~第十八話~
夏休みも、終了して俺は、、学校へ行く事にした。
朝おきて、約一ヶ月ぶりに制服を着る。
そして、朝食を取り、学校へ行く準備をして、家を出たのであった。
通学路も約、一ヶ月ぶりなので、ちょっと新鮮な感じがした。
数十分歩いて、俺の通っている高校、山之辺高校に、辿り着く。
校舎の中に入り、昇降口で上履きに履き替えて、自分のクラスへと向かった。
クラスの中に入ると、ちょっとした騒ぎが起こっていた。
「美咲様~、会えて嬉しいです!」
「この一ヶ月間、寂しかったです!」
そんな事を言っている。
うん……こいつら、あれか? このクラスで、一番人気の汐崎美咲のファンクラブ
MKFC(美咲ファンクラブ)かと、おもわれる。
それに対して、美咲はと言うと
「私も、皆さんに会えて、嬉しいですよ?」
と、笑顔で言っていた。
それを聞いて、かなり盛り上がっている男子達、うん……かなりというか、アホだろ……こいつら……
そう思いながら、自分の席につく。
席について、ぼ~っとしていると
「おっはよ~まこ」
俺に、話しかけてきたのは、俺の親友でもある、栗谷美鈴だった。
「おはよ」
「まこ? 夏休みの宿題って、もう終わってる?」
「普通、終わらせるもんなんじゃないの? というか、美鈴……もしかして?」
「う、うん……全部終わらなかったよぅ~……まこ、写させてくれない?」
「嫌だと言ったら?」
「もう、まこと遊んであげない」
「じゃあ、嫌だ」
「って、冗談だよ~、本当にお願い!」
「……はあ……判ったよ、はい」
そう言って、俺は、美鈴に宿題を書き写してある、ノートを渡す。
「ありがと~、何だかんだ言って、まこは優しいよね? そういう所、大好きだよーー」
……そう聞いて、俺は、どういった反応を取ればいいんだ?
そう話していると、チャイムが鳴って、俺の担任の朝崎翠先生がやって来た。
「あ~お前ら、十分な夏休みだったか? まあ、私は、ネトゲ三昧だったがな~、ったく、セリめ……アイテムぐらいよこせっつの……それに、戦闘中に勝手にログアウトするなって言いたいな……おっと、話がそれたな、今日から二学期だ、体育館で、校長のありがたくもなんとも無い、くそつまらない話があると職員室で言っていたから、寝ながらでもいいから、とりあえず聞いとくように、じゃあ、移動しろ~」
うん……本当に、こんな担任でいいのか? と、思ってしまう。
そして、俺達は体育館に移動して、校長の話を聞いた。
確かに校長の話はつまらなかったというか、他に気になる事が出来た。
校長の髪の毛が、異常に増えているのである。
一ヶ月前と、ありえない増え方で、これは、どうみてもカツラ? と思われる。
そんなカツラをつけた校長が「皆さん、隠し事はいけませんぞ」とか、ほざいている。
まず、あんたが隠してるだろ!?とか、つっこんでやりたかった。
そんなつまらない校長の話も終わり、今日は、授業が無いので、帰る事にした。
帰る途中
「まこ……」
俺に、話しかけてきたのは、同じクラスの美咲だった。
「えっと……な、何?」
「いつになったら、私を彼女にしてくれます?私は、いつでもかまいませんのに……」
そう、爆弾発言しました。
はっきり言って、かなり困った、ここは、一般道路、通行人がぎょっとして、こちらをうかがってしている、しかも「百合展開キター!」とか、叫んでるやつもいたりしてるから、本当に困った。
「じゃあはっきり言うけど、ごめん」
そう言ってみる。すると、彼女は泣きそうになりながら
「私、諦めませんから! 必ず、付き合って見せます!」
と、言ってきた。ええ~……諦めてくれないの……? とか、悩んでいると
「あの、私の事が大嫌いだから、そう言ったんじゃないんですよね……?」
「え? う、うん、嫌いじゃないけど……」
「なら、良かったです、私、貴女に好かれるように、頑張りますから、それじゃあ」
そう言って、美咲は、離れて行く。
「頑張ると言われても……困るんだけどな……」
考えても仕方が無いので、家へと帰っていったのであった。