ストーンアテナの一コマ(SS集) 1
各話の登場キャラクター
【宇宙人の活用法】ガーネット・トルマリン・オブシディアン
【日差しとトパーズ】サファイア・トパーズ・ロードナイト
【お祭りとガーネット】ガーネット・トパーズ・ロードナイト
【縁起物とトルマリン】サファイア・トルマリン・オブシディアン
【宇宙人の活用法】
「ねえねえ、宇宙人を倒すと飴がもらえるって本当?」
屋敷に戻るなりガーネットは、近くにいたトルマリンとオブシディアンに尋ねた。
「「飴?」」
「よく分かんないけど、宇宙人を倒して入手するとかって聞いたよ」
「…それって、ドロップのことじゃないですか?」
少し思案したオブシディアンが応えると、ガーネットは首を傾げる。
「? 飴だよね?」
「おそらく今の話の場合、ゲーム用語かと。ゲームで敵を倒したりなどしてアイテムその他を得ることを、『ドロップ』と言います」
トルマリンの補足に、オブシディアンが彼女を見やった。
「宇宙人をゲームの敵に見立てて、話題にした感じですかね」
「そっかー。飴じゃなかったんだ」
ガーネットがちょっと残念そうに言えば、トルマリンも続ける。
「宇宙人の代わりに何かしらの資源が入手できたなら、こちらも助かるのですが……」
「あー、そうですねえ」
オブシディアンが同意すると、ガーネットが思いついたように声を上げた。
「宇宙人が食べられたら良いのにね!」
「「!?」」
※食べられません
―おわり―
【日差しとトパーズ】
トパーズが外を眺めて思案している所に、ロードナイトがやってくる。
「今日はいい天気だから、どこかに出かけようかな」
「トパーズさん、日傘ならこちらにありますわ!」
そこへ、サファイアも通りがかった。
「『トパーズ』は太陽光で退色してしまうんですよね。お気をつけて…」
「ありがとう、二人とも」
トパーズに含まれる水酸基(OH)とフッ素(F)のうち、水酸基(OH)が優勢であるものは『OHタイプ』、フッ素(F)が優勢であるものは『Fタイプ』と呼ばれます。
Fタイプのトパーズは、長時間紫外線にさらすと色が退色します。
「でも今はストーンアテナだから、基本的には大丈夫だよ」
↑Fタイプのトパーズ
「そうなんですのね、良かったですわ」
「…多少は日差しが苦手だったりするんですか?」
「ま、そこそこはね。サファイアも、今の状態でも割と体が丈夫だったりするでしょ?」
※サファイアは頑丈な宝石です
「そうですね。人の姿になっても、やっぱり性質が出ますね」
「そういう種々様々なところが、ストーンアテナちゃんは本当に魅力的ですわ」
「相変わらずロードナイトはストーンアテナが好きだね」
「ドナさんも、とても素敵な宝石ですよ」
―おわり―
【お祭りとガーネット】
ガーネットとロードナイト、そしてトパーズがお祭りに来ている。
ガーネットはとても楽しそう。
「わー、獅子舞だ! お祭り楽しいね」
「ええ、本当に。お祭りはいつでも気分が上がりますわ」
「獅子と言えば、ガーネットの火炎攻撃だね。獅子の形の炎」
「えへへ。獅子って赤いイメージがあるから、ちょっと親近感もあるんだ」
「『ガーネット』から連想する動物系は馬が最初に思い浮かびますけれど、ガーネットさんには獅子がとてもよくお似合いですわ」
「馬?」
「『デマントイドガーネット』だよ、トパちゃん」
デマントイドガーネットは眩い緑色が美しい、最高峰のガーネットです。
このデマントイドガーネットは、内包物が馬の尻尾 (ホーステール)のように見えるものが産出することがあり、尻尾の形が綺麗に見えるものは希少で高価になります。
日本では産出がない宝石です。
「そっか、そうだったね。でも私も、ガーネットは赤と獅子が合ってると思うよ」
「柘榴石ですものね。あっ、あそこの屋台でザクロジュースが売っていますわ!」
「えっ、ホント? 珍しい!」
「しかも日本産のザクロみたいだ…って、もう行っちゃったか」
「わたくしたちも行きましょう」
―おわり―
【縁起物とトルマリン】
夕食中、オブシディアンがトルマリンに話しかける。
「この茄子の煮びたし、凄く美味しいです」
その言葉に、サファイアも口を開いた。
「今日のご飯当番はマリンさんでしたよね。流石です」
「喜んで頂けて何よりです。昨日の夢に出てきたので、皆さんの夢にも現れますようにと作りました」
「一富士二鷹三茄子ですね」
「良い茄子の夢が見られそうです」
オブシディアンとサファイアは、そう応えて微笑む。
「縁起が良いとされるものが自分の所に来るという意味では、初夢でなくても効果は得られるのではないかと思います」
「そうですね。折角なので、今みたいに美味しく食べる夢でありますように」
「同感です、ディアさん。マリンさんは、次は鷹ですね」
「ええ。私は縁起物の中で鷹が特に好きですから、このあと準備を整えるつもりです」
「鷹の絵を描いたりとかですか?」
「枕の下に敷く用ですね」
オブシディアンが尋ねると、サファイアはなるほどと頷いた。
「そちらは既に作成済みです。イメージトレーニングもよいと聞いたので、風の能力を使用して鷹のように飛行して来ようかと」
※トルマリンは風を操れる風属性です
!?
「そ、それはちょっと、目立ってしまうのでは…」
慌てるサファイアに続き、オブシディアンもトルマリンを宥めようとする。
「不審者だと思われるかも知れませんし…」
「勿論、人目につかないよう、寝る前の夜遅くに行います」
「よ、夜に屋敷を出るなら、主様に連絡しておかないと……!」
「…失念していました。主の所に行って参ります」
(主さん、頑張って)
オブシディアンはトルマリンを見送りながら、心の中で合掌するのだった。
―おわり―




