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俺の非日常な日々  作者: 零堵
~一年目~
17/83

~第十七話~

夏休みも後半にさしかかり、俺は、親友の栗谷美鈴くりやみれいと、一緒に、とある場所に来ていた。その場所とは……

「まこ~、到着したねーービックドームに」

そう、俺と美鈴は、ビックドームと呼ばれている建物に来ているのであった。

何故、このビックドームに来ているのかと言うと、事の始まりは、こうである……

俺は、朝起きて、いつものように朝食を取っていると、電話が鳴ったので、それに出る。

「はい、南山です」

「あ、まこ? 私だよ?」

「は? 私? そんな人は知りませんが?」

「って、まこ……ちょっと、酷くないかな? 美鈴だよーー声を聞いて、解るでしょ?」

「冗談だ、と言うか何?こんな朝から電話してきて?」

「うん、それなんだけどね? まこ? 今日暇?」

美鈴がそう言ってきたので、俺は、とりあえずこう言った。

「まあ、暇だよ、用事とか、全くないし」

「良かった、じゃあ、今すぐ駅前に来れない?」

「駅前って、山野辺駅?」

「そそ、じゃあ、待ってるね?」

そう言って、電話が切れる。

俺は、一体何なんだ……?と、思い、とりあえず出かける準備をして、家を出たのであった。

数十分歩いて、山野辺駅に着くと、美鈴が、既にいて、大きなボストンバックを持っていた。

「まこ~、待ってたよ」

「一体呼び出して、何なの?」

「これからさ? ビックドーム行かない?」

「ビックドームって、あの大型総合施設だよね? 何で、そこに?」

「実はね?今日、そこで大掛かりなイベントがあるんだ、一人で行くのも何だしね? だから、まこを誘ったんだよ? 今日、暇なんでしょ? じゃあ、行こうよ?」

美鈴が、そう言ってきたので、俺は、どうしようか迷ったが、まあ、ぶっちゃけて言うと、この後の用事とかは全く無いし、それに、何のイベントをやってるか、気にはなったので

「分かったよ、じゃあ、一緒に行くよ」

そう言う事にした。

「じゃあ、決まりね? では、早速出発~」

そう言って、俺と美鈴は、電車に乗る。

電車で、一時間ぐらい乗って、たどり着いた場所が、ビックドームなのであった。

ビックドームを見てみると、物凄い数の人が、並んでいて、ちょっとビックリしたのであった。

「なんか、凄い人、並んでない?」

「まあ、今日は、イベント初日だからね~、人も沢山来るよ、少なくとも十万人は、いるんじゃない?」

うわ、それは、物凄く多くないか?

「じゃあ、私達も並ぼう? まこ」

「あ、ああ……」

そう言って、俺たちも列に並ぶ。

並んでみたはいいが、全く動く気配が無かった。

おまけに炎天下のせいか、汗も噴出して、ちょっときつく感じたりもしている。

「一体、いつになったら、動くんだ? この人の列は……」

「う~ん、開店が十時だから、今、九時五十分だし、あと、十分程度かな? あ、まこ、飲み物、用意してあるから、飲む?」

そう言って、ボストンバックから、スポーツドリンクを取り出したので、俺は、それを受け取って、飲む事にした。

そして、十分過ぎて、十時になり、やっと、人の列が、動き始めた。

さすがに、最後尾のほうだったので、会場に入るまで、物凄い時間がかかり、中に入れたのは、始まってから、三十分以上も過ぎていたのだった。

中に入ると、物凄い数の本と、人が沢山いて、机が沢山あった。

「もしかして、これって……」

「そう、今日は、同人誌即売会、つまり、~コミックマーケット、IN、ビックドーム~だよ?」

「やっぱり……」

俺は、やってる事は知っていたけど、来るのは、初めてだった。

まあ、普通の一般人は、こんな所には、来ないだろ……とは、思う……

こうして俺は、初めての即売会を、体験する事になったみたいである。

「うわ、凄い人……」

会場内に入ると、人が多くいて、数々の本が売られていた。

「まあ、ここは、大きいからね~、人もたくさん集まるよ」

俺の隣にいる、美鈴が、そう言う。

「こんなにたくさんいて、暑くないのかな?」

「暑いと思うよ? 熱気が凄いし、さてと~、とりあえず……ほしい本でも、ゲットしに行くかな~」

そう言って、美鈴は移動する。

俺は、残されるのも何なので、そのあとをついていく事にしたのであった。

そして、たどり着いた場所は、天空カイザーをメインとした同人誌を、売っているスペースだった。

「お、カイザー本発見~、じゃあ、まこ? 買ってくるね? まこの分もいる?」

「い、いや、自分はいいよ……ここで待ってる」

「そう? じゃあ、行ってくるね」

そう言って、美鈴は、本を買うために並んでいた。

そして、数分後、目的の本を買えたからか、笑顔で、戻ってくる。

「うん、こういうのいいね」

「そういうもんなの?」

「うん、まこもせっかく来たんだし、楽しまないとね? まこも色々と見て回る?」

俺は、どうしようかと迷ったが、確かに……何があるのか? と、気にはなったので

「うん、そうする」

「じゃあ、私、ここのスペースで待ってるから、見終わったら、ここにきてね?」

そう言って、俺にこの会場の案内図を見せる。

「うん、わかった、じゃあ行ってくるよ」

そう言って俺は、美鈴から離れて行った。

まず何所に行こうかと悩んで、とりあえず見て回る事にした。

移動していると、知っている人物を見かけたので、声をかけてみた。

「あれ……茜さんと美咲さん?」

そこにいたのは、売り子をしている汐崎茜しおざきあかねさんと汐崎美咲しおざきみさきであった。

「あ、まこさん、こんな所で会えるなんて、偶然ですね」

「まこ……こういった場所に興味があるんですか?」

「い、いや、美鈴に誘われて、ここに来ただけなんだけど……」

「また、栗谷さんですか……本当に仲がいいですね、羨ましいです、私も、まこといたいのに……」

「あら? 美咲? もしかして……」

「ええ、茜お姉ちゃん、前に言ったと思うけど、そうです」

「ふ~ん、そうなんだ?」

……美咲さん? 貴方は茜さんに、何を言ったんだ……? 物凄い気になるのだが……

いや、聞かなかった方がいいかも知れないよな……

「所で、ここにいるという事は、本を売ってるんですか?」

「ええ、同人誌書いたのよ? あ、そうだわ、まこさん、プレゼントしますよ、せっかく会えた記念にね?」

そう言って、俺に一冊の本を渡す。

「え、いいんですか?」

「ええ、構わないわよ?ね?美咲」

「あ、はい、まこに読んでくれると嬉しいです、私も少し手伝いましたから……」

「そ、そう……じゃあ、ありがたく頂くね……? じゃあ、自分はこれで……美鈴、待たせてるので」

「そうですか……じゃあ、さよならです……」

「まこさん、また、お店に行くから、その時に会いましょうね?」

「あ、はい」

そう言って俺は、移動したのであった。

とりあえず、美鈴の所に戻る事に決めて、戻ると

「お帰り~まこ? どうだった?」

「どうだったって、まあ、知り合いに会ったよ」

「え? 誰?」

「同じクラスの汐崎美咲」

「え、嘘? こんな場所に興味無いと思ったんだけどね?」

「なんか、従姉の茜さんと一緒にいたから、それの手伝いかと」

「ふ~ん、そうなんだ? あ、じゃあ、そろそろ行こうか?」

「行くって、何所に?」

「ふっふっふ、この日のために、用意していた物があるんだよーーとりあえずついてきて?」

「??分かった」

こうして、俺は、美鈴のあとをついていく事にした。

美鈴のあとに、ついていくと、控室に入った。

そこで、美鈴は、ボストンバックを開ける。

中に入っていたのは、何かの衣裳だった。

「さあ、まこ、これに着替えて?」

は? 何でだ?

「ええ? 何で?」

「だって、まこと一緒にコスプレしたくて、持ってきたんだよ~、着てくれないの?」

そう、うるうる顔で言ってきた。

「……解ったよ……着ればいいんでしょ?」

「よかった、じゃあ、着替えよう?」

そう言って、服を脱ぎだす。

俺も、脱いで、用意された衣裳に着替える。

うん、着てみて思った事。なんか恥ずかしいし、それに、何でサイズが合ってるんだ? と、思った。

「ねえ? 何で、サイズ合ってるの……?」

「まこのサイズって、身長以外、私とほとんど同じなんだよ?知らなかった?」

「そうなのか?」

「うん、だから、お揃いだね~」

「……ところで、この衣裳は?」

「これはね? 魔女っ子メイルというアニメのキャラのコスプレだよ? ちなみに私が、魔女メイルのコスで、まこが魔女レイラのコスだよ~」

「そう……」

何のアニメかは、全く知らなかったが、深く追及するのは、やめといた。

着替えたので、コスプレスペースに出ていく。

そこで、いっぱい写真を撮られた。

しかも、ポーズとってくださいとか、メルアド教えて? とか、そう言ってくる奴もいたりして、かなり困ってしまった。一時間ぐらい過ぎて、さすがに疲れたので、私服に着替えて、帰る事にした。

帰る途中。

「ねえ? まこ? 明日も、今日みたいな、イベントやってるけど、行く?」

「いや、行かない!もう、疲れたし、断る」

「ええ~? なんでぇ~?」

そんな会話をしながら、家へと、帰って行ったのであった。

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