~第二十八話~
季節もすっかり、寒くなり
冬に近づいた頃、俺)は、とある場所に来ていた.
その場所とは……
「ここで、撮影するらしいわよ」
「そう……」
俺が、いる場所は、山野辺市民公園と呼ばれる場所で
なぜそこにいるのかと言うと、事の始まりはこうである。
いつものように起きて、今日は学校が休みなので
朝食をとっていると、母親の美鶴母さんが、こう言ってきた。
「そうだ、真琴、ちょっと手伝って欲しい事があるのよ」
「手伝ってほしいこと?」
「そう、丁度今日ね?山野辺市民公園に行ってほしいの」
「何で?そんな場所に?」
「行けば解るわ、だから行ってくれない?」
「う~ん……」
俺は、悩んだが、今日は特にこれと言って
予定入れてないので、行く事に決めた。
「わかった、山野辺市民公園に行けばいいんでしょ?」
「ありがと、じゃあ行きましょう」
そう言って、俺と母さんは家を出る。
そして、数十分後、目的地、山野辺市民公園にたどり着いた。
公園の中に入って、しばらく歩くと
人が集まっている場所があって、母さんはその中に入って行く。
「おはようございます、助っ人連れてきました」
そう母さんが言うと、グラサンをかけた男の人が、こう言った。
「美鶴さん、助かります、おや?もしかして……天空カイザーでレキやった、まこと君じゃないか?」
「あ、はい、そうです」
「そうか、まこと君、来てくれてありがとう、私の名前は新井と言う、まあ監督をしているな、よろしく、で、まこと君にやってもらいたいのは、CMに出演して欲しいんだ」
「CM?」
「そう、ほんとは二人で録る事になってたんだが、一人がキャンセルしてきてね、困ってたんだ、じゃあほかに誰かいないか?と言う話になって、そしたら美鶴さんが「代役連れてくるわ」って言ってきてくれたのだ、まこと君、OKかな?」
「はあ……母さん、そんな事言ったの?」
「まあ、そうね、でもいいじゃない?真琴、参加してくれないかしら?」
「……分かった、いいよ」
「ありがとう、ところで……まこと君は、男の子なのかな?」
「違いますよ?」
「ふむ……そうか、女なのか…………まあ、いいか、別に問題はなさそうだし、じゃあ早速撮影を始めるとするか、まず、まこと君、衣装に着替えてきてくれ、中沢メイクよろしく」
「わっかりました~」
そう言ったのは、頭にバンダナを巻いた、二十代ぐらいの女性だった。
「まことさん、じゃあついてきてね?」
「は、はあ……」
俺は、言われるまま中沢さんについていく。
ついてくと、ワゴン車が用意してあって、その中に案内された。
そこで、衣装とかメイクをさせられて、車から出ると
「ふむ……似合ってるぞ、これなら問題ないな」
監督がそう言って、母さんが
「あらあら、かっこいいわよ?真琴、美少年に見えるわ」
そうなのであった、自分で鏡を見てみたら、美少年に見えるのである。
もともと胸とか大きくないので、男の子にばっちり見えるのであった。
「母さん、かっこいいとか言われても、あんまりうれしくないんだけど……」
「そう?」
「まあいいじゃないか、じゃあまこと君、相手役を紹介するぞ、さ、来たまえ」
そう監督が言うと、やって来たのは、俺が知っている人物だった。
「初めまして、蓮城麗華といいま……って、真琴じゃない!久し振りー」
「相手って麗華?」
「おや?二人は知り合いって、あ、そうか、天空カイザーで共演したんだったな、知ってて当然か」
「相手役って真琴なの?」
「どうやら、そうみたい」
「そう、じゃあ、この撮影が終わったら、遊びに行きましょう?なかなか時間取れなくて、真琴の家に電話とかできなかったし、いい?」
「まあ、いいかな、特に予定ないし」
「じゃあ、決まりね」
そう話していると、監督がこう言ってきた。
「じゃあ、早速CMの撮影に入りたいと思います、麗華さん、まことさん、準備いいですか?」
「あ、私はOKです、真琴は?」
「自分もOKかな」
「私は、見学してるわね?真琴、頑張るのよー」
そう母さんが言っていた、こうして、何のCMかは、分からなかったが
CM撮影が始まったのであった。
「じゃあ、早速撮ろうか」
そう言ったのは、このCM撮影の監督の新井であった。
「ところで、監督?一体何のCMなの?」
そう麗華が言うと、監督はこう答える。
「そうだった、まだ教えてなかったな、今日撮るのは、スポーツドリンク「スプレイト」と呼ばれる炭酸飲料の紹介CMを撮ろうと思う、台詞は、そうだな……シンプルに「スプレイト誕生」とまこと君が言って、それを笑顔で麗華君が「美味しい~」とか言ってくれればOKだ」
「えらい、簡単だけど、それでいいの?監督」
「ま、いい絵が取れればそれでいい、じゃあ、始めるぞ」
そう言って、スタッフらしき人が
俺と麗華に炭酸飲料「スプレイト」を渡す。
「はい、じゃあ行くぞ、アクション!」
そう監督が言った
俺は、まず監督に言われたので、こう言う
「スプレイト誕生!」
そこに麗華がやって来て、こう言った。
「美味しい~」
「カ~ット!う~ん……」
「どうしたんですか?監督」
「そうだな、もう少し、台詞を追加しとこうか、まことくんが「スプレイト誕生」と言った後に、スプレイトを飲んで感想を述べてくれ、そうだな……麗華君もスプレイトを飲んで、感想言ってくれ、それを撮ろうと思う、それでいいか?」
「了解~真琴もいいよね?」
「まあ、いいかな」
「よし、じゃあもう一回、撮るぞ、アクション!」
そう監督が言ったので、俺と麗華は再び、演技をする。
「スプレイト誕生!」
そして、俺はスプレイトを飲む。
はっきり言って、俺の好みじゃあなかった。
けど、撮影してるので、感想を言う事にした。
「すっきりな味で、爽快さ満点!」
ま、こんな所でいいだろ……と思った。
そこに麗華がやって来て、こう言う。
「美味しいスプレイト!」
そう言って、麗華もスプレイトを飲む。
「抜群の美味しさ!」
「カ~ット!よし、Okだ、これで撮影は終了だ、お疲れ様!」
「お疲れ様です」
「お疲れ様」
そう言って、俺はメイクを落としに、ワゴン車に入った。
メイクを落として、外に出ると、麗華が話しかけてきた。
「無事、撮影終わったわね、ところでさ?」
「何?」
「あのスプレイト……どうだった?正直に言ってみて、美味しかった?」
「正直に言って、うまくはなかったな」
「やっぱり?私も思ったわ、あれ……売れるのかしらね?」
「さあ?」
そう話していると、美鶴母さんが話しかけてきた。
「真琴、撮影お疲れ様、じゃあ帰りましょうか?」
「母さん、麗華と遊ぶ約束したんだけど、行っていいかな?」
「あら、そう?じゃあ、麗華ちゃん、真琴の事、頼めるかしら?」
「あ、はい、分かりました、美鶴さん」
「じゃあ、私、先に帰ってるわね?」
そう言って、母さんは帰って行った
「じゃあ、美鶴さんにも言ったし、遊びにいこっか?」
「そうだね、でもどこいく?」
「私、山野辺アイランドに行きたかったのよね、そこに行きましょう」
「りょ~かい」
こうして、俺は麗華と、二人で山野辺アイランドに行く事にしたのであった。
後日、撮影したCMが放送され、新発売のスプレイトは、大人気とはいかないけど、そこそこ売れたみたいでもあった。
CM撮影をしてから、次の日
今日は、かなり寒く感じられて、これはコートとか羽織ればよかったかな……とか、思いながら通学路を歩く。
そして、俺の通っている山野辺高校にたどり着く。
校舎の中に入って、自分の下駄箱を開けると
一枚の手紙が入っていた。
「これって…・・・」
これで手紙を受け取ったのは、三枚目になるのか?と思った。
一枚目は、俺と同じクラスメイトの汐崎美咲からで、内容は「音楽室に待ってます」だったし
二枚目は後輩の東雲玲からで
これも「音楽室に待ってます」と、同じような内容であった。
で、今回の三枚目の手紙……一体何が書いてあるんだ……?と気になったので、俺はその手紙を開いて、中身を見てみた
中に書いてあった内容は
「放課後まで、教室に残っているべし」
と、書かれてありました。
差出人を見てみると、差出人は書いていなく
ただ、その文章だけ書かれてあったのであった。
一体誰からの手紙からだ?と思ったが
手紙をポケットに入れて、教室に向かう事にした。
教室の中に入ると、もう既に何人か集まっていて
談笑をしていたり、何かノートに書いている人もいたりしていた。
俺は、自分の席について、とりあえず手紙の書いてあった内容を思い出して、どうしようか……と考えていると、俺に話しかけて来る者がいた
「おっはよ~まこ」
俺に話しかけてきたのは、俺の親友の栗谷美鈴であった
「おはよう」
「ねえ、まこ、どうしたの?何か悩んでる顔してたんだけど?」
「ちょっとね……ねえ、この手紙、美鈴が出した?」
そう言って、俺は手紙を美鈴に出す。
「何?この手紙?私じゃないよ?私が手紙出すわけないよ?何か言うなら、直接言うしね?」
「そう……じゃあ一体誰だろ……」
「放課後まで待つべしね……う~ん、もしかしてまこに告白したい奴がいて、手紙を出したとか?」
「そんなんじゃないと思うけど……てか、それはもういいし」
「もういいって?もしかして前にもこんな事があったとか?」
「い、いや……なんでもない」
「そう?」
そう話していると、チャイムがなったので、美鈴は自分の席に戻っていく。
俺は、結局どうしようかと
考えたが、放課後、教室に残る事にしたのであった。
そして、時間が過ぎて、放課後
俺は、教室に残っていた。
皆、帰り仕度をして帰る者や
部活動に行く者がいて、教室から出て行ったりしている。
教室で待っていると
「まこ、誰からの手紙なんだろ~ね?」
何故か、美鈴がいました。
「……何で、美鈴まで残ってるの?」
「だって、気になったから?悪い?」
「……まあ、いいけど」
結局、二人で教室で待っていると
ガラっと教室の外の扉が開いて、やって来た者がいた。
「ん、残ってたか」
やってきたのは、担任の朝崎翠先生だった。
「もしかして、自分に手紙出したのって、翠先生?」
「ああ、そうだぞ、それにしても……なぜ、栗谷までいるんだ?」
「まこに手紙を見せてもらって、気になったからいるって感じかな?で、先生、一体まこに何の用だったんですか?」
「ああ、そうだ、今日、私の家に来ないか?」
「家にって、先生の家にですか?」
「そうだ、実は今日な?いや、来てから話すとするか、で、来れるか?」
先生がそう言ったので、俺は、こう答えた。
「えっと、遅くならなければ、自分は問題ないです、行きますよ」
「あ、じゃあ私も~、先生、いいでしょ?」
「ま、いいか、じゃあ真琴と栗谷、私の家に向かうぞ」
こうして、俺は、美鈴と先生の家に向かう事にしたのであった。
先生と歩いて、山野辺商店街を抜けて、その先を歩く事、数十分
「さ、ついたぞ」
そう、先生が言った。
「先生って、マンション暮らしだったんですか?」
そう、たどり着いたのは、大きなマンションだった。
「まあ、そうなるかな」
「ところで、このマンション、何階建てなんです?」
「確か、25階だてかな、山野辺市の中でも、結構な高層ビルだと、思うぞ」
「そうなんだ」
「じゃあ、入るぞ」
そう言って、建物の中に入る。
中に入るためには、オートロックの扉なので
鍵で、オートロックの扉を開けて、俺達はエレベータにーに乗った。
そして、最上階にたどり着き、先生の部屋は、奥にあった。
先生は、鍵を取り出して、扉を開ける。
中は誰もいないらしく、真っ暗だった
「ようこそ、私の家へ」
「お邪魔します」
「お邪魔します~、先生ってもしかして、一人暮らし?」
「まあ、そうだな」
「で……先生、一体何のために自分に手紙を?」
「実は……前に山野辺商店街で、福引をやっただろ?で、真琴が当ててくれた、豪華食材を使って、鍋でもやろうかと思ってね、それで呼んだんだよ」
「あ~確かに、まこが当てたよね、福引で」
そう、前に山野辺商店街で、先生が福引をやっていて
その福引券を俺に渡して、やったら、二等の豪華食材が当たったのであった。
「あ、そうなんですか、じゃあごちそうになりますね、ところで、先生が作るんですか?」
「いや、違うぞ」
「え?じゃあ、一体だれが……」
「あいつに頼むのさ」
そう言って、先生は携帯を取り出して、こう言う
「私だ、今から来れるか?うむ、大丈夫だな?速攻で来い」
そう言って、電話を切った。
「一体、誰に電話を?」
「まあ、来たら分かるぞ」
そして、数分後、ピンポーンと鳴って、やって来たのは
「いきなり呼びつけて、一体何なのよ……」
体育教師の川原芹先生であった。
「芹、鍋、作ってくれ」
「要件ってそれ?全く……あ、南山さんに栗谷さんもいるのね?」
「芹ちゃん、こんばんは~」
「こんばんは」
「芹、頼むぞ」
「はいはい……分かりましたよ、じゃあ食材あるみたいだし、作るわね」
そう言って、芹先生は、台所に向かった。
芹先生が台所に向かうと、美鈴がこう言った。
「ねえ、まこ?」
「うん?」
「芹ちゃん、どうやって入ったんだろうね?ここ、オートロック式だったでしょ?」
「あ、確かに……翠先生、芹先生って」
「ああ、芹に私の家の合鍵を渡してるんだ、それで入って来たと思うぞ」
「そうなんですか」
「あ、先生、これって「SEIKEN3」だよね?先生、持ってたんだ?」
「お、知ってるのか?じゃあ、対戦するか?」
「いいよ~、私、結構これ、得意だよ?」
「私もかなり強いぞ?いつもは芹とやってるんだが、芹じゃ相手にならなくてな?じゃあ、勝負だ」
そう言って、二人はSEIKEN3をやるみたいだった。
俺は、どうしようかと迷ったが、芹先生を手伝う事にした。
台所に向かうと、芹先生が野菜を切ったりしている。
「芹先生、手伝います」
「あら、ありがとう、じゃあこれ、切ってくれる?」
「はい」
そう言って、俺は、渡された野菜を切っていく。
「ところで、翠先生ってあんな感じなんですか?」
「まあ、そうね、高校の時から全然変わってないわ、ず~っと一緒にいるようなもんだし、腐れ縁みたいな感じかもね」
「そうなんですか」
俺と芹先生は、雑談しながら、調理していった。
そして、鍋が完成して、テーブルに持ってくる。
「翠、出来たわよ」
「お、そうか、じゃあ、ここでやめにするか?」
「了解、それにしても、先生やりますね?私とほぼ互角じゃないですか」
「そっちこそ、やるみたいだしな?見直したぞ」
「じゃあ、いただきましょうか?」
そう芹先生が言ったので、俺たちはは~いと、言って鍋を囲う事にした。
「いっただきます~」
そう言って、鍋料理を食べる
「おいしい~芹ちゃん、料理上手~」
「ああ、いつも助かってるぞ、芹」
「もう……翠?自分で料理したほうがいいわよ?」
「いや、昔からやってはいるんだが、どうも上達しなくてな?だから、あきらめた、芹に作って貰ったほうがいいからな、これからも頼むぞ」
「はいはい、分かりましたよ……全く、まあ私も、嫌じゃないから、いいけどね」
そう言いながら、四人で鍋料理を食べた。
あっという間になくなって、俺と美鈴は、帰る事にした。
「先生、ごちそうさまでした、また遊びに来ていいですか?対戦しましょう」
「ああ、いいぞ、今度は腕をあげとくからな?そう簡単には勝てないと思うぞ?」
「私だって、腕あげときますよ、じゃあ、まこ、帰ろうか?」
「そうだね、じゃあ先生、さようなら」
そう言って、先生の家から帰る事にした
帰る途中、美鈴がこう言って来た
「それにしてもさ?」
「何?」
「翠先生と芹ちゃん、ラブラブだったね~いいなあ、私たちも、あんな関係になりたいかも」
「……どう反応すればいいの?」
「つまり、いつまでも仲良くしたいって事、じゃ、私、こっちだから、じゃね」
そう言って、美鈴は俺から、離れて行く。
俺は、考えながら、家へと帰って行ったのであった。




