~第四十九話~
季節もすっかり温かくなり始めたころ
俺は、いつものように学校へと向かっていた。
今日、学校に行くと、明日から春休みに入るので
つまり、今日が二年生の最後の日である。
俺は、山野辺高校に辿り着き、自分の教室の中へと入る。
中に入ると、騒いでいた。
特に男子が「美咲様と、クラスが離れるかも知れない」
「美咲様、一緒のクラスがいいです!」とか言っている。
そう言えば、忘れがちだが、うちのクラスにアイドル的存在の
汐崎美咲がいたんだったな……と、俺は思った。
自分の席に着くと、親友の栗谷美鈴と
同じクラスの住吉愛子が、話しかけてきた。
「まこ、おはよ」
「真琴、おっはよ~」
「おはよう」
「今日で、二年生も終わりだね~」
「そうだね」
「真琴、また一緒のクラスになるといいね?」
「あ、私も、まこと一緒のクラスがいいなあ~そしたら、また一緒に遊ぶとか出来るしね~」
そんな事を思っていたのか……美鈴
そう話していると、チャイムが鳴って
担任の朝崎翠先生がやって来た。
「あ~お前ら、今日で二年生も終わりで、明日から春休みに入るのだが、あまり浮かれすぎんようにな?それと、体育館で、校長の話があるから、体育館に移動するように」
先生がそう言ったので、体育館に移動する事にした。
体育館の中は、全校生徒が集まっていて、結構な大人数になっている。
まあ、終業式だから、集まるのも当たり前か……とか思っていると
校長が壇上にあがって、こう言ってきた。
「え~今日でとりあえず学校が終わるのじゃが、まあ浮かれすぎないで、新学期に備えるようにするのじゃ」
そんな事を言っている校長だが、それよりも気になったのは、頭だった。
以前は、カツラ?を被っている風だったのだが、今回は、何故か金髪だった、しかもメッシュとか入れていて、ロック風になっている。
ありえないだろ!?年考えろよ!?とかツッコミたくなったが
我慢する事にした。
そんな校長の話も無事に終わって、教室に戻って
翠先生がこう言ってきた。
「じゃあ、通知表を配るのだが、なんかめんどくさいな……委員長、まとめて渡すから、配ってくれ」
「あ、はい、わかりました」
そう言って、受け取ったのは
このクラスの委員長、西崎綾香だった。
委員長は、先生から渡された通知表を皆に配る。
俺も、通知表を委員長から受け取って、中身を見てみると
平均の平均だった、まあ赤点がないよりマシか……とか、思ったのである。
「じゃあ、通知表配ったから、もう何も言う事はないな、元気で新学期にまた会おう、では、解散」
先生がそう言ったので、俺は、帰り仕度をして、帰る事にした。
帰る途中、俺に話しかけてきたのは
「まこ……」
このクラスのアイドル的存在の、汐崎美咲だった。
「えっと……何かな、美咲」
「まこは、この春休み、何してますか?」
「何してると言われても、まだ予定入れてないし、何かしら入るかもしれないし……今の所、不明だよ」
「そうですか……まこ、私は、まこに会いたいので、春休み中でも、家に押しかけていいですか?」
「……えっと……何とも言えないけど……そん時はその時で……」
「分かりました……」
「と、ところで……、まだ自分の事を好きだったり……?」
「当たり前じゃないですか!、私、まこの彼女になりたいと思ってますし」
まだ諦めてなかったのか……と、俺は思ってしまった。
「あ、この後、用事があるので、先に帰りますね?まこ、さようならです」
「あ、さようなら……」
そう言って、美咲は、帰って行った。
俺も、帰る事にして、家路に着く
家の中に入ると、妹の亜季が、こう言ってきた。
「お姉ちゃん……」
「な、何?」
「気のせいかもしれないけど、よくない事がおこったような気がするんだけど、気のせいかな?」
「そ、そうかな?気のせいじゃない?」
「お姉ちゃんがそう言うなら、そうなのかも……あ、ご飯出来てるから、一緒に食べよ?」
「分かった」
そう言って、俺は、妹と一緒にご飯を食べる事にした。
こうして、俺の一日が、終わったのだった。
春休みに突入し、俺は、家でのんびりと過ごしていた。
朝早くに起きるという事はなく、昼過ぎまでぐっすりと眠っていたら
携帯の着信音が鳴ったので、俺は寝ぼけながら携帯を手にとる。
「はい……」
「真琴、おはよう」
かけてきたのは、アイドルの蓮城麗華だった。
「えっと、麗華?」
「そうよ?もしかして……今まで寝てたとか?」
「ん……まあ、春休み入ったし……」
「あ、そう・・・ところで、真琴?」
「何?」
「私、今日仕事なくて暇なのよ、だから遊びに誘おうと思って、電話したんだけど、寝てたんなら、当然暇よね?」
「まあ、何も予定はないから、暇といえば暇だけど」
「じゃあ、決まりね、今から一緒に遊びましょ、場所はそうね……山野辺アイランドで、いいかしら?」
「わかった、じゃあ待ち合わせは……」
こうして、俺は、麗華と遊ぶ事になったので
動きやすい格好に着替えて、外に出る。
向かった先は、総合レジャー施設の山野辺アイランドで
前に妹と来た事がある場所であった。
その山野辺アイランドの入口に、待ち合わせしたので、待っていると
「真琴、来たわよ」
地味な格好をした麗華がやって来た。
一目見ただけでは、麗華だと一瞬分からなかった。
「もしかして……麗華?」
「そうよ、私、一応アイドルだしね、変装ぐらいするわよ、さ、中に入りましょう」
「あ、うん」
そう言って、俺と麗華は、山野辺アイランドの中に入った。
山野辺アイランドの中は、春休みと言うだけあって、結構賑わっている
「真琴、どれから乗ろうか?」
「絶叫系は勘弁してほしいかな、麗華は大丈夫なの?」
「私も絶好系は駄目ね、酔っちゃいそうだし、酔った所をパパラッチとかに撮られるのは、嫌だしね、まず色々見て回りましょ?」
「分かった」
俺は、麗華と一緒に、アイランド内を探索する事にした。
色々な場所に行って、目に止まったのは
「ヤマノベカート」と呼ばれる
F1カーをモデルにした、ゴーカートみたいな乗り物だった。
「真琴、あれに乗りましょう」
「そうだね」
俺と麗華は、結構並んでいるので、並ぶ。
数分たって、やっと出番になったので、ヤマノベカートに乗り込む。
どうやら本物のF1カーをモデルに設計してあるらしく
内部もよく出来ていた。
自分でハンドルを握って、アクセルを踏み込んでスタートさせる。
スピードは、本物よりもかなり遅く、自転車で漕ぐぐらいのスピードが出た
コースを移動して、コースアウトしないようにハンドルを切りながら運転して、十分ぐらいでコースを完走したのであった。
乗り終わって、麗華がこんな事を言ってきた
「うん、まあまあ楽しめたわね、まあゲーセンにありそうな機械だけど」
「確かに、ゲーセンにありそうな感じだったかも」
「真琴、次、行きましょう」
そう言って、俺の手を握ってきた。
何故、手を握る必要があるんだ?と疑問に思ったが、まあ……麗華が楽しんでいるので、ま、いっか……と、俺は、思う事にした。
そんな感じに移動していると
「まこ!?」
「え?」
なんか一番あっちゃいけない人物に出くわしたような感じだが……
恐る恐る声をした方に、振り向くと、そこにいたのは……
驚いた表情で俺の事を見つめている
クラスのアイドルだった、汐崎美咲の姿が
あったのであった。




