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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
赤の書
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赤風と白雷

 暫く雨の日が続いていたけど、ようやく晴れてくれた。

 陽射しが眩しい。湿気が気になるけど溜まった洗濯物を一掃するには今しかない。

 ただ溜まっていたものは洗濯物ばかりじゃなくて、鬱憤も相当溜まっていたようだ。

 千羽と子虎がケンカを始めてしまった。魔法込みで。

 洗い物をしている間、どうも騒がしいなと思って庭に出てみたら二人が対峙してたんだよな。

 亀夜と氷竜は玄関付近で見学していて、ついでにお隣の里絵さんと小池さんも塀の向こうから覗いてきていた。

 止めなくていいのか亀夜と氷竜に聞くと、あの二人はよくケンカをするからほっといても大丈夫だとか。

 ついでにどちらが勝つか賭けをする始末。

 よっぽど些細なケンカなのだろうか。けど見学に賭けまでするとなると、本当に些細なのか疑問が生じてくる。

 でいざ始まってみると、千羽は鋭い風の刃を無数に出して子虎に攻撃。服のなびきようから相当な強風だし、地面の抉れ方が異常だ。

 料理に応用したら、キュウリごとまな板も切れてしまいそうな切れ味だ。

 子虎は腰を低く落としながら、ピリピリと電流を身体中に流して待ち受ける。

 千羽が身体に炎を纏いながら飛翔して子虎へ急接近。

 しかし子虎の反射神経はズバ抜けていて、迫り来る火炎を回避しつつ雷撃を千羽へと浴びせた。

 俺だったら一発食らっただけで致命傷だ。

 慌てて亀夜に本当に大丈夫なのか効いたら、魔女は俺より千倍は丈夫だから平気だと返ってきた。

 魔女がタフすぎるのか、はたまた俺が貧弱すぎるのか……

 状況は子虎の方が優勢に感じられる。身体能力がズバ抜けているだけじゃなく、雷の魔法も相まっている。加えて目眩ましに放つ光の魔法が千羽の行動を阻害する。

 防戦一方に見えた千羽だけど、破れかぶれに放った風魔法が子虎の鳩尾に直撃して一気に片が付いた。

 ケンカに勝った千羽はご機嫌になって、俺におやつの準備を頼んできた。

 庭で倒れている子虎に気をかけると、思ったよりなんともない様子。寧ろ久々に身体を思いっきり動かせてスッキリした感じだ。

 こんな大魔法合戦が魔女の日常茶飯事だなんて、奴隷達が戦々恐々とするわけだ。

 ケンカが終わった後はすっかり仲直りしていて、楽しいティータイムだった。

 やっぱり家族って仲がいいのが一番だな……ホントに……

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