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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
黒の書
54/55

ゲレンデを滑りて

 布団が恋しく、外に出ると手先足先耳の先が冷たく感じる日が続いている。

 洗濯物を干しても中々乾かず、強風に飛ばされないよう注意しないといけない厄介な季節だ。

 けどもそんな冬ならではの楽しみだって存在する。

 雪山。そう、スキーやスノボーといった滑るスポーツ。

 氷竜と鮎歌と半魚人のクリスタル・Pさんと一緒に雪山へと滑りに行った。

 言うまでもなく初めての体験だ。魔女の世界に来て早一年半は経過しているっていうのに未だに初体験が残っているからおもしろい。

 氷竜が座るホウキの後ろに乗って雪山へ飛ぶ。

 ニット帽にマフラー、手袋をつけているんだけどどうしても寒い。飛ぶって移動手段の弱点だろうな。

 雪山にはたくさんの魔女や奴隷達で賑わっていて、みんなそれぞれ楽しそうに滑っている。ジャンプ台って、あんなに高く飛べるもんなんだな。人間の常識は捨てた方がよさそうだ。

 靴を履き替えてスキー板をセット。まずは安全な転び方をみんなから教えてもらう。

 氷竜や鮎歌は勿論のこと、クリスタル・Pも滑れるのだから申し訳ない気持ちでいっぱいになった。もっとガンガン滑りたいだろうに、時間を割いてもらってしまった。

 謝ってばかりいたら、微笑ましくて新鮮だって笑ってくれた。教えるのが楽しいって言ってくれたのが救いかな。

 鮎歌とクリスタル・Pさんは1時間ほど付き合ってくれてから、傾斜のある高い場所へと滑りに行った。

 多少は滑れるようになってきていたけど、まだまだ傾斜の緩い場所じゃないと不安だ。氷竜がジックリと付き合ってくれたけど、氷竜だってガッと滑りたいだろうな。

 交代で滑りに行くから大丈夫だって微笑んでくれたし、笑みがやわらかくて信頼できたから楽しめてもいた。

 本当に頼もしくて、キレイだった。

 クリスタル・Pさんと交代して、氷竜は鮎歌と一緒に競うように滑り出した。あの楽しそうな表情も当然本心だ。

 不意に、なんとなくやりそうだなって思うことを聞いてみた。

 クリスタル・Pさんをボード代わりに鮎歌が滑るんじゃないかって思ってたと。

 アレは凍結して死にかけたからやらないよ、だって。

 やっぱり、昔やったことがあったんだな。

 鮎歌ともつきっきりで教えてもらった。教えるのが上手で、一番アドバイスがスッと入ってくる感じがした。

 代わる代わる滑り方を教えてもらった結果、結局俺はあまり滑れるようにはなれなかった。

 鮎歌の苦笑いが一番突き刺さったかな。

 けど楽しかったのは間違いないんだよな。最後は俺に合わせてみんなして傾斜の緩いところでソリを滑らせたし。

 久しぶりで新鮮だったとのこと。いつかリベンジしたい。

 何度も転んで、手を差し伸べられて、引かれながら立ち上がる。

 繋いだ手がみんな優しかったから、いつか報いたいな。

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