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俺の非日常な日々  作者: 零堵
~一年目~
10/83

~第十話~

次の休みの日、俺は、再び秋葉に行く事になった。

まあ、何で行くのかというと、その町の中にある、喫茶店、ラブ喫茶「アイライク」で働く事になったからである。

朝、いつもの通りに起きて、出かける準備をする、数分で準備が出来て、いざ、出かけようとすると、俺に話しかけて来るものがいた。

「お姉ちゃん? こんな休日の朝から、何所に行くの?」

そう言ったのは、俺の妹の南山亜季みなみやまあきだった。

「ちょっと、バイトに行って来るね?」

「お姉ちゃん……バイトって、毎週入れてるの?」

「うん……まあ、一日だけだけど」

「そう……じゃあ、私も一緒に行く!」

何故だ? 別について来ても、構わないのだが……

俺についてくる理由が全くと言っていいほど不明なのだが……

「え~と……なんで?」

「だって……私、お姉ちゃんがどこで働いてるか知りたいし、それにお姉ちゃんに近づこうとする者がいたら、それを阻止したいし……ついて行っちゃ駄目……?」

そう、うるうる顔で言って来る。

まあ、別に断る理由もないので、俺はOKする事にした。

「分かったよ、じゃあ、行こうか?」

「うん、行こう」

こうして、妹と二人で、外に出る事になったのであった。

二人で歩いて、駅に向かって、電車に乗って、辿り着いた場所はと言うと

「お姉ちゃん……この町で働いてるの……?」

「うん、まあ……」

その町は、秋葉と呼ばれていて、相変わらずの人だかりだった。

俺と亜季は、その街中を歩いて、目的の場所へと移動する。

数分後、その場所に辿り着いて、店内に入る。

「おはようございます」

「おっはよ~まこさん、今日はちょっと早いですね」

そう言って来たのは、このお店、ラブ喫茶「アイライク」で、店長をしている、東雲紫しののめゆかりさんだった。

「じゃあ、早速着替えて準備してくれるかな? まこさん?」

「はい、分かりました」

「ーーで…………まこさんの隣にいる子は? もしかして……彼女?」

何で彼女って言うんだ? 普通に考えて、そう思わないだろ?

「違いますよ、妹です」

「ほうほう、それは姉妹スール的な関係なのかなあ?」

「いや、本当に妹……ほら、亜季」

「えっと……南山亜季です……」

「何だ、じゃあ本当に妹さんだったんだ? それにしても、お姉さんと違って、可愛い感じねえ~?まこさんは、かっこいい感じだけどね?」

「あ、ありがとうございます……確かにお姉ちゃんは、かっこいいです……」

……何で、そういう話になる?というかかっこいいって……実の妹にそんな風に言われるのも複雑なのだが……とりあえず俺は、控え室に行って、俺専用の制服に着替える。

このお店は、メイド風な衣装が用意されているのだが、俺のは違っていた。

俺のは、ギャルソンとかそういった感じの制服だったりする。

着替え終わって、鏡を見ていたら、誰か入ってきた。

「だ、誰!?」

入ってきた人物は、初めて見る顔だった。

「誰と言われても……えっと、もしかして……貴方がさなさん?」

「あ、はい、桐谷佐奈きりやさなです、もしかして……貴方が新しく入ってきた、真琴さん?」

「ええ、南山真琴といいます、一週間に一日だけですが、よろしくお願いしますね?」

そう、営業スマイルで言ってみると

「は……はい……」

何故か顔を赤らめてそう言ってきた、何で顔を赤らめたのが疑問なんだが……

まあ、軽い挨拶して、控え室から出ると、妹の周りに、店長の紫さん

その弟のあきら、俺の親友の栗谷美鈴くりやみれいが集まっていた。

「お、お姉ちゃん!?」

「あ、まこーおっはよーーうん、今日も似合ってるねえー」

「うん、僕もそう思うよ? まこ先輩」

「さすが、まこさんですね、着こなし抜群です」

「あ、ありがとう」

「じゃあ、全員集まった事だし、今日も元気に働きましょうね?お客様は神様と思って、頑張りましょう」

そう紫さんが言うと、その場にいた全員が元気よく挨拶していた。

「お姉ちゃん……こんな場所で、働いてるの?」

「うん、まあ、そうなるかな……もしかして、嫌だとか?」

「ううん……ちょっと驚いただけ……」

「で、どうする? 亜季、もう自分の仕事場は分かったでしょ?家へ帰る?」

「ううん、お姉ちゃんが終わるまで、ここにいるよ、さっき店長さんと話してたけど、ここの控え室にいていいと言われたから、そこにいるね?」

そう言って、亜季は控え室の中へと入っていった。

亜季が控え室に入った後、美鈴が話しかけてきた。

「亜季ちゃん、本当にまこの事好きなんだね? なんか羨ましいかな」

「何で、羨ましいの?」

「だって……まこといる時間が多いんでしょ? 私だって、まこと長い時間いたいものだしさ?」

「……」

そんな事言われても、困るのだが……

こうして、俺の二回目のアルバイトが始まった。

「さあ、今日も頑張りましょうね~」

そう店長の紫さんが言うと、アイライクのスタッフが、はいと返事をしていた。

俺も、ここの制服に着替えて返事をする。

ちなみに……ここの制服は、メイド服をイメージして作ってあるが、俺のは違っていて、どっちかと言うとウエイターかギャルソンタイプの格好をしていた。

他の皆が言うには、その姿は大変似合ってるらしく、かっこいいとか言われてしまった。

うん、自分ではそうは思わないんだけどな……

そして、俺のバイトが始まった。

ここのバイトは、喫茶店なので、お客様の呼び出しに答えて、注文をとり、出来たら持っていくという、普通の喫茶店と同じような感じだった。

ただ違うというのは、何故か俺を呼ぶ客が、女性ばっかりだったのである。

男性客もいるのに、男性客は「あきらちゃん~」と言って、玲を呼んでいたりする。

中身が同じ同姓だと言うのに、知らないということは恐ろしいって感じだな……と、俺は思っていた。

そう思っていると、まこさん~と呼ばれたので、お客の所に行く

「ご注文は、おきまりでしょうか? お嬢様」

そう、営業スマイルで言うと、お客は顔を赤らめながら「こ、これ、お願いします」とか言ってきたので

俺は「かしこまりました」と言って、厨房に入る。

そして、出された物をお客様の所に持っていた。

「お待たせしました、天使の微笑みです」

「あ、ありがとうございます」

「いえ、では、ごゆっくり」

そういった感じのが、何回かあって、休憩時間になったので、俺は控室に向かった。

中に入ると、一緒に来ていた妹の亜季あきが、ジュースを飲みながら、ぼ~っとしていた。

「亜季? 退屈だったら帰っていいよ?」

俺がそう言うと、亜季はと言うと

「ううん、お姉ちゃんが終わるまで、待ってるよ? それにしても……お姉ちゃんに声かけるの、女子ばっかだね……凄いね……お姉ちゃん」

「……凄いかどうかは、微妙なんだけど……」

そう話していると、控室に佐奈さんと玲が入ってきた。

「お疲れ様です、まこさん」

「お疲れ様、まこ先輩」

「お疲れ様、あれ? 美鈴は?」

「れいれいなら、まだ休憩時間じゃないので、ホールですよ」

「それにしてもまこ先輩、人気が凄い上がってますよ? まあ、女子限定なんだけど……」

「そうよね、あきらちゃんは、男に人気あるものね?」

「さなさん、それ、しゃれになってないです……はっきり言って嫌ですよ……」

「え? あの中に付き合いたいな? とか思うのいないの?」

「いません」

即答しました、まあ玲はね……? 実情を知らないのかな? 佐奈さん……

休憩時間も終わり、再びホールに戻ると、さっそく呼び出しがかかって、その場に行くと

「今日もあなたに会いたくて、来ちゃいました……」

そう言ったのは、先週も来た、お客様だった。

「えっと……とりあえずありがとうと言っておきますね、で、お客様、ご注文は?」 

「お客様じゃなくて、私、汐崎茜しおざきあかねと言いますので、だから……あかねって言ってください」

汐崎茜? なんか同じ名字の人物を一人知っているんだけど……

「えっと、ちょっと聞いていいでしょうか? 汐崎美咲さんという方、知ってます?」

「知ってるも何も、私の従姉妹ですけど……美咲は……? でもなんで、美咲の事知ってるんですか?」

「同じクラスなので」

「へ~じゃあ、美咲と同じクラスなんだ? じゃあ、高校生ですね? 私は社会人だから、美咲のお姉ちゃん的な存在になる感じかな」

「そうなんですか……あ、茜さん、ご注文お願いします」

「そうね、じゃあこれね?」

「かしこまりました、すぐにお持ちしますね」

そう言って、俺は注文を受け取ったので、厨房に入る。

数分後、注文を受け取って、茜さんの所に行く。

「お待たせしました、魅惑のフルーツ載せです」

そう言って、魅惑のフルーツ載せ=フルーツパフェをテーブルに置く。

「ありがとう、それにしても……本当にかっこいいですね」

そう、茜さんが言う、なんか毎回毎回そんな事言われてないか? 俺……

「は、はあ、ありがとうございます……」

「ほんとよ? よし、決めました」

「何をですか?」

「貴方を題材に漫画を描きます、私、一応漫画家志望でしてね? だから、この街にネタ探しに来たけど、貴方を主人公にした漫画でも描いて見る事にします、、ね、いいですか?」

漫画?俺を主人公に?なんか、恥ずかしいんだが……断る理由もないので

「はい、OKですよ」

「ありがとう、じゃあさっそく家に帰って、描かなくちゃ、それでは」

そう言って、茜さんは、お金を払って、店から出て行ったのであった。

そして時間が過ぎ、バイト終了時刻になったので、店長にあがらせてもらいますと言い、控室に入り

いつもの服装に着替えて、亜季と一緒に、家へと帰って行ったのであった。

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