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ストーンアテナの一コマ(SS集) 4

 各話の登場キャラクター

【ときめきのハート型水晶】サファイア・ロードナイト・ロッククリスタル

【ネオンブルーなトルマリンのこと】トルマリン・ロードナイト・オブシディアン

【ハロウィンにガーネットの火の玉を】ガーネット・サファイア・トパーズ

【トパーズが水晶と間違えられてた話】トルマリン・トパーズ・ロッククリスタル


【ときめきのハート型水晶】


「はあ…いつ見ても素敵ですわ」


 ロードナイトが恍惚としている所へ、サファイアが通りがかった。


「ドナさん、宝石雑誌を読んでるんですか?」

「サファイアさんも是非ご覧になって下さいませ。こちらのラブハート・クリスタルさんを!」

「ラブハート・クリスタルさん??」

「妙な名前を付けないでくれ。それは日本式双晶(にほんしきそうしょう)と呼ばれている」

「あっ、クリスタルさん! いらしてたんですね」


 日本式双晶(にほんしきそうしょう)とは、二つの結晶が約85度の角度で接していて、ハート型に見える水晶のことです。この形の水晶が日本(山梨県など)で多く産出した為、日本式と名付けられました。


「勿論、存じておりますわ。良縁を司るわたくしと致しましては、こんなに素晴らしい形はありません!」

「水晶は色んな形がありますけど、日本ではそうした様々な形質が産出しますもんね」

「そうだな。その多様な個性の力はストーンアテナとしての能力を広げる要素の一つでもあるから、私にとってこの地に生まれたことは幸運だと思う」

「クリスタルさんは全てを包括する光属性ですしね。流石ですわ!」

「クリスタルさんが後ろに控えてくれていると思うと、凄く安心します」

「私は日本国産宝石の代表として、君たちを守ることが重要な役目だ。何かあれば、いつでも駆けつけよう」


 ―おわり―




【ネオンブルーなトルマリンのこと】


 オブシディアンが、トルマリンの所にやって来た。


「トルマリンさん、『トルマリン』は放電の力を使って発光することができるんですか?」

 ※トルマリンは加熱などにより静電気を帯びる性質があります


「いいえ。通常、宝石の状態で自ら光ることはできません。ストーンアテナとして発電は可能ですが、私自身が発光することはありません」


 トルマリンの返事に、オブシディアンと一緒にいたロードナイトが口を開く。


「そうなんですのね。海外のトルマリンさん…『パライバトルマリン』が余りにも強いネオンカラーでしたので、つい確認してしまいましたわ」


 トルマリンの最高峰であるパライバトルマリンは、自ら光を放っているかのような眩いネオンブルーが特徴の、希少な宝石です。

 1980年代にブラジルのパライバ州で発見された為、パライバトルマリンと呼ばれるようになりました。日本では産出がない宝石です。


「さっき動画で見かけたんですが、まさにネオン管みたいな感じだったので…凄い個体ですね」

「銅を含んでいると、あのようなネオンカラーになるんです。日本産でも青色はありますが発色原因は鉄で、色味としては控えめになりますね」

「日本で産出する『トルマリン』もカラフルで、とても素敵ですわ」

「電気を起こせるところとか唯一無二ですし、憧れます」

「ありがとうございます。パライバさんは特別な存在ですが、引けを取らぬよう今後も精進して参ります」

「クールビューティーですわ…!」


 ―おわり―




【ハロウィンにガーネットの火の玉を】


 ガーネットとサファイアが、何やら試行錯誤している。


「こんな感じ?」

「凄くいい雰囲気です、ガーネットさん」


 そこへ、トパーズが通りかかった。


「何してるの、二人とも」

「あっ、トパちゃん! 今、火の玉作りの練習してるの」

 ※ガーネットは火を操れる火属性

「今度ご近所のハロウィンイベントで催される、お化けの仮装行列のお手伝いをすることになったんです」

「へー、そうなんだ。面白そうだね」

「トパちゃんもやる? ゴーレムが行列にいたら皆も喜んでくれそう!」

 ※トパーズは土を操れる土属性


「あ、いいですね。トパーズさんも如何ですか?」

「参加してもいいなら、やりたいな。そういう楽しいことに能力を使えるのは嬉しいしね」

「やったー! じゃあ何か、トパちゃんとの合わせ技もしたいな」

「うーん……ゴーレムが火の玉でお手玉したりとか……?」


 サファイアがそう言って首を傾げると、トパーズが笑った。


「あはは、良いね! 折角だから、ガンガン盛り上げよう」


 ―おわり―




【トパーズが水晶と間違えられてた話】


「宝石を見た目だけで判別するのは、やはり難しいですね」


 トルマリンが思案顔をすると、ロッククリスタルが頷く。


「私たちはエネルギーの性質などで見分けられるが、完全に外見のみだと確かに難儀だな」

「なになに、二人は宝石当てクイズでもやってるの?」


 そこへ、トパーズがやって来た。


「先日ご近所のお子さんに、水晶とダイヤモンドの違いが分からないと言われまして」

「ダイヤモンドとの比較であれば輝きの差が大きいから分かりやすいが、その他の宝石同士だと説明がしづらいという話をしていたんだ」


 無色透明の宝石(ロッククリスタル・トパーズ・ダンビュライトなど)は、よくダイヤモンドの代わりとして使用されてきました。

 ダイヤとの見分け方は『輝き』で、空気中から宝石内部に入った光が内部で折れ曲がる『屈折』の程度を表す『屈折率』が高いほど、宝石は光を多く反射してよく輝きます。

 この屈折率が水晶は約1.5、トパーズは約1.6、ダイヤは約2.4で、ダイヤモンドが圧勝しています。


「なるほどねー。そういえば私も、昔はクリスタルだと思われてたなあ」

「トパーズさんは無色のものが最も多く産出し、クリスタルさんとは輝きも似ていますからね。当時は大変でしたか?」

「私はトパーズが認知されないことに思うところはあったが、本人はまるで気にしていなかったな」

「あはは。私はそれよりも、一緒くたに混ざったクリスタルを傷つけてしまわないか心配だったよ」

 ※トパーズ:硬度8、ロッククリスタル:硬度7


「ああ……それはご苦労をされましたね」

「気を遣わせてすまなかった」

「気にしない、気にしない。私も他の宝石のことは大事だからね」


 ―おわり―



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