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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
青の書
67/72

深くて濃いドロドロ

 照りつける太陽に汗が止まらない日和が続いている。

 カラっと洗濯物を乾かしてくれる味方であると同時に、身体中から水分を奪う悪魔でもある。

 そんな炎天下で脱水対策を施した俺と亀夜は、今日も燕子と死神の山田さんと一緒にジョギングをする。

 毎回休みの日に付き合わせてしまっているけど、用事とかないんだろうか。とても申し訳なく思ってしまう。

 亀夜も燕子に毎回遭遇しなくてもいいとのことを伝えていたが、どうやら満更でもないようだ。軟弱な山田さんのメンタルを鍛えるのにも丁度いいとかなんとか。

 まぁ、山田さんの方は常に悲鳴を上げているわけだけれども。

 地に足をつけて4人で走るんだけれど、やはりと言うべきか、悲しいかな最初に息が上がってくるのは俺なんだよな。

 もうちょっと体力つけたいところだ。

 まぁ亀夜も山田さんも余裕がないのが救いなんだけれども。ついでに毎回の事なんだけれど、普段浮遊している山田さんが地に足つけて走る姿に違和感を覚えてしまう。

 燕子もそこそこは疲れているみたいだ。休憩地点に着く頃にはほんのりと息が上がっている。

 テイクアウトの軽食を買ってきて、公園で休むゆるやかな一時が恋しい。

 氷が入った冷たいドリンクをガっと喉に流し込んで、温かい食べ物に苦戦する。

 些細な談笑を亀夜や燕子としていると、山田さんがぽつりといいなぁって呟いた。

「あんたも羨ましいなら名前を教えてみなさいよ」

「ディープ・ショコラです」

 あっさりすぎて何が起こったかわからなかった。みんなで呆然としてから山田さんを凝視したし。

 今まで……何十年か知らないけれど、ずっと渋ってたはずなんだよな。

 奴隷棒名の儀って、こんなに簡単でいいのか?

 でもアレか。ようやくスっと言えるタイミングが訪れたって事なんだろうな。この出来事に、俺の楽しいって気持ちが少しでも噛んであったらいいな。

 そして案の定、燕子に怒られてたけれども。

 山田家の主従関係はデコボコだ。けど、案外噛み合っているのかもしれない。

 そう思ったら笑みがこぼれた。亀夜と同じタイミングで。

 うん。いつの間にか気の置けない関係になれている。子虎との関係の目標がここにある。

 にしてもディープ・ショコラかぁ……なんで俺の奴隷仲間はこうも美味しそうな名前をしてるんだか。

 ひょっとして優太も他の世界では美味しそうなお菓子の名前をしているんじゃないか?

 まさかな。

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