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恐怖はAIから始まる  作者: ことぶき神楽
第三章 因果の除去

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第28話 出動

 枕元の量子通信機が、着信のアラームを響かせながら点滅している。

 船越川は、部屋の明かりを点ける。

 時計の針は、三時を指していた。

 ベッドから起き上がりながら、通信機のディスプレイに映し出されたメッセージに目を通す。


 常磐道からの救助要請だった。

 船越川は、手慣れた動きで通信機からSDカードを取り出すと、傍らのスマホにセットする。

 クローゼットから防御服を取り出しながら、本部に電話を掛ける。

「お疲れさまです、船越川です。常磐道部長から連絡がありました。至急、今送った座標に救助に向かってください。私は、いったん本部に向かいます」


 決戦の日を前に、敵も慌て始めたのだろう。

 車両を潰すとは物騒だが、常磐道たちに怪我がないのは幸いだった。

 船越川は、てきぱきと防護服を着付ける。白衣は銀色のままだが、緋袴は微かに桜色を帯びたシルバーピンクに着色されていた。

 部屋を出て、地下駐車場に停めてある黒のベルファイアに乗り込む。

 夜明け前の道路を東新宿の調世会本部へと向かった。


 二十分ほどの時間で、本部ビルに到着した。周囲の闇は濃く、しんとしている。

 船越川は、ビル裏手の駐車場に車を停めた。

 エレベータに乗り込み、地下三階の監視室に向かう。


 船越川は、暗証番号を入力して入室する。

 十数台のモニターが並んだその部屋では、三名の職員が全国から送信されるデータを常時観測している。現在は、野々村のマンションから送信されるデータをメインに監視している。

 入室した船越川に気付いた職員が、監視モニターを見ながら報告する。

「野々村さんに異常はありません。全ての観測値は正常範囲内にあります」

 船越川は、モニターをのぞき込む。

 マンション前での観測値と並べて表示された数字に不一致点は見られない。データの改ざんはないようだ。


「部長の救助には、二名の職員が向かっています。あと十五分で到着する見込みです」

 常磐道から送られてきた座標が、モニターに映る地図上に表示された。

「しかし……なぜ、こんな路地を通ったのでしょうね。敵に誘導されたにしても……調整会の車を使ってるのでしょ」

 念のため確認する。船越川が乗り付けた車も調整会のものだ。

「はい、全ての車両はシールドされているので、外部からナビを操作することはできません」

 

 GPS信号が、改ざんされているに違いない。

「発信元は、このリサイクル・ヤードです。先に出た救護班に連絡を入れ、ナビを使わず向かうよう連絡してください。敵は、信号やGPS信号を自由に操作できます。注意して」


 職員がすぐに救助班に連絡を入れるが、一向に繋がらなかった。

 一般回線では妨害されるようだ。


「私が救助に向かいます。連絡には、この量子通信機を使ってください」

 船越川は、ひとり監視室から出ていった。

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