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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
黒の書
41/55

襲来 燕と死神

 今日は亀夜のご友人が朝から家に来る。日だったんだけど、亀夜が一向に起きてこないからかなり焦った。

 早く起きてきてと願っている間にインターホンが鳴ってしまう。

 応対すると死神の山田さんが玄関前でオドオドしていた。

 そして鋭い声で山田さんの頭をはたく魔女。

 歳は高校生ぐらいか。黄緑色のショートヘアーで前髪をピンで留めている。メガネをかけていて、目尻が吊り上がっている。気が強そうだ。

 山田燕子と自己紹介される。山田さんの主で亀夜の親友。一人称がウチだったのが意外かな。

 山田さんは燕子が俺の名前を知っていて驚いたけれども、亀夜から聞いたと言って反論を潰していた。

 そういえば山田さんにはまだ奴隷棒名の儀を執り行った事を話してなかった。

 亀夜が寝ていると伝えたら起こしにズカズカと上がっていった。

 山田さんとお茶の準備をしながら待っていたんだけど、どうにも手際が悪くて何度か食器を落としていた。全部落下前に拾ったからいいけど、不器用だなって思う。

 一面だけ見るのはよくないけれど、よく奴隷としてやっていけてるな。

 ただあまりのポカのしように燕子が怒鳴り、リビングへと連行された。

 山田さん自身は燕子の言いつけで手伝ってくれていたはずなんだけどな。まぁ、手伝わせない方がいいって判断したんだろうけども。

 代わりに起こされてきた亀夜がお客様をもてなす手伝いを買って出てくれた。

 主に雑用をやらせるわけにはいかないと思ったけれども、やらせてほしいと言われてしまっては引き下がるしかない。

 お茶菓子を用意してリビングへ向かうと、山田さんの首から下が氷漬けにされていた。

 歯をガタガタさせながら助けを求められたんだけど、俺には悲鳴を上げる事しかできなかった。色んな意味で怖いよ。

 驚いてたら燕子に笑われてしまった。落ちる湯飲みを全部キャッチしたくせに些細な事でオドオドしている別人ブリがツボったそうな。

 些細だろうか? 些細じゃないだろうか?

 因みに燕子の属性は氷・水・風と三属性。かなり珍しいらしい。

 みんなでお茶を嗜んでいる中、山田さんだけが氷漬けで震えながら熱いお茶を所望する。

 燕子が容赦なく熱いお茶を飲ませるという、どこぞのおでんネタをガチでやっている状態が出来上がった。確信犯だ。

 俺の世界の話をした際、ビルがいっぱいで空が狭く感じると伝えたらキレられた。

 飛びにくい空に我慢ならないようだ。どうにも風属性持ちは気持ちよく飛びたい傾向になりやすいとか。

 便利だけど不憫な世界って結論をつけられてしまう。

 ついでに髪色が日本人的にほぼ黒一色なのもつまらないと印象付けられた。

 俺的には生まれながらにカラフルなんて、漫画やアニメの世界でしか存在しないからな。

 お昼を食べに出かけると、燕子は辛口が好きな事を知る。付き合わされる山田さんが不憫で仕方なかったけども。

 家に戻ってまったりして、燕子は帰る際に亀夜に呪文書を貸してほしいとお願いをする。

 亀夜が呪文書を探している間に、燕子は俺の部屋に描かれている召喚用の魔方陣を見せてくれとお願いしてきた。ムチャクチャ驚いていたけれども。

 どうにも一般的に使われている魔方陣と比べて、かなりデタラメらしい。ついでに一言。

「優太って、亀夜と相性よくないわね」とスッパリ言い切られてしまった。

 動揺していたら亀夜が合流した。途中から会話を聞いていたみたいだ。

 相性については亀夜も承知の上だったようだ。過去に亀夜と相性いい奴隷がいたらしいけど、代わりに他の三人とは最悪だったみたい。

 そしてそれじゃいけないと、亀夜自身が葬ってきたと。

 だからこそ、刹那家全員の調和を取れる奴隷が必要なのらしい。

 燕子は負けた気分になったみたい。

 それと新しいパジャマを亀夜がプレゼントしてくれた。ピンク色に無数のハート柄をしたかわいいやつ。

 ネグリジェとどっこいどっこいな気がしてならないけども、今日からコレで寝る事になる。

 で燕子が帰る際に奴隷棒名の儀についてお話ししたんだけれども、どうも燕子の方はとうに認めているみたい。

 ただ山田さんに自信がなくて受け止められないんだと。もう暫くかかりそうかな。

 因みに今まで燕子が刹那家へ遊びにこなかった理由だけど、ゴミ屋敷だったって言われて納得しかなかった。

 悲しいかな亀夜にはいまいち理解できなかったようだけれども……

 コレからもキレイにしていこう。うん。

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