1【はじめに / 中華ナイフについて】
ナイフ類が好きだ。
で、安価なナイフ類を集め始めた。もう三年くらい集めて来て、だいぶ増えた。日本刀も一本買ってしまった。
そうした中で、発見や思うところがあるので、書き留めて置くことにした。
今回は中華ナイフに付いてである。
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ナイフ類を集め始めた時、ネット上では、中華ナイフを貶す書き込みをよく見かけた。
で、自分自身も、中華ナイフは低品質だと、何となく思っていた。
転機になったのは、The Logic of Steel: A Fighter's View of Blade and Shank Encountersという書籍を読んだことである。通読ではなく、興味が惹かれるところをつまみ食いしていったのだが、その中で、ナイフファイトの殆どで、安価なナイフが使われているという記述に出くわしたである。
私は、武器としてナイフを集め始めたので、この記述は非常に示唆的だった。それまではコールドスチールの安めのナイフとか、甲伏せ作りの剣鉈(こちらはかなり高価)を集めていた。
しかし、考えてみると、こうしたナイフを実戦では使いたくはない。警察沙汰になれば、警察に没収されてしまうだろう。
そこで、私の眼は安価なナイフにも向くようになり、中華ナイフも視野に入って来たのである。
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安価な中華ナイフを購入するには、幾つかのサイトが便利である。
中華系通販サイトのAliExpress、wishが双璧だろう。同じ製品でも、国内通販・オークションサイトよりも安価に手に入ることが多い。最初の頃はこの事を知らずに随分浪費してしまった。
AliExpressとwishにも違いがあって、前者では原則的に刃渡り10cm以下のナイフしか販売されていない(包丁は別)。後者にはそうした制限はない。
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前述のように、中華ナイフに眼が向いた私は、中華系通販サイトを検索しまくった。ナイフ類はショップによって驚くほど値段が違うことを知っていたからだ。
最初はコールドスチールを検索しまくっていた。すると結構ヒットする。で、買ってみた訳である。まあ、偽物だろうとは思っていた。
ところが、届いてみると、どうも本物に見える。第一、箱が本物っぽいのである。調べたり考えたりする内に分かって来たのは、OEM(委託)生産の製品の横流しらしいということであった。
これに気がついてからは、けっこう買った。国内での価格の3分の1以下の価格であるから、惜しげがない。品質も正規品とは変わらないようなので喜んでいた。
そうこうする内に、とうとう、ばった物を掴む日が来た。ある中国のメーカーが、大胆にもある有名メーカーの名前をパクっていたのである。ただ、到着が遅れたので、買主保護システムで代金が返還されていた為、被害はなかった。
ところが、この製品が出来が良かったのである。エラく良く出来ている。良く斬れるし、デザインも美しく、作りも丁寧で、フルタング。バランスも申し分ない。そこで、今度はお金を払って、同じものをもう一本買った。
ここで、中華ナイフに対する私の意識は、完全に変わった。現状、中華ナイフはそこそこ安価で、品質は割と良い。そして、厨二病的デザインが多く、中には非常に独創的なナイフもある。
実は、中華ナイフはかなりアツい分野だと思っている。
(了)