~第三十九話~
俺は、いつものように家を出る。
冬になったので、かなり寒く感じる。
まあ、厚着をしているので、とりあえず……暖かく感じるのであった。
そんな、冬の通学路を、歩いて、俺は、山野辺高校に辿り着く。
下駄箱に入り、上履きに履き替えて
自分のクラスに行くと、既に何人かいて、話し合っていたりしていた。
俺は、自分の席について、教科書とかノートを机に入れて
ぼ~っとしていると
「おっはよ~、まこ」
そう声をかけてきたのは、俺の親友でもある
栗谷美鈴だった。
「おはよう」
「まこさ?みっきーから聞いたんだけど、ラジオに出たんだって?」
「みっきー?誰それ?」
「同じクラスの、有栖川さんの事だよ~」
有栖川さんと言うのは、本名有栖川美紀子で
演劇部員でもあった。
あれ??そう言えば、美鈴と有栖川さんって、仲良かったっけ?
「そう言えば、なんでみっきーって呼んでるの?」
「いや、実はさ?夏にコミックマーケット行ったでしょ?」
確かに、俺は、夏に美鈴と一緒に
ビックドームと呼ばれる所に行き
そこで行われた、コミックマーケットというのを行ってきたのである。
「そのビックドームでね?冬の祭典、コミックマーケット、通称冬コミに行ってきてね?そこで、有栖川さんに会ったの、それからすっかり話しこんじゃってというか、仲良くなってね?だから、みっきーって呼んでるんだ」
「そうなんだ」
「うん、でね?みっきーから、聞いたんだけど、まこ……蓮城麗華の「スマイルファンタジー」に出演したってホント?」
「本当だよ、朝、いきなり、母さんに言われてね?急遽参加する事になったんだ」
「へ~聞きたかったな~その時、まこが何話したか、知りたかったよ~、でさ?またラジオとかに出演するの?」
「いや、しないと思う、特別ゲストだったしね、まあ、麗華から毎週出てもいいかもとかは言われたけど……」
そんな会話をしていると、チャイムが鳴ったので
美鈴は自分の席に戻って行った。
そして、担任の朝崎翠先生がやって来て、こう言う。
「皆、おはよう、今日もいちだんと寒いが、授業は普通に行うぞ、まあ、私はかったるいから自習のプリントを持ってきた、これをやっててくれ、私は、クリアしたいクソゲーがあるから、それをやっている、邪魔するなよ?」
そう言って、先生はクソゲー?をやり始めた。
うん……本当になんでこの先生は
クビにならないんだろ~な……と思ってしまった。
そんな感じな授業が続き、お昼
俺は、妹の亜季が用意してくれた
弁当箱を取り出して、何所で食べようか迷った。
教室で食べようとすると
同じクラスにいる汐崎美咲が何かを期待している目でジロジロ見ているからである、はっきり言ってちょっと怖かった。
幸い、話しかけてくる様子はなかったので、そこの所は、ほっとした。
俺は、とりあえず……屋上に行って食べようと思い、移動する。
俺が動くと同時に美咲も動こうとしたが
美咲ファンクラブの連中が「美咲様一緒に食べましょう」とか
「今日は、美咲様の為に一生懸命作りました」とか
「美咲様、一緒に食べる事を誇りに思います」とか言っていて
美咲の行動を防いでいた、俺としては
ちょっと助かっていたので、そのまま屋上に行く事にしたのであった。
屋上に行くと、寒空の下なのに
何人かいて、弁当を食べていたり、話し合っていたりしている。
俺も、あいているスペースを見つけて、お弁当を食べる事にした。
中を見てみると、やっぱりというか
ご飯の上にハート型で「LOVE」と書かれている。
さすがにやりすぎじゃないか……と思うんだが……
これじゃあ、愛妻弁当とかわらないじゃないか……と思い
亜季に普通の弁当にしてくれと頼まないとな……と、思いながら
残すのももったいないので、全部食べきった。
食べ終わって、教室に戻ると
美鈴が「何処行ってたの~一緒に食べようとおもってたのに~」とか
愚痴をこぼしていた、そんな約束はしてないんだが……と思ったが、「まあ、次から一緒に食べよう」と俺が言ったので
なんとか納得してくれたみたいであった
そして、午後の授業に入り、真面目に勉強をする。
先生は、担任の翠先生だった。
やっぱりと言うか……先生はやる気がなく、午後も自習だった。
楽でいいかと思ったが、これでいいのか……?と、疑問にも思いたくなるぞ?
そして、授業が終わり、帰る支度をして、家路につく。
家に入ると、いつもは亜季がいるのだが
今日はいなく、家の中には誰もいなかった。
俺は、どうしようかと、迷ったが……
せっかくなので、先生に借りた、ミニパソをいじる事にした。
俺は、ミニパソで、ネットを開き、何を調べようかな……と、悩んで、とりあえず、母さんの南山美鶴と入力して
検索してみる事にした。
すぐに検索結果が出て、一万件以上があった。
「あ、母さんのファンクラブのサイトもあるんだ……」
俺は、そのサイトにクリックして見る。
すると、南山美鶴公式ファンクラブと出て
母さんの写真とか、ドラマの出演経歴とか、書かれてあった。
母さん……公式と言うことは、許可したんだな……と思いながら、見て
次に、自分の「南山真琴」って、入力して検索してみる。
驚いたのは、俺の名前で
一万件以上、母さんと同じぐらいの検索結果が出ていた。
「母さんより、人気はないとは思うけど……なぜなんだ……??」
そう思い、どういったサイトがあるのか見てみると
「南山真琴ファンクラブ」やら「真琴様を愛でる会」とか
そういった感じのサイトがばっかりあった。
そのサイトの中身を見てみると
天空カイザーで俺がレキ役を演じた事や
CM、飲料の「スプライト」出演
ラジオ「蓮城麗華のスマイルファンタジー」に特別ゲスト出演と
かなり細かく書かれていたりして、ちょっと驚いた。
しかも、あきらかに隠し撮り?みたいな
構図の写真が添付してあったりして、ちょっと怖かった。
気を取り直して、俺は、同じバイト仲間で
サイト運営している、秋村真帆こと
あっきーのサイト、「あっきーの旅立ち日記」を覗いてみた。
前と比べて、デザインが変更されていたり
控室で撮った写真や、旅行先で撮った写真が、添付してあった。
掲示板を見てみると
「この管理人、あっきーは真琴さんと同じバイトらしい」
「それ、本当?」
「あ、俺見たぜ?秋葉にある、喫茶店であっきー見つけたし」
「それ、どんな店?」
「店の名前はアイライクって言うらしい、俺も、今度行こうって思ってる」「じゃあ私も~、真琴さんに会いたいし」
「私も、サインとかねだろうっかな~」とか書かれてあった。
なんか凄い盛り上がってるな……と思いながら、俺はあっきーが「何か、また掲示板に書き込んでね?」と言っていたのを思い出して、とりあえず書く事にした。
ペンネームは、前に使ったまこにして、え~っと……なんて書こうか迷って
「アイライクで働いてる者です、あっきーに何か書き込んでって言われたので、書き込みます、とりあえず来ようと思っていてありがと、サインは書いた事がないから、無理かと」
そう言った文字を書いて、送信した。
すると、すぐに掲示板に返信が来る、えらく早いな……と思った。
「まさか、本人?」
「嘘だろ?」
「いや、でもまこさんだし、あっきーに言われたって言ってるし、やっぱ本人じゃん!」
「すげ~、またなんか書き込んでくるかな?」とか一気に書き込んできた。
また何か書き込んだら、返信増え続けるかもな……と思い、書き込むのをやめて、ミニパソの電源を落とす。
そして、なんか疲れたというか眠くなったので、俺は、寝る事にした。
こうして、俺の一日が終わったのであった。




