表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/8

ストーンアテナの一コマ(SS集) 3

 各話の登場キャラクター

【ガーネットは花火を創れる?】ガーネット・ロードナイト・オブシディアン

【赤いダイヤ】サファイア・トルマリン・トパーズ

【トパーズが狸にお礼される話】トパーズ・ロードナイト・ロッククリスタル

【宝石は星の夢を見るか】ガーネット・トルマリン・オブシディアン


【ガーネットは花火を創れる?】


 オブシディアンがガーネットの所にやって来た。


「ガーネットさん、打ち上げ花火って作れますか?」

「花火? うーん、私は火は出せるけど、花火は火薬だからね。難しいなー」


 そこへ通りかかったロードナイトが、オブシディアンに声をかける。


「ディアちゃん、花火の製造には許可が必要ですわ。花火が見たいんですの?」

「うん、ちょっと思い立って。屋敷の庭で上げて貰ったりできないかなと」

「トパちゃんやマリンちゃんなら作れそうだけど、許可って貰える?」

「花火は様々な決まりがありますから、たとえストーンアテナだとしても難しいと思いますわ」


 ロードナイトが残念そうに言うと、オブシディアンが応えた。


「そうなんだね。じゃあ、普通の小さい花火を買ってこようかなあ」

「あっ、それ賛成! みんなでやろうよ!」

「素敵ですわ! わたくし、皆さんに声をかけて参ります」

「確か市販のものでも、打ち上げ花火があったような…」


 盛り上がるガーネットとロードナイトに、オブシディアンが首を傾げる。


「いっぱいあるよ! 私も買い物一緒に行く!」

「ふふ、楽しみですわね」


 ―おわり―




【赤いダイヤ】


「この水羊羹は、大変美味ですね」


 トルマリンが、お菓子をお裾分けしてくれたサファイアに言う。


「本当ですか? 良かったです」


 サファイアが安堵すると、トパーズも同意して続けた。


「うん、凄く美味しい。ここの店、サファイアのお気に入りなんだっけ」

「前に頂いた桜餅も、同じ店でしたね。とても洗練されていて満たされる味でした」

「はい。『こころ』っていう、和菓子屋さんです。このお店のこし餡が絶品で、大好きなんです」

「小豆いいよね、分かる。流石は赤いダイヤって感じだ」

 ※『赤いダイヤ』は小豆の異名です


「レッドダイヤモンドは凄まじい価値がありますからね」


 トパーズの言葉に、トルマリンが頷いた。


 ダイヤモンドは無色透明のイメージが強いですが、色のついたダイヤも稀に産出します。中でもレッドダイヤモンドは大変希少で、幻のダイヤと言われています。

 因みにレッドと言っていますが、ルビーのような燃え上がる真っ赤なレッドではなく、『とても濃いピンク』といった色味をしています。


「赤って、やっぱり特別な色なんですね」


 サファイアが、少し複雑な表情で言う。


「人間からすると、生命を感じるからじゃないかな。でも人々は、どんな色の宝石だってその美しさを理解してくれてると思うよ」

「個々の宝石が有する力も、信じてくれていますしね」


 トパーズとトルマリンが微笑むと、サファイアは遠慮がちに呟く。


「お役に立てていればいいのですけど…」

「十分立ってるさ。青い宝石の代名詞たる『サファイア』は、君自身が思うよりずっと特別な存在なんだよ」


 ―おわり―




【トパーズが狸にお礼される話】


 屋敷の玄関先で、ロードナイトは驚きの声を上げた。


「クリスタルさん! 山を下りられるなんて珍しいですわ。どうなさったんですの?」

「ああ、今日はトパーズに用があってな」

「え、私? 何だろ」

「君に渡して欲しいと、ご婦人からこれを預かった」

「まあ、山菜がいっぱいですわ」

「凄いね! でも頂く心当たりがないなあ。誰だったか分かる?」

「人間のご婦人に化けた狸だ。つい最近、森の中で宇宙人から助けてもらったそうだが」

「えっ、狸って本当に化けるんですの!?」

「あー、あの時の狸の親子か。気にしなくて良いのに。ていうか、わざわざ化けて来たんだ?」

「言葉を交わす為と、物を運ぶのに便利だからと言っていたな。『ありがとうございました』との伝言も預かっている」

「やっぱりトパーズさんは、狸とご縁があるんですのね」

「ふふ、嬉しいね。よーし、今日は山菜そばを作ろう! クリスタルも食べて行きなよ」


 ―おわり―




【宝石は星の夢を見るか】


 ガーネットが夜空を仰いでいる。


「わー、星が綺麗ー!」

「今日は天気が良いから、よく見えますね」


 楽しそうなガーネットに、オブシディアンが応えた。


「星の光というのは、エネルギーに満ちているとつくづく感じます」


 するとトルマリンが、星を見つめながら言う。


「そうそう。見てると何だか、元気が出てくるよね!」

「実際、エネルギーの塊ですからね。凄いと思います」


 オブシディアンが頷けば、トルマリンは静かに続ける。


「強く美しい光を浴びることで、力が湧いてくる。こうした感覚を、星の加護や導きと呼ぶのかもしれません」

「マリンちゃん、かっこいい…!!」

「流石です、トルマリンさん」

「お二人は、特定の星が気になることはありませんか? 私は何となくいつも、目が行く星があるのです」

「あるある。あの赤いの!」

「ええと……すみません、詳しくなくて。ちょっと名前が分からないです」

「オブシディアンさん、お気になさらず。サファイアさん達も以前、惹かれる星があると言っていました」

「へー、皆もそうだったんだ。元気が貰えるなら、その星とは良いご縁なんだと思うな!」

「そうですね。ちゃんと名前を調べてみようと思います」


 オブシディアンの言葉に、トルマリンが微笑んだ。


「縁もまた、自らを糧とする力ですからね」


 ―おわり―



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ