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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
赤の書
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先人達の末路

 刹那家に奴隷として召喚されてから二週間。千羽から敬うようにと敬語を強要されてから一週間が経過した。

 千羽のヤツだけがどんどんつけあがって俺を扱き使ってきやがる。俺がいなかったら家がゴミ屋敷になるくせに、どうしてあんなに太々しいんだか。

 しかも他の三人は大して敬語とか強要してこないし。単独で動いてんじゃねぇか?

 それはともかく、スーパーへ買い物に行くのが未だに慣れない。

 今日だってスライムの御手洗さんと遭遇した時には悲鳴を上げてしまったし。

 本体は丸いプヨプヨみたいな感じだけれど、変幻自在だから普段は人の形を保っている。透明感のある優しい表情なので少しは気が抜きやすい……かな。

 たまに他の部位を縮めて腕を伸ばそうとするのは心臓に悪いけれども。

 ただ御手洗さんから世間話感覚で、過去の刹那家奴隷の末路について教えてもらえた。

 御手洗さんが見ただけでも五人はいたけど、みんな主の気に触れたのか三ヶ月もしないうちに見なくなったと。

 どうして魔女はそうまでして奴隷を召喚するんだか。

 俺のぼやきは口に出ていたようで、個々の魔女それぞれだって答えが返ってきた。

 御手洗さんの主は人見知りが激しく、寂しい性格故の話し相手なんだとか。

 奴隷ってペットか何か?

 いや、ペット扱いだったら性別の壁が極端にないのも納得できるかも知れない。

 飼い犬に裸を見られて羞恥に駆られる人間なんて、たぶん稀だろうし……知らんけど。

 けどそうなると、何だろう。魔女全員が奴隷を召喚する文化の意味がわからないな。

 一人の魔女に一人の奴隷が基本的に普通みたいだし。

 もしかすると、まだ教えてもらえていない事もあるのかも知れないな。

 買い物も終わって、刹那家全員で夕食を食べていると子虎が言い出した。

「来週の休日はみんなでボウリング行くから、奴隷くんもがんばろうね」と。

 俺も参加する事が既に、決定事項のようだった。

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