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Missing Never End  作者: 白田侑季
第9部 貪狼
125/126

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 青年の背中が遠ざかっていく。


 その背中を見ている。


 「うまくいかなかったなぁ」。


 そう思う。


 突然、ポケットの中のスマホが震える。画面には送信者の名前、『御母さん』の文字が踊る。


 「思わず笑みを浮かべる」。そうして歩き出す。御母さんの元へ向かおうと歩みを進める。


 彼女は今日もあの家にいるだろう。わたしを待っているだろう。「だから行こう」。わたしに出来ることをしよう。


 変わらない空の下。変わらない景色の中。変わらない蝉時雨を横目に、変わらないアスファルトを踏みしめて、変わらない彼女の元へ。


 そのとき、ポケットの中のスマホがもう一度震える。画面には送信者の名前、『トウマ君』の文字。


 「思わず笑みを浮かべる」。そうして踵を返す。彼の元へ向かおうと歩みを進める。


 彼は今日もあの部屋にいるだろう。わたしを待っているだろう。だから、行こう。わたしに出来ることをしよう。そしてそれは、きっと『唄川メグ』の為になるだろう。


 バーチャルシンガーとは違う、「わたし」とも違う、思いがけない選択をする、あの子の為に。


 思わず笑みがこぼれる。




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