~第二十二話~
季節もすっかり秋になり、紅葉やら落ち葉とかが目立つ頃
俺は、いつものように学校へと向かっていた。
通学路をいつものように歩く、そして数十分後
俺の通っている山野辺高校に、たどり着いた。
校舎の中に入り、上履きに履き替えて、自分のクラスへと入る。
クラスの中に入ると、既に何人かは、集まっていて、色々な話をしていた。
俺は、自分の席に座り、教科書やノートを机の中に入れて
それからぼ~っとしていた。
そして、時間が過ぎて、チャイムが鳴り
担任の朝崎翠先生が、入ってきて、授業が始まった。
普通に授業が始まって、そして数時間が過ぎて、お昼
俺は、妹の亜季が用意してくれたお弁当を、食べる事にした。
中身を見てみると、驚いた。
何故なら、海苔でLOVEとか書いてあったり
ハートマークのハンバーグがあったりしたからである。
これは、他の人には見せられないな……と、思い、周りから隠すように食べる事にしたのであった。
そして、時間が過ぎて、午後の授業が始まる。
午後の授業は、それなりに簡単と言うか
教師が既にやる気なさそうだった。
だって、プリントを終わった者から
自由にしていいぞ~とか、言っていたからである。
先生がそう言ったので、俺はプリントを終わらせて、寝る事にした。
そして時間が過ぎて、放課後
目が覚めると、既に誰もいなかった、どうやら……俺に声をかけないで、そのまま皆、帰って行ったようである。
まったく……誰か起こしてくれてもいいんだがな……とか、思っていると
「ん?南山、まだ残ってたのか?」
そう言ったのは、翠先生だった。
「あ、はい、今から帰りますね」
そう言って、俺は、帰り支度をして、教室から出ようとすると
「あ、そうだ、南山、これから暇か?」
「暇と言われれば、暇ですけど……」」
「そうか、じゃあ、私についてきてくれ、ちょっと頼みたい事があるんだ」
「分かりました」
そう言って、俺は、先生の後をついていく。
先生の後をついていって、たどり着いた場所は
宿直室と書かれている部屋だった。
翠先生は、その部屋の鍵を開けて、中へと入る。
俺も中に入ると、先生はすぐにパソコンの電源を入れた。
「あの、先生、用事って何ですか?」
「ああ、芹と一緒にやろうと思ってたゲームがあるんだがな?芹の奴が断わりやがったから、他に誰か探そうと思ってた所に、南山がいたからな、誘ったわけだ」
「はあ……ところで、何のゲーム何です?」
「ああ、これが、そのゲームだ」
そう言って、パソコン画面を指差す
画面の中には、リバース・ファンタジアと書かれたサイトが
表示してあった。
「リバース・ファンタジア?」
「そう、まあ所謂、RPGのネットゲーだな、それを一緒にやろう」
「はあ、でも、いいんですか?」
「何がだ?」
「勝手にこんなゲームとかやってですよ、一応これ、学校の備品じゃないですか?」
「大丈夫だ、問題はないぞ、今までつかってきて、一度も文句や苦情とか来てないからな?」
「……そうですか」
「じゃあ、早速やろう?私が、操作方法教えるからな?」
「分かりました、じゃあ、やってみます」
こうして、俺は、先生と一緒に、ネットゲーム、リバース・ファンタジアを、やる事になったのであった。
「じゃあ、早速、やり方を教えるな?、まず、キャラ設定を決めてな?」
「キャラ設定?」
「画面に表示されているだろう?」
そう言って、パソコンを指差す。
画面上には、キャラを選択してくださいと
表示されたので、俺は、キャラを女に設定した。
「じゃあ、次はそのキャラの名前だな、一度つけるともう、変えられないから、大事に決めるんだ」
「ちなみに先生は、どう言った名前に?」
「私か?私は、これだ」
そう言って、ノートパソコンの画面を見せる。
そこに映っていたのは、剣を装備した女戦士で
キャラの名前にグリーンと書かれてあった。
「翠先生だから、グリーンですか?」
「まあな、南山は、どうする?」
「そうですね……じゃあ」
俺は、考えた後、トゥルーと、名前をつけた。
「真琴=真実でトゥルーか?」
「まあ、そうです」
「じゃあ、次は、職業を決めてな?」
「職業?」
「そう、ちなみに全部で、七種類あるぞ?剣士、魔法使い、僧侶、商人、魔剣士、魔物使い、賢者があるぞ」
そう言われて、俺は何にしようと考えて、魔法使いに決めた。
「魔法使いだな、じゃあ、まず操作方法だ、移動は移動キーで、マウスで選択、基本的な操作は、そのぐらいだな」
「そうですか」
そう言って、俺は操作をする。
操作をしていると、でろでろリーンとか音がなって
モンスターらしき物が現れた。
「なんかえらく……劣悪なスライム?」
その姿は、スライムの形をしていて、顔が物凄い顔をしている。
「そいつは、デススライムだな、死の呪文、デットスペルには気をつけろよ?」
「そう言われても、あ、死んだ」
デススライムの一撃と言うか、死の呪文?らしき言葉で
トゥルーは、死んでしまったと表示された。
すると画面が真っ暗になり、白髪の爺さんが画面上に現われて、「死んでしまうとは何事じゃ、もう一回再チャレンジするのじゃ」とか、ボイス有りで言ってきた。
「先生、このキャラは?」
「ああ、こいつは、リロード爺じゃ、プレイヤーが戦闘不能に陥った時に現われるキャラだな、声優もハマリ役のあの人を使ってるし、なかなか豪華だぞ?それにこの声、あの太鼓の神様の声も当ててるしな?」
どうりで聞いた事がある声だと思った。
前にゲーセンで、太鼓の神様をやったからである。
結局、何回かやられた後、プレイ方法に慣れてきて
レベルも結構上がっていった。
そんな事をしていると
「南山、もうすっかり暗くなったけど、大丈夫か?」
確かに、外を見てみると、日が落ちて真っ暗になっている。
「あ、本当だ、じゃあセーブしてやめますね」
「おう、そうした方がいいな、そうだ、これを貸してやろう」
そう言って、先生は小型のノートパソコン
通称ミニパソと呼ばれる物を出してきた。
「これは?」
「これは、今、結構使われてるミニパソだな、これを貸してやる、まあ飽きたら返してくれて構わないぞ」
「でも、いいんですか?こんな物を貸してくれて」
「一緒に遊んでくれたお礼だな、まあ気にするな、じゃあ帰るとしようか」
「はい、そうですね」
俺は、先生と一緒に宿直室から出て行って、先生に送って貰って、家に着く
家に着くと、妹の亜季が泣きそうになりながら、待っていた。
「お姉ちゃん、遅い……」
「ごめんごめん、ちょっと先生と盛り上がってね」
「先生と???何で??」
「まあ、気にしないで、それよりお腹すいたから、亜季、ご飯出来てる?」
「あ、うん、出来てるよ?お姉ちゃん、一緒に食べよう?」
「そうね」
こうして、俺は、先生にミニパソを貰ったので
明日は丁度、学校が休みの日
休日に、今日やったリバース・ファンタジアをやろうかな?と、思っていたのであった。
次の日になって、俺は、朝起きて、朝食を取り、妹の亜季に外に行かないか?と、誘われたが、それを断って、家にいる事にした。
亜季は、それを聞いて、「じゃあ行ってくるね」と言って、出かけていく。
美鶴母さんも、朝からいなかったので
この家には、俺一人だけになったのである。
俺一人だけになったから、まず何をやろうか……と、考えて、先生から借りた、ミニパソを起動させる事にした。
ミニパソを起動して、さっそく、先生に紹介されたネットゲーム
リバース・ファンタジアの続きをプレイする事にしたのである。
ちなみに、俺の使用しているキャラは、主に魔法攻撃が中心の魔法使いで、キャラ名にトゥルーと、名付けたのであった。
早速プレイして、デロデロリーンとか鳴ったので、戦闘になった
相手は、不細工な顔に、こん棒を持って頭に二本角を生やしていた。
名前にコーブリンと書かれている
俺は、早速コマンドを表示させて、魔法を発動する。
「ファイヤーボール!」
ミニパソから、呪文を言うボイスが聞こえてきた。
どうやらこのゲーム、メインシーンはテキストだけで
戦闘シーンやイベントシーンになると、ボイス有りのゲームのようである。
魔法が命中して、コーブリンをやっつけた
トゥルーは、レベルが上がったと表示された。
ちなみにレベルを確認してみると、レベル10になっていた。
最初の頃と比べて、ゲームオーバーにならなくはなったし
結構やりだすと、楽しいかな……とか、思い始めてしまったのである。
そして時間が過ぎて、リバース・ファンタジアをやっていると、家の電話が鳴ったので、出る事にした。
「はい、南山です」
「お、その声からして、真琴か?」
「その声は、先生ですか?」
「ああ、そうだ」
「って、自分の名前、呼び捨て……」
「まあいいじゃないか、私の事も翠でいいぞ?」
「じゃ、じゃあ、翠先生と呼びます……で、翠先生?一体何の用事ですか?」
「いやな?丁度今、起きてな?早速リバース・ファンタジアをやろうと思ったんだが」
「今起きてって……今、お昼ですよ?それまでずっと寝てたんですか?」
「まあ、そう言うな、でな?パーティを組んでやらないかと、電話したんだ、どうだ?」
俺は、それを聞いて考えて、こう言った。
「まあ、いいですよ」
「よし、分かった、じゃあ私がどのエリアにいるか、教えるな?」
そう言って、先生はどこのエリアにいるか、示して電話が切れる。
俺は、それに従ってキャラを移動させる。
そして、そのエリアにたどり着くと
既に先生の使ってるキャラともう一人いた
「よう、待ってたぞ」
そう先生のキャラが、チャット機能を使って、話しかけてくる。
「お待たせしました、あの先生の隣にいる人は?」
「あ、そう言えば言ってなかったな、おい」
「まさか、南山さんが一緒にやってるなんてね?翠に付き合ってくれてありがとね?」
「何でお前が礼を言っているんだ?」
「あの、もしかして……」
「そう、ここでは初めましてですね、私、体育教師の川原芹ですよ、よろしくね?南山さん」
「あ、そうだったんですか、よろしくです、先生」
「私のことは、芹でいいわよ?ほら、翠、今日は何所を攻略しに行くの?」
「そうだな?今日は、このダンジョンを攻略しようと思ってるんだ」
そう言って、マップ画面を開いて、表示したのは
死霊の森と呼ばれているダンジョンだった。
「そこに行くの?私達のレベルでクリア出来る?」
「まあ、三人もいるんだ、何とかなるだろ?」
「そんな曖昧な……南山さんは、どう思う?」
「今さら、翠先生の言う事ですし、反論はないですよ……」
「そうね……全く、翠にも困ったものだわ、じゃあ行きましょうか?」
「おう」
「分かりました」
こうして、俺は、先生二人と
死霊の森とか言うダンジョンを攻略する事にしたのだった。
ちなみに芹先生の使用しているキャラは、僧侶のキャラをしてる、セーリ(芹先生)と、言うキャラ名を使っていた。
そして、その三人で、死霊の森とか呼ばれるダンジョンに向かったのである。
死霊の森は、森というだけあって、木で埋め尽くされている。
「ここが、死霊の森……」
「えらく殺風景なグラフィックだな、もうちょっとマシなのはなかったのか?」
「翠……何言ってるのよ……全く、南山さんも、そう思うでしょ?」
「は、はあ……」
「ところで、芹、ここにいるモンスターって解るか?」
「ちょっと待って、え~っと……ここには死霊系のモンスターがいるみたい,法術系の魔法が効くみたいよ?」
「そうか、じゃあ通常攻撃はどうなんだ?」
「さあ、それは戦ってみないと……っと、敵が現れたわ!」
そう芹先生が言うと、デロデロリーンと音が鳴って、キュートな姿をしたウサギが現れた、しかし、名前に「デス・ラビット」とついている。
「きゃ~可愛い~」
「お、おい、芹、あれは敵だぞ」
「何言ってるのよ?こんな可愛いモノが敵なわけ……」
そう言っていると、デス・ラビットの攻撃、サイレントノクターン!とか言う技を発動
一気にプレイヤーのライフゲージを三分の一まで減らしたのであった。
「っぐ、おい芹、今の攻撃で、ダメージがやばくなってる、回復してくれ!」
「わ、解ったわ!ヒーリング!」
そう唱えたが、何も起こらなかった。
「あ、あれ?」
「お、おい……」
「えへへ……どうやら、今の技、呪文禁止の効果もあるみたいねー」
「何だと~!っち、しょうがない、真琴、魔法攻撃じゃなくて、武器で攻撃してくれ、こっちは剣で応戦する!」
「わ、解りました!」
そう言って、戦闘が始まった。
俺は、魔法使いなので、魔法が使えず
装備している杖で、デス・ラビットに物理攻撃を与えてみる。
しかし、全く効果がなく、ダメージもほとんど減ってはいなかった。
そこに、剣士の翠先生が、剣技で、デス・ラビットを一刀両断する。
デス・ラビットを倒したと、表示されて、レベルが上がったと、表示された
「ひ、酷い……あんなにかわいかったのに~」
「あれは、敵だったんだぞ……いい加減目を覚ませ」
「判ってるわよ……」
「じゃあ、奥に行くぞ」
「りょ~かい」
「判りました」
そう言って、死霊の森の奥深くへと、進む。
すると再び、デロデロリーンと音がなって、モンスターが現れた
現れたのは、ゾンビーと名前が付いていて
明らかにアンデット系のモンスターであった。
「う~わ~、グラフィックが劣悪だな……こりゃ」
「確かに……」
「なんか夢に出てきそうな、キャライラストね……」
「とにかく倒すぞ、とりゃあ!」
翠先生が、そう言って剣を構えて、ゾンビーに攻撃
けど、全く効いていなかった。
「こうなりゃ、魔法で頼む」
「やってみます、え~っと、アンデット系だから、光魔法かな?シャインビーム!」
そう俺のキャラが唱える。
すると、ゾンビーが消滅したと、表示された。
「よし、先に進むぞ」
「りょ~かい」
「判りました」
そう言って、先に進む
そして、数時間たって
「っと、翠に南山さん」
「何だ?芹」
「私、これから出かけなくちゃいけないから、落ちるね?それじゃね?南山さん、また学校で」
そう言って、芹先生がログアウトしたらしく、芹先生の姿が消えた。
「って、おい、芹!」
「翠先生、自分もそろそろ落ちないと、妹帰ってきそうですし……」
「っち、しょうがないな、じゃあ今日の冒険はここで終わりにするか、じゃあ解散だな?それじゃ、学校で」
そう言って、芹先生もログアウトした。
俺も、セーブしてからログアウトをする。
いつの間にか夕方になっていて、さすがにゲームやりすぎたな……と、後悔したのであった。




