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ぼくのヒノは暖炉の前で

作者:奥雪 一寸
 ぼくの名は、アーベル。
 両親はいない。つい最近まで父子家庭の子供だったけれど、父が他界したばかりだ。そして父がいなくなったことで、家の税金を払えなくなったから、ぼくには住む家もない。
 けれど、悲観してはいない。
 ぼくはもともと探検家気質で、市街で過ごすよりも原野に出ている時間の方が多い子供だったからだ。狩りの心得もあるし、テントなんかも持っている。帰る家なんかなくても、夜を明かすことはいくらでもできた。
 それよりも、ぼくは気兼ねなく草原や森、山などを目指せることにわくわくしていた。誰に迷惑をかけることもない。これからは、どこを探検するのも自由だからだ。
 そんなとき、ぼくはふしぎな霧をみつけた。というより、気が付いたら霧の中にいた。さっきまで霞んでさえいなかった視界が、いきなり真白になって、そのことに初めて気が付いた。
 それが始まりだった。ふしぎな体験へ、ぼくを誘う霧だったのだろう。ぼくは戻るということも考えず、霧の中を進み、一軒の家に辿り着く。その家の中では、見えない女の子の声が、ぼくを待っていた。
 彼女は言った。
「一緒に住んで」
 ぼくは頷いた。こんなふしぎな体験を、逃すつもりには慣れなかったから。女の子の声はヒノと名乗り、ぼくをふしぎな冒険へと誘ってくれると言った。
 普通に聞けば、こんなに怪しい話はない。でもぼくはその話に乗った。
 ぼくは、ヒノを信じた。
序 章 霧の中の家
第一章 ふしぎな冒険
第二章 鬼の兄妹
第三章 燃え上がる野心
第四章 ヒノ
終 章 暖炉の前で
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