、そう言ってくる。
「うん、確かにそうかも」
ゆったりと流れているので、泳ぐ必要がなく、十分ぐらいで、一周する感じだった。
「ねえねえ、まこ? 後一周回ったら、競泳用のプールに行って、泳ごうよ?」
美鈴がそう言ってきたので、俺はと言うと
「りょ~かい」
そう言って、美鈴と一緒に、一周ゆったりと回る事にした。
一周回って、流れるプールから出て、競泳用のプールへと向かった。
そこに向かうと、結構な人が、クロールや、バタフライで泳いでいたりしているので、俺達もその中に入り、まず軽く、泳ぐ事にした。
美鈴が平泳ぎで二十五メートル泳いで、俺が、背泳ぎで二十五メートルを泳ぐ、泳ぎ終った後
「まこ、競争しよ? ジャンルは、クロールでやらない?」
そう美鈴が言って来たので
「りょ~かい、じゃあ、やろうか」
そう言って、スタート位置について、よ~いどんと言って、プールの中に飛び込む。
結果は、どうなったのかと言うと、数秒の差で、俺が勝った
「く~、あともうちょっとだったのに~まこ、もう一回!」
「いや、疲れたよ……一回でよくない?」
「ん~……まこが、そう言うなら……じゃあ、休もうか?」
「そうだね」
そう言って、競泳用プールからあがって、休憩できるスペースがあったので
そこで、休憩する事にした。
休憩していると
「彼女達、二人で来てるの?」
そう話しかけて来たのは、なんかちゃらい海パンを履いた男二人組だった。
うん……何なんだ? こいつら……と思うんだが?
「えっと……何ですか?」
「いやさ?俺ら男二人でさびし~のよ、だから、一緒に遊ばない?」
そう言ってくる。
うん、これってナンパか?
まあ、確かに自分達は、女子二人で来てるのだが……
美鈴の様子を伺ってみると、なんか嫌そうな顔をしていた。
俺は、小声で、美鈴に話しかけてみる。
「ねえ、これってナンパか?」
「だと思うよ? まこは、受ける?」
「いや……断るつもりなのだが」
「私もそうよ、せっかくまこといちゃいちゃしてるのに……邪魔してるんだから」
いや、いちゃいちゃはしてないぞ、たぶん……
そう小声で話してると
「で、どう? 一緒に遊ばない?」
と言って来たので、俺はと言うと
「嫌です、お断り、ノーセンキュー」
そう言ってやる事にした。
「行こう、まこ」
「ああ」
そう言って、移動する。
男達は
「あ、待てよ!」
と手を掴み掛けて来ようとしたので、俺は、その手を弾いて、足払いをかけて、相手を転ばしてから
「触るな」
と、ただ一言言って、そのまま無視した。
その姿を見た美鈴が「お~まこ、かっこいい~」とか言っている。
それ以来、男達から声をかけられる事はなかった。
ま、声をかけられるのは嫌だったから、別に問題はないな? と、少なくとも、そう、俺は思っていたのであった。
時間が過ぎて、たっぷりと遊んだので、帰る事にして、市民プールを出て行く。
帰り道
「まこ、今日は楽しかったよ~また、一緒に遊ぼうね?」
とか美鈴が言って来たので
「暇ができたらね」
と、言って、美鈴と別れて、自分は、家へと帰る事にしたのであった。
家に着くと、妹の亜季が「何所行ってたの?お姉ちゃん」と聞いて来たので
正直に何所に行ってたか話すと「私も一緒に行きたかったのに……」とか、ぼやいていた。
こうして、俺の夏の一日が、終わりを告げたのであった。




