~第四十七話~
俺は、いつものように学校へと向かった。
クラスメイトとバンド、FOURMを結成して
これで六日目になる。
明日が、卒業生を送る会なので、今日が最後の練習かと思われる。
そう思いながら、教室内に入ると
「まこ~おっはよ~」
そう言ってきたのは、親友の栗谷美鈴だった。
「おはよう」
「明日が、本番だから、今日の放課後、最後の練習しようか~」
「そうだね、わかった」
「うん、あ、授業始まるから戻るね?」
そう言って、美鈴は、自分の席に戻る。
そしてチャイムがなり、いつもどおりの授業が始まったのであった。
そして、あっという間に時間が過ぎていき、放課後
俺は、音楽室に向かう事にした。
いつの間にか、他のメンバーがいなくなっていたので
先に音楽室に行ったと思われる。
音楽室の中に入ると、既に、俺以外のメンバーが、集まっていた。
「あ、まこ、やって来たね、全員揃ったし、練習始めようか?」
「おお~」
「了解しました」
「分かった」
そう言って、俺はベースを持つ。
そして、練習が始まった。
最初の頃に比べて、全くミスが無く
スムーズに演奏できて、最後まで、無事に演する事が出来た。
歌い終わった美鈴が、こう言ってくる。
「今の完璧に出来たんじゃない?」
「うん、私もそう思う、初めの頃は、音が全く合わさってなかったかね」
「私も、ドラムのたたき方とかちょっと変えてみたら、あうようになりましたよ」
「確かに、最初の頃より、上手くなってると思う、ばらばらじゃなかったし」
「よ~っし、このまま練習続けようかといきたいけどさ?明日、本番じゃない?だから今日は、早めに切り上げて、体を休ませた方がいいと思うんだけど、どうかな?」
美鈴が、そう言ってきたので、俺は、確かにそうかも……と思っていた。
「あ、確かにそうかもね、本番で体痛めて、演奏できないとか嫌だしね」
「私も、賛成です、ドラムって叩き過ぎると、手とか痛めますし」
「まこは、どう思う?」
「自分も休ませた方がいいと思うよ」
「じゃあ、最後に一曲あわせて、おわろっか?美咲、カウントお願い」
「わかりました、じゃあ行きます!1,2,3,4!」
そう言って、演奏がスタートする。
全くミスをせずに、最後まで演奏できて、美鈴も間違える事なく、歌い切り
無事に演奏する事が出来た。
「ふ~、じゃあ、今日は終わりって事で、明日、がんばろ~」
「うん」
「そうですね、ちょっと緊張しますが、頑張ります」
「わかった」
そう言って、俺は、皆と別れて、家に帰る事にした。
家に帰ると、美鶴母さんがいて、俺に話しかけてくる。
「真琴、最近帰りが遅いみたいじゃない、亜季が愚痴をこぼしていたわ、一体何をやってるの?」
そう言えば、母さんに遅れる理由、言っていなかったな……
「ちょっとバンド結成して、それの練習で遅くなってたの」
「バンド?ちなみに真琴の担当は?」
「ベース」
「へえ~真琴がね~、それはいつ演奏するの?」
「明日の、卒業生を送る会で、演奏する事になったんだ」
「そう、じゃあ、母さんも見に行こうかしら」
「母さん……卒業生の保護者じゃないんだから……」
「大丈夫、上手く紛れ込んでみせるわ?」
それでいいのか……?と、疑問に思うんだが
「はあ……、母さんが見に来るの、ちょっと恥ずかしいけど、頑張るよ……」
俺は、そう言って、自分の部屋に入り
疲れたので寝る事にした。
そして、次の日になって、いつもと同じ時間に、学校へと向かう。
今日は、卒業生を送る会なので
全ての授業は無く、体育館に集まるみたいである。
教室にたどり着いて、すぐに体育館にと移動するのであった。
体育館の中に入ると、すでに三年生が集まっていて
全校生徒と、三年の保護者の方々が集まっているので、かなりの大人数になっていた。
後ろには、保護者の席が置いてあり
保護者の数も多く、大人数になっている。
そして時間がたって、校長先生が壇上にあがった。
「え~、三年生の皆さん、卒業もうすぐですね?、色々な道を歩むと思いますが、頑張ってください」
そう校長が言って、卒業生を送る会が始まった。
最初に下級生が、卒業生に「おめでとうございます、我々は下級生ですが、先輩方のこれからの未来に向かって、バンザイ三唱をしたいと思います」とか言っている。
そして、下級生の大勢が「バンザーイ!」とか言って、かなりの大声だったので、結構うるさく感じた。
そんな感じに式が進んで、俺は、席から離れて、体育館の裏手にまわった
そこで、楽器を持って、準備をしていると、翠先生が話しかけてきた。
「真琴、それに皆、実はな?衣装作ってきたので、これに着替えて演奏しないか?」
「衣装?それって、ステージ衣装って事ですか?」
「ああ、そうだ、で、どうだ?」
先生がそう聞くと、みっきーこと、有栖川美紀子は
「いいかも~私は着るね、美鈴はどう?」
「もちろん着るよ、まこは?」
「……皆が着るなら、自分も」
「じゃあ、私もOKです」
結局全員で制服から、ステージ衣装に着替える事にした。
そして着替え終わって、改めて見てみると
美鈴のは、赤色の服で、美紀子は青、美咲が白で、俺が黒っぽい衣装だった
「とりあえず色の選定は私がしといたんだが、うん、皆、よく似合ってるぞ」
「ほんと~まこ、なんかかっこいいね?」
「ほんと、そう思います、まこ、かっこいい……」
美咲が、顔を赤らめて言ってきたので、ちょっと反応に困ってしまった。
「じゃあ、そろそろ私たちの番だから、待機しよっか?」
「そうだね」
「りょーかい」
そう言って、舞台裏で出番待ちをする事にした
うん、改めて思うと、ちょっと緊張してきたんだが、他のメンバーを見てみると、緊張していないらしく、足とか震えていなかった。
もしかして、緊張しているの俺だけか?と、思ってしまったのである。
そして、時間が過ぎて
「次は、下級生による、バンドです、よろしくお願いします」
と、放送が入ったので
「みんな、準備はいい?」
「OK]
「大丈夫です」
「行くよ!」
そう言って、幕があがる
うん、やっぱり緊張するが、それを表に出さないようにして、ステージに出ていく事にした。
ステージ上にあがると、結構な大人数の人がいるので
ちょっとと言うか、かなり恥ずかしかった。
俺は、ベース担当なので、ベースを持って、構える
美鈴が、美咲の方を一回向いて、合図すると
美咲が、こう言った。
「1,2,3,4!」
そう言って、演奏がスタートする。
最初の曲は、卒業をテーマにした曲で
卒業シーズンとかに流れそうな曲を演奏した。
誰も間違えず演奏して、美鈴も歌詞を間違えず歌い上げる
途中、客席からおお~とか聞こえていたりして
結構盛り上がっているのであった。
そして、美鈴が歌い終わって、マイクを使ってこう言う
「どうも、FOURMです、まず、三年生の皆さん、卒業、おめでとうございます!で、私達のメンバー紹介したいと思います、まず、ドラムの美咲!」
そう美鈴が言うと、ズダダダダンとドラムを叩いて、美咲がポーズする。
その反応に客席から「美咲さま~!」とか聞こえるので、言った奴、美咲ファンクラブ、MKFCだな……と、俺は思った
「次、ギター、美紀子!」
ギュイイーーンと、音を鳴らして、美紀子もポーズする。
じゃあ、次は俺の番か……と、待ち構えた。
「次、ベース、真琴~」
美鈴がそう言ったので、俺も音を鳴らして、ポーズをする。
すると、客席から「キャー!」とか聞こえてきた。
え……もしかして、俺にもファンがいるのか?とか、思ってしまった。
まあ、テレビとかに出た影響かもしれないと思うのだが……
「最後に、私、ボーカル、美鈴です!」
美鈴がそう言う。
すると、またうおー!とか、聞こえてきた。
「じゃあ、次は、オリジナルソング、いきたいと思います、カルテットダンス!」
そう美鈴が言って、美咲の方を向く
一旦、会場が静まり返って、美咲がこう言った。
「1,2,3、4!」
そう言って、ドラムを叩く。
それに合わせて、俺と美紀子も音を出す。
そして、美咲が歌いだすのだった。
「真のような現実を見つけて、誘い出す心
胸が痛み、聞こえてくる鼓動
心が痛み、冷酷な微笑を浮かべてる
足が痛み、咲き誇れ、未来を掴む為に
カルテッドダンス、希望を信じて
カルテッドダンス、明日を掴む四人の乙女
真実はいつも一つだけ、私達のシンフォニー~♪」
美鈴が歌い終わった瞬間、拍手が沸き起こった。
「皆、ありがとう~!どうも~FOURMでした」
そう言って、四人で礼をして、ステージから出ていく。
放送で「FOURMの皆さんでした、ありがとうございました」と、流れた。
こうして、無事にFOURMとしての、バンドが終わったのである。
卒業生を送る会も無事に終わって、俺は家に帰ると
「真琴、お帰りなさい」
「お姉ちゃん、お帰り~」
美鶴母さんと、妹の亜季が、テレビに何か繋いで見ていた
「何、見てるの?」
「真琴の初ライブ映像よ」
「やっぱり、お姉ちゃん、かっこいい~」
テレビ画面を見てみると、体育館のステージで、黒っぽい衣装をきた俺がベースを弾いている姿が映し出されていた
「か、母さん……もしかして、ビデオに撮ってたの……」
「ええ、真琴のバンドだからね?そりゃあ撮ったわよ~亜季も見たいって言ってたし」
「お姉ちゃん、ほんとかっこいいよ?」
「あ、ありがと……」
ちょっと恥ずかしいが、まあしょうがないかとあきらめて
俺は自分の部屋に戻る事にした。
こうして、俺の一日が、終わったのだった。




