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俺の非日常な日々  作者: 零堵
~一年目~
15/83

~第十五話~

夏休みの最中、俺は、ある場所に来ていた。

その場所というのは……

「海だ~!」

そう、俺は、海に来ているのである。

何故、海に来ているのかというと、俺の働いている。

バイト先の店長、東雲紫しののめゆかりさんが「海で、営業する事になったから、来ない?」と

言ってきたので、それをOkして、俺は、海に来ているのである。

ちなみに、あと誰がいるのかと言うと、店長の紫酸素の、弟のあきら、同じ職場で働いている。

桐谷佐奈きりやさなさん、あと親友の栗谷美鈴くりやみれいで、来ているのであった。

海の近くの、貸店舗に入り、看板に「ラブ喫茶アイライク、~海岸店~」と、書き込んであった。

そこで、俺達は、用意された衣装に着替える。

佐奈さんは、青色をイメージにしたメイド服。玲は、緑色をイメージにしたメイド服

美鈴は、赤色をイメージにしたメイド服を着ていた。

俺もメイド服を着る事になるのか?とか思っていて、用意された服をみると、俺のだけ、Tシャツだった、柄に「アイライク」と、描かれている。

うん、メイド服を着ないだけ、マシかな……と、思っていた。

着替えが終わって、外に出てみると、店長の紫さんが、こう言った。

「皆さん、よく似合ってますよ」

「あの、自分のだけ、違うんですけど……」

「あら、まこさんも、メイド服の方がよかった?」

「い、いえ、これでいいです」

「なら、OKね? さあ、着替えた事だし、お客様を入れて、開店しましょうか、皆さん、今日も、頑張りましょうね」

「了解」

「分かりました」

そう言って、お店を開店させた。

最初は、全くと言っていいほど、人が入ってなかったが、一人、また一人と入ってきて、すぐに大繁盛した。

主に男性の客が多く、俺以外、メイド服っぽい衣装を着ているので、お客から「萌え~」とか、聞こえてきた。

うん……大丈夫か? こいつら……と、思ってしまった。

そして、時間が過ぎて、休憩時間になり、控室で休んでいると

「まこ~」

美鈴も、休みになったのか、俺に話しかけてきた。

「何?」

「見たよ!」

「何が?」

「二時間ドラマ、天空カイザー、カイザーVSデルウイングだよ、まさか、まこが出演してるなんて、どうして、言ってくれなかったの!?」

「いや……言う必要あるかな?ってね……」

「まこ、物凄いかっこ良かったよ……」

そう、赤らめて言ってきた、うん……なんか、照れるな……

「ところで、また、なんかドラマとか出るの?」

「いや、それは無いんじゃないかな……たまたまやってって、言われて、やっただけだし」

「そうなんだ……まあ、もし他のに出てたら、私、絶対に見るからね?」

何で、見る必要が? と、思っていた。

そう、言っていると、休憩時間が終わったので、仕事に戻った。

店内は、いつの間にか男性客から、女性客の方が、多くいた。

そして、俺の姿を見つけて、こう叫びだす

「あ、あの!」

「は、はい?」

「まことさんですよね? 天空カイザーのレキやってた」

「は……はあ、まあ、一応……」

そう言うと、周りからキャー!とか、悲鳴じみた歓声が聞こえてきた。

「私、ドラマを見て、ファンになりました!握手して下さい!」

「ま、まあ、そのぐらいなら……」

そう言って、俺はお客に握手する。

他の客も「写真撮っていいですか?」とか「私の事好きって言って下さい!」とか、言っていた。

うん……なんか、怖いぞ……そんな感じな事があって、時間が過ぎて、閉店時間になり、店長の紫さんが、こう言った。

「皆さん、お疲れ様、もうこんな時間だけど、これから戻るのもなんだし、泊って行きましょう?皆さんは、それでよろしいですか?」

「私は、OKです」

「私もOkだよー、わ~い、御泊りーー」

「自分は……ま、いいかな、あとで家族に連絡すればいいし」

「じゃあ、決まりですね」

こうして、俺達は、海の貸店舗に、泊る事になったのであった。


泊まる事になり、そこで一泊過ごして、次の日。

俺は、朝早くに目が覚めたので、海に行って見る事にした。

朝、早いせいか、人が全くいなく、海から来る風が、結構気持ちよくて、う~んと伸びをしていると

「まこさん、朝、早いですね」

そう話しかけて来る者がいた。

俺に話しかけてきたのは、俺の働いている店の店長、東雲紫しののめゆかりさんだった。

「あ、店長」

「紫さんって、呼んでくれないかしら?」

「あ、分かりました、紫さんも、朝、早いですね?」

「ええ、何故か知らないけど、ぐっすり眠れたからね、あ、ちなみにあきらは、まだ寝ているわ」

玲と言うのは、紫さんの弟である。

「そうですか」

「それにしても……やっぱり、まこさんもメイド服着て、接客する?」

そう言ってきたので、俺はと言うと

「いえ、結構です、似合いませんし」

「そう? 貴方に合わせて、黒色のメイド服、用意したんだけど、まあ、貴方がそう言うなら、強制はしないわよ?」

「そうしてくれると、助かります」

「そう? そうだわ、今日は、午前中だけ営業して、午後は皆で遊びましょうか?」

「それ、いいですね、自分は賛成です」

「じゃあ、決まりね、そろそろ戻りましょう」

「あ、はい」

そう言って、俺と紫さんは、貸し店舗へと戻って行った。

そして時間が過ぎて、営業時間になり、俺達は、用意された制服に着替えて、ホールに出る。

ホールに出ると、事務服を着た紫さんが、こう言う。

「今日は、午前中だけの営業にしますね? 午後は、自由時間とします、では、皆さん、今日も、頑張りましょう~」

「りょ~かい」

「分かりました」

こうして、お店がスタートした。

季節が夏だと言うだけあって、お客も水着を着た客がやって来ていた。

俺達は、注文を聞いて、品物をお客様に、出す作業をしていた。

そして、時間が過ぎて、午後になり

お店を閉めて、自由時間になったので、服を着替える事にした。

「じゃ~ん、見て?まこ~似合う~?」

そう言ってきたのは、俺の親友の栗谷美鈴くりやみれいで、青色の水着を着ていて、俺に見せてきた。

「似合うんじゃない?」

「そう? ありがと、これ新しく買ったんだ、まこに見せようと思ってね~」

何故、俺に見せようと? そう思っていると

「あ、あの、私も似合いますか?」

そう言ってきたのは、バイト仲間である。

桐谷佐奈きりやさなさんだった。

佐奈さんは、赤色の色っぽい水着を着ている。

「それ、ちょっと大胆かと?」

「佐奈? ナンパとかするから、そういう水着選んだの?」

「い、いえ!違います、母さんが、勝手にこの水着を荷物に紛れ込ませてたので……」

「そうなんだ」

「はい……ちょっと、恥ずかしいです……」

「でも、似合ってるよ~、私ももうちょっと胸あったら……似合いそうかな?まこも、そう思わない?」

何故、俺にふる?

「いや、俺が言うことじゃ、ないかと……」

「そう?」

「そうだよ」

「ところで、まこさんは、着替えないんですか?」

そう、佐奈さんが聞いてきたので

「いや、俺はいいよ、泳ごうと思ってないし」

「え~、まこの水着姿、見たかったのに~」

「美鈴、そう言うな」

「はあ、そうですが……ちょっと残念です」

そう話していると、紫さんがやってきた。

「皆、着替えた? じゃあ、遊びに行きましょう」

「わ~い、泳ぐぞ~!」

「わかりました」

こうして、俺達は海へと、遊びに行ったのであった。

何故か玲の姿が、見えなかったが気にしないで、おくことにした。

まあ、男だし、女子の着替えの中には、入れないな……と、思っていたのである。

「海風が気持ちいい~」

そう言ったのは、俺の親友の栗谷美鈴くりやみれいだった。

夏というだけあって、皆、海水浴や日焼けをしていたりしている。

俺の姿はというと、水着ではなく、普通のTシャツを着ていた。

他の皆は、水着を着ていたりする。

「ねえ? まこは、やっぱり泳がないの?」

「うん、泳がないよ」

「何で? 気持ちよいと思うんだけどな~?」

そうか? まあ、確かに、こんな暑い日差しなので、泳ぐと気持ちいいかもしれないな?

でも俺は、泳ぐ事はしない事にした。

「自分はいいよ、美鈴は、泳いできたら?」

「うん、そうする~」

そう言って美鈴は、海へと入っていく。

そんな美鈴を見ていると、俺に話しかけて来る者がいた。

「まこ先輩、こんにちは」

そう言ったのは、紫さんの弟のあきらであった。

玲も、俺と同じくTシャツを着ていたりする。

「玲は、水着着ないの?」

「僕が着れるわけ無いじゃないですか……まあ、姉さんが水着を僕に渡しましたよ?でも……あきらかに女物の水着だったんですよ……しかも「大丈夫、貴方なら似合うわ!」とか言ってくるし……」

「そ、そう」

うん、イロイロ大変なんだな……なんか、ちょっと同情してしまった。

「で、さっきから男からしつこく話しかけて来るんですよ……なんでなんだろ……」

ちなみに、今の玲の格好は、Tシャツにウイッグをつけているので、全く男に見えない。

と言うか、かなりの美少女? にみえたりしている。

なんか……分かるような気がするな……男どもの動機が不純だとは思うけど

「じゃあ、そのウイッグ取ったら?」

「姉さんが、「それ取ったら、罰ゲームよ?」と言ってきたので、取れないんですよ……」

「そうなんだ……」

うん、完全に遊ばれてる感じがするな……

そう話していると、俺達に声をかけて来る者がいた。

「お~可愛いね?俺と、一緒に遊ばないかい?」

いかにもチャラ男? みたいな、感じのヤツが俺達に話しかける。

それにしても……どっちに向かって言ってるんだ? こいつは?

「え~っと……僕に言ってるの?」

「おお、ボクっ娘か!萌えるね~!こんな奴ほっといて、行こうぜ?」

どうやら、玲に話しかけてるみたいだった、おい……俺の事を、こんな奴呼ばわりか?

玲は、それを聞いて、こう言った。

「僕、連れがいるので、お断りします」

「そんな事言うなよ? ほら、行こうぜ?」

そう言って、玲の手を取ろうとする。

玲は、それを素早くかわして、俺の後ろに隠れるように、男から離れた。

これって、普通、逆じゃないか?

「あん?お前、こいつの何なんだ? 彼氏?」

「……とりあえず、殴る!」

俺は、チャラ男に向かって、鉄拳制裁を食らわす。

あきらかに馬鹿にした態度だったので、むかついたからだった。

男は、俺の攻撃をまともに食らって、伸びてしまった。

「あ、ありがとうございます、まこ先輩」

「まこ~かっこいい!」

「なんか哀れですね、でも、まこさん、よくやりました」

いつの間にか、美鈴と紫さんがいた。

「い、いや、こいつがむかついたから」

「そうですね、こんな奴、そのままにしましょう」

「賛成~」

そう言って、伸びている男を、ほっとく事にした

そして、時間が過ぎて、山野辺市に帰る事にした

家へ帰ると、妹の亜季あきが、何故か怒っていた。

「お姉ちゃん!」

「な、何?」

「どうして、勝手に泊まったの!?私も連れてって欲しかったよ!?」

「ご、ごめん」

「今度は、私をおいてけぼりにしないでね?」

「分かったよ、亜季」

これが俺の、海の出来事だった。


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