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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
赤の書
3/55

キヨの休日

 朝起きて自分の姿を見た瞬間に驚愕してしまった。

 そうだった。俺ネグリジェで寝たんだった。

 魔女の世界ってだけあって、男物の丁度いい服なんて見繕えなかったんだよな。

 ならせめて無難な寝間着を選べばよかったものの、チハネの言い分によって選ばれたのがネグリジェだった。ガチふざけんな。

 次に驚いたのは、四姉妹全員が仕事に努めていた事だ。

 まさかココまで社会人だったとは……

 みんな週休二日なんだけれども、全員休日の曜日がバラバラだった。

 仮に日曜日と定義して、日曜は全員休みが重なっているんだけど、もう一日が完全に散けていた。

 休みの順に並べると、キヨ・チハネ・ココ・ヒリュウになる。

 キヨの朝は遅く、自力で起きるまで放っておいた方がいいようなので朝食には呼ばなかった。

 でコンビニで買ったが如く包装されたおにぎりが朝食に並んでいた訳だが、普通に食べたら食べるのが上手だと褒められた。

 なんでも慣れてない奴隷は、普通は包装を開けるときに飛び散るんだとか。

 いやいやどんだけ不器用だって話だよな。

 朝食を終えて出勤したみんなを見送ってから俺は、ゴミ屋敷の片付けに着手した。

 十時を回ったぐらいの事だ、急に背後から暗い声で挨拶をされて驚いた。

 まぁキヨだったんだけど、気配もなく幽霊のようにひっそりときたもんだからビクついてしまった。

 ンでもってキヨも満更じゃなかった。意外とイタズラ好きだ。

 因みにキヨは俺の事をストレートに奴隷と呼ぶ。

 キッチンを片付けていたんだけれども、キヨの提案によって午後からは庭の手入れをする事に。

 キヨは土と闇の属性に長けていているらしい。庭に手をつける好機なのは間違いない。

 一面緑色した庭のどの部分をいじるのか聞いたら、全部と答えが返ってきた。

 草などひとつも生えていなかったんだと。

 まぁ見るからにどれも雑草だったけども。

 早速キヨに土魔法を発動してもらったわけだけど、地面に手をついただけで何が変化したのかサッパリだった。

 曰く、庭全体の土をやわらかくしたんだとか。

 試しに草を抜いてみたらあっさり抜けたけれども、もっと派手な演出を期待してしまっていた。

 とは言えだいぶやりやすくなったので早速作業を開始した。

 なおキヨは虚空からパラソルとビーチチェアを取り出して優雅に本を読みながら俺を監視していた。

 オマケに作業中、通信魔法で遠距離から会話をする事になったんだけど、俺が住んでいた地球での生活、それも家族について質問されて身体が硬直してしまった。

 あいつらの事は考えたくもない。けど、母さんは心配だった。あそこにいて、俺がいなくなって、無事でいてくれているだろうか。

 話をムリヤリ変えながら草むしりを続け、俺は少しキヨの好みについて知る事ができた。

 夕暮時には草を全て毟り終え、キヨに驚かれた。一日で終わるとは思っていなかったようだ。俺を舐めるなよ。地面はグチャグチャだけれどな。

 ただ今度は俺がキヨに驚かされる。土魔法の一発で庭が真っ平らに整ったからだ。

 作業終わりに、キヨから脅しをかけられる。

 チハネやヒリュウ、そしてココを傷つけるような事をしたら殺す、と。

 身体の芯が凍るほどの殺意と凄み、そして想いが込められた黒の視線に貫かれる。

 怖い、そして羨ましい。家族を想えるんだから。

 仕事から帰ってきたみんなから庭について褒めてもらったんだけど、胸の内が温かくなるような充実感が感じられた。

 今まで感じた事がなかったコレは、一体何なんだろうか。

 不思議に感じていると、家の中に戻る前にキヨがぽつりと言った。

 ココとは一番長い……と。

 どういう意味だろうか。

 とにかく今日庭を整えられたので、明日こそキッチンに手をつけよう。そしてみんなの好みを聞き出して、みんなの新しい服を制作しよう。

 朝起きて自分の姿を見た瞬間に驚愕してしまった。

 そうだった。俺ネグリジェで寝たんだった。

 魔女の世界ってだけあって、男物の丁度いい服なんて見繕えなかったんだよな。

 ならせめて無難な寝間着を選べばよかったものの、チハネの言い分によって選ばれたのがネグリジェだった。ガチふざけんな。

 次に驚いたのは、四姉妹全員が仕事に努めていた事だ。

 まさかココまで社会人だったとは……

 みんな週休二日なんだけれども、全員休日の曜日がバラバラだった。

 仮に日曜日と定義して、日曜は全員休みが重なっているんだけど、もう一日が完全に散けていた。

 休みの順に並べると、キヨ・チハネ・ココ・ヒリュウになる。

 キヨの朝は遅く、自力で起きるまで放っておいた方がいいようなので朝食には呼ばなかった。

 でコンビニで買ったが如く包装されたおにぎりが朝食に並んでいた訳だが、普通に食べたら食べるのが上手だと褒められた。

 なんでも慣れてない奴隷は、普通は包装を開けるときに飛び散るんだとか。

 いやいやどんだけ不器用だって話だよな。

 朝食を終えて出勤したみんなを見送ってから俺は、ゴミ屋敷の片付けに着手した。

 十時を回ったぐらいの事だ、急に背後から暗い声で挨拶をされて驚いた。

 まぁキヨだったんだけど、気配もなく幽霊のようにひっそりときたもんだからビクついてしまった。

 ンでもってキヨも満更じゃなかった。意外とイタズラ好きだ。

 因みにキヨは俺の事をストレートに奴隷と呼ぶ。

 キッチンを片付けていたんだけれども、キヨの提案によって午後からは庭の手入れをする事に。

 キヨは土と闇の属性に長けていているらしい。庭に手をつける好機なのは間違いない。

 一面緑色した庭のどの部分をいじるのか聞いたら、全部と答えが返ってきた。

 草などひとつも生えていなかったんだと。

 まぁ見るからにどれも雑草だったけども。

 早速キヨに土魔法を発動してもらったわけだけど、地面に手をついただけで何が変化したのかサッパリだった。

 曰く、庭全体の土をやわらかくしたんだとか。

 試しに草を抜いてみたらあっさり抜けたけれども、もっと派手な演出を期待してしまっていた。

 とは言えだいぶやりやすくなったので早速作業を開始した。

 なおキヨは虚空からパラソルとビーチチェアを取り出して優雅に本を読みながら俺を監視していた。

 オマケに作業中、通信魔法で遠距離から会話をする事になったんだけど、俺が住んでいた地球での生活、それも家族について質問されて身体が硬直してしまった。

 あいつらの事は考えたくもない。けど、母さんは心配だった。あそこにいて、俺がいなくなって、無事でいてくれているだろうか。

 話をムリヤリ変えながら草むしりを続け、俺は少しキヨの好みについて知る事ができた。

 夕暮時には草を全て毟り終え、キヨに驚かれた。一日で終わるとは思っていなかったようだ。俺を舐めるなよ。地面はグチャグチャだけれどな。

 ただ今度は俺がキヨに驚かされる。土魔法の一発で庭が真っ平らに整ったからだ。

 作業終わりに、キヨから脅しをかけられる。

 チハネやヒリュウ、そしてココを傷つけるような事をしたら殺す、と。

 身体の芯が凍るほどの殺意と凄み、そして想いが込められた黒の視線に貫かれる。

 怖い、そして羨ましい。家族を想えるんだから。

 仕事から帰ってきたみんなから庭について褒めてもらったんだけど、胸の内が温かくなるような充実感が感じられた。

 今まで感じた事がなかったコレは、一体何なんだろうか。

 不思議に感じていると、家の中に戻る前にキヨがぽつりと言った。

 ココとは一番長い……と。

 どういう意味だろうか。

 とにかく今日庭を整えられたので、明日こそキッチンに手をつけよう。そしてみんなの好みを聞き出して、みんなの新しい服を制作しよう。

 朝起きて自分の姿を見た瞬間に驚愕してしまった。

 そうだった。俺ネグリジェで寝たんだった。

 魔女の世界ってだけあって、男物の丁度いい服なんて見繕えなかったんだよな。

 ならせめて無難な寝間着を選べばよかったものの、チハネの言い分によって選ばれたのがネグリジェだった。ガチふざけんな。

 次に驚いたのは、四姉妹全員が仕事に努めていた事だ。

 まさかココまで社会人だったとは……

 みんな週休二日なんだけれども、全員休日の曜日がバラバラだった。

 仮に日曜日と定義して、日曜は全員休みが重なっているんだけど、もう一日が完全に散けていた。

 休みの順に並べると、キヨ・チハネ・ココ・ヒリュウになる。

 キヨの朝は遅く、自力で起きるまで放っておいた方がいいようなので朝食には呼ばなかった。

 でコンビニで買ったが如く包装されたおにぎりが朝食に並んでいた訳だが、普通に食べたら食べるのが上手だと褒められた。

 なんでも慣れてない奴隷は、普通は包装を開けるときに飛び散るんだとか。

 いやいやどんだけ不器用だって話だよな。

 朝食を終えて出勤したみんなを見送ってから俺は、ゴミ屋敷の片付けに着手した。

 十時を回ったぐらいの事だ、急に背後から暗い声で挨拶をされて驚いた。

 まぁキヨだったんだけど、気配もなく幽霊のようにひっそりときたもんだからビクついてしまった。

 ンでもってキヨも満更じゃなかった。意外とイタズラ好きだ。

 因みにキヨは俺の事をストレートに奴隷と呼ぶ。

 キッチンを片付けていたんだけれども、キヨの提案によって午後からは庭の手入れをする事に。

 キヨは土と闇の属性に長けていているらしい。庭に手をつける好機なのは間違いない。

 一面緑色した庭のどの部分をいじるのか聞いたら、全部と答えが返ってきた。

 草などひとつも生えていなかったんだと。

 まぁ見るからにどれも雑草だったけども。

 早速キヨに土魔法を発動してもらったわけだけど、地面に手をついただけで何が変化したのかサッパリだった。

 曰く、庭全体の土をやわらかくしたんだとか。

 試しに草を抜いてみたらあっさり抜けたけれども、もっと派手な演出を期待してしまっていた。

 とは言えだいぶやりやすくなったので早速作業を開始した。

 なおキヨは虚空からパラソルとビーチチェアを取り出して優雅に本を読みながら俺を監視していた。

 オマケに作業中、通信魔法で遠距離から会話をする事になったんだけど、俺が住んでいた地球での生活、それも家族について質問されて身体が硬直してしまった。

 あいつらの事は考えたくもない。けど、母さんは心配だった。あそこにいて、俺がいなくなって、無事でいてくれているだろうか。

 話をムリヤリ変えながら草むしりを続け、俺は少しキヨの好みについて知る事ができた。

 夕暮時には草を全て毟り終え、キヨに驚かれた。一日で終わるとは思っていなかったようだ。俺を舐めるなよ。地面はグチャグチャだけれどな。

 ただ今度は俺がキヨに驚かされる。土魔法の一発で庭が真っ平らに整ったからだ。

 作業終わりに、キヨから脅しをかけられる。

 チハネやヒリュウ、そしてココを傷つけるような事をしたら殺す、と。

 身体の芯が凍るほどの殺意と凄み、そして想いが込められた黒の視線に貫かれる。

 怖い、そして羨ましい。家族を想えるんだから。

 仕事から帰ってきたみんなから庭について褒めてもらったんだけど、胸の内が温かくなるような充実感が感じられた。

 今まで感じた事がなかったコレは、一体何なんだろうか。

 不思議に感じていると、家の中に戻る前にキヨがぽつりと言った。

 ココとは一番長い……と。

 どういう意味だろうか。

 とにかく今日庭を整えられたので、明日こそキッチンに手をつけよう。そしてみんなの好みを聞き出して、みんなの新しい服を制作しよう。

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