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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
赤の書
24/55

長髪の理由

 今日は氷竜の休日で特に予定もなく家にいたんだけど、ふと後ろ髪を見るとウェーブのかかったキレイな髪が傷んでいる事に気づいた。

 子虎とこの前ケンカした時に何度も雷撃を浴びていたのが原因だろう。いやまぁ、髪が傷む程度で済んでいるのもどうかと思うけれど。

 指摘をして、美容院で髪を整える事を提案したん。

 大したことないと乗り気ではない様子。

 ならば俺が毎日トリートメントをして髪艶を整えるのはどうか。ほんの一ヶ月程度だったら問題ないと思ったが、俺の事を気遣われて却下される。

 しかし気付いたからにはどうしても気になってしまう。

 奥の手として俺がカットして髪を整える方向に話を進める。

 氷竜もようやく心変わりしたようで、委ねてくれた。

 なぜか家にあった新品の散髪用ハサミを手に、バランスを考えながら毛先を整えていく。

 昔の忌々しい記憶が、ハサミの使い方を忘れさせてくれない。

 けれども……今、役に立っている。

 氷竜からのグチを聞きながら、傷んだ部分を見つけては切っていく。

 結果、整いはしたものの、腰辺りまで延びていたロングヘアーは胸辺りまでバッサリと短くなってしまっていた。

 途中で夢中になって気づけなかったのが致命的な状況を生み出していた。

 ヘアスタイルが変わってしまうとあっては、さすがの氷竜も怒り出すのでは。命を失う覚悟だってしたぐらいだ。

 けどもあっけらかんと、バランスが整っている事を褒められてしまった。

 長髪に拘りがあるわけじゃないのか聞くと、髪を切るのが面倒だった、と。

 聞いてて涙が出そうになったね。魔女としてそれはいいのか、と。

 挙げ句の果てに頭が軽くなった事で機嫌がよくなる始末。

 なぜが俺が情けなくなってしまった。美容という言葉が息してない。

 取り返しのつかないミスをこうもぞんざいに扱われるのもいかがなものだろうか。

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