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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
黒の書
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気まぐれにゃんにゃん

 まだまだ寒い日が続いていて布団が恋しい日が続いている。

 不意に地球では、今日は猫の日だったなと思い出す。

 完全な語呂合わせで、にゃんにゃんがどうとかって話を朝食時した。

 みんな仕事に出かけて、掃除や洗濯やお買い物をしている内にそんな話をした事なんて忘れていた。

 仕事帰りの千羽から早々に詰められるまでは。

 職場で猫の日について話したら、紫江&紫緒が乗り気になったようだ。

 「余計なことを私に話すんじゃないわよ!」と逆ギレする始末だ。おかげで千羽も一緒ににゃんにゃんしようって、ひたすらせがまれたそうな。

 あの双子は何をやる気になったんだか。

 悲しいかなハロウィンの時に作ったコスプレの中に猫耳カチューシャを始めとする一式セットも作ってあったのでにゃんにゃんは可能なのだろう。知らんけど。

 ってわけで双子を満足させるべく俺は、千羽のホウキに同乗して安藤家へ向かうことに。

 悔しいけれど千羽のホウキが乗っていて一番安定している気がした。ホウキなしで飛べるだけあるな。

 紫江&紫緒とケンタウロスの安藤さんにお出迎えしてもらってお邪魔をする。

 なんっていうか、年頃の女の子みたいなパステルカラーで室内が溢れていた。双子には似合うけれども、安藤さんはちょっとしんどいかも。

 愛想笑いを浮かべていたら、もう慣れたと嘆息気味に答えてくれた。

 紫江&紫緒は早速千羽を捕まえて猫のコスプレを楽しみ出す。

 猫耳にしっぽをつけられて照れてる千羽の姿は中々見応えがあった。ノリノリの双子に左右をガッチリ固められてる姿はいい見世物って感じだ。

 まぁ二人のやんちゃさが千羽一人で留まるはずもなかったんだけどな。俺も安藤さんも猫へ化かされてしまったし。

 ケンタウロスのしっぽに猫のしっぽが増えてなんとも歪な二叉に。

 あー……キメラって罪なんだな。

 猫パ? を楽しんでいる間にふと思った事が。

 紫江&紫緒は幼さを残しているというのに、家に母親の影が見当たらない。

 尋ねてみたら、二人でだけどとっくに自立しているんだと。驚いたものの魔女の世界では常識だって千羽どころか安藤さんからも言われてしまった。

 こんな歳の娘まで親元を離れて自立してるなんて、魔女ってスパルタだ。どう見ても俺より年下なのに……。

 こんな……こんなにゃんにゃんではしゃいでいるというのに。

 俺も千羽も終始振り回されっぱなしだったけど、不思議と楽しかった。

 千羽からこぼれる笑顔が自然体だったからかな。不覚にもかわいく見えちまったのが悔しかった。

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