~第三十一話~
冬休みに入って、俺こと、南山真琴は、行く所があった。
その場所とは、俺が働いている喫茶店、ラブ喫茶「アイライク」である。
そう、今日は、そのバイトの日なので
冬休みの最中でも、お店に行くのであった。
電車に乗り、秋葉へとたどり着く。
冬休みに入ってるせいか、人がたくさんいて、結構にぎわっている。
寒い中、元気だな……と、俺は思っていた。
そして、移動して、お店、アイライクに辿りつく。
もうお店は、営業しているらしく、店内はちょっと賑やかだった。
俺は、店内に入り、店長の東雲紫さんに、挨拶をする。
「おはようございます」
「あ、おはよう、まこさん、今日もよろしく頼むわね?」
「あ、はい、じゃあ着替えてきますね」
そう言って、俺は、控室に入る。
中に入って、用意されている服に着替える。
ここ、アイライクでは、メイド服が基本的なのだが
俺の服は、メイド服では無く、ウエイターとかが着る
執事服のような物を着て、ホールに出た。
ホールに出ると、俺に話しかけてきたのは
「おはようです、まこ先輩」
店長の弟の東雲玲であった。
玲は、男なのにメイド服を着て
ウイッグを漬けているので、美少女に見えたりしていた
「おはよう、玲は、今日もモテモテかな?一部に」
「はい……僕を呼ぶ客って男性ばっかりですよ……まこ先輩は、逆に女性ばっかりですよね」
「まあ、そうなるなあ……お互い大変だよね……」
「はい……いつ男ってばれるか不安ですよ、まあ、今のところ、バレテはいませんが……あ、お客様が呼んでるので、行きますね?」
そう言って、玲は、俺のそばから離れていく。
確かに、男の声で「あきらちゃん~」とか呼んでいるのが聞こえた。
本当にモテモテだな……同姓に……まあ、俺も人のこと言えないけど……
俺は、そう思って、接客する事にした。
相変わらず、俺を呼ぶ客は、主に女性ばっかりだった。
男性客は、ほとんど玲を呼んでいたりする。
そうして、接客をして時間が経ち、休憩時間になったので
控室に行って休んでいると、俺の知らない人が入ってきた。
「あ、あの、まこさんですか?」
「あ、はい、そうですけど」
「始めまして、ここに新しく働く事になった、秋村真帆です、真琴さんが本名なんですよね?店長の紫さんに教えてもらいました、あと、天空カイザーのレキ役やってましたよね?私、それ見てすごくかっこいいなと思ったんですよ、まさか、あのドラマに出てる役者さんがこんな所にいただなんて、本当にびっくりです、あの、他にドラマとか出る予定とかはあるんですか?あれ?でも、あったらここにはいませんよね?忙しいですし、やっぱりテレビで見るより、本当に素敵です」
何か凄いマシンガントークだな……この子……
「あ、ありがと、秋村ってことは……もしかして……」
「あ、はい、私、ネットで「あっきーのたびたちにっき」と言うサイトを運営してます、掲示板に真琴さん、書き込んでくれましたよね?」
「う、うん、一言だけ書き込んだかな」
「あれから、凄い数の返信が来て、また真琴さんの書き込みを待ってる方が大勢いるんですよ、また、何かサイトに書き込んでくれません?」
「……わ、わかった、なるべくそうするよ……」
なんで、そんなに人気が出てるのかが、不明なんだが……
秋村さんと、話していると、紫さんがやって来て
「休憩終わりですよ」と言ってきたので、俺と秋村さんはホールに戻った。
戻る途中「あ、私の事はあっきーでいいですよ?私もまこさんって、呼んでいいですか?」って言ってきたので、俺は、あっきーと呼ぶ事にした。
無事にバイトが終わって、控室で着替えて
私服を着て、ホールに行くと、アイライクのスタッフが集まっていた。
「あ、まこさん、実は話したい事があるんですけど、いいですか?」
店長の東雲紫さんが、そう言ってきた
「あ、はい、話したいことって、なんですか?」
「実は、年があけたら、社員旅行って話になっているんです、まこさんもどうですか?」
「まこ~一緒に行こうよ?旅行~」
「まこさんと、一緒に行きたいです……」
そう言ったのは、栗谷美鈴と
桐谷佐奈さんだった。
俺は、どうしようか迷ったが、旅行は楽しみなので
「あ、じゃあ、自分も参加でいいでしょうか?」
「いいですよ、じゃあ決まりですね、旅行に参加するメンバーは、私、佐奈、真琴、美鈴、真帆の五人で行きましょう」
「あれ?あきらちゃんは、参加しないの?」
「はい、僕は、友達に誘われてるので、断わります」
「そう、ちょっと寂しいね~」
「皆さん、旅行、楽しんで来てくださいね?」
「日にちは、年があけたら、連絡しますね、じゃあ、今日も仕事、お疲れさまでした」
そう店長が言ったので、俺は、帰る事にした。
俺は、美鈴と住んでいる町が一緒なので
一緒に帰っていると、あっきーこと、秋村真帆さんが話しかけてきた。
「まこさん、美鈴さん、今日はお疲れ様でした」
「あっきーもお疲れ様、どう?バイト?」
「はい、ちょっと大変でしたけど、結構楽しいです、じゃあ、私、バスで帰るので、ここで、お別れです、では~」
そう言って、あっきーは、離れていく。
「ねえ、まこ?」
「何?美鈴?」
「あっきーって結構元気だよね?店内でも男女両方に人気あるみたいだよ?」
「そうなの?」
「うん、私も頑張らないとね~、あ、そういやまこ?」
「何?」
「大晦日って、どうするの?」
「そうだな……家族と一緒に過ごすかな、でもなあ、母さんが特番の番組に出演するかもだし、まだ未定かな」
「じゃあさ?私と一緒にお参りに行こうよ?」
「そうだね、そうしようか」
「じゃあ、決まりだね」
そう話しながら、電車に乗って、山野辺市に辿り着く。
美鈴は、「私、寄る所があるから、じゃね?まこ」と言って
俺と離れて行った。
俺は、まっすぐ家に帰って
家の中に入ると、母親の美鶴母さんが、こう言ってきた。
「真琴、お帰りなさい」
「母さんが家にいるなんて珍しいね?いっつも遅いのに」
「今日は、早く収録が終わったのよ、あ、そうだ、真琴」
「何?」
「実はね?特番の番組に出てほしいのよ、大晦日にやる生放送の」
「え、生放送の?」
「そう、私、真琴が出るって言っちゃったのよね?別にいいでしょ?何か予定は、あるの?」
「さっき美鈴と神社にお参りするって約束しちゃったんだけど・・・」
「そう、じゃあちょっと待って」
そう言って、母さんは電話を取り出すと、どこかにかける
そして「あ、もしもし?美鶴です、うん、実はね?」とか話しだして
数分話して、電話を切ると
「OKだって」
「一体誰に電話したの?母さん」
「美鈴ちゃんよ、美鈴ちゃんが言うには「私も一緒に見学する~」とか言ってきたから、Okしたわ」
「何で母さんが美鈴の番号を……」
「前に家に来た日あったでしょ?その時に教えてもらったのよ、私、よく家にいないから、真琴と亜季の事を見ててってお願いとかしたしね」
「そ、そう……」
母さん、美鈴にそんな事、頼んでたのか……
「じゃあ、大晦日、よろしく頼むわね?真琴」
「解ったよ、母さん」
そう言って、俺は、自分の部屋に行く。
そして、着替えて、疲れたので、寝る事にした。
こうして、俺の一日が、終わったのであった。




