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岸サヤカはツンデレのつもりでいる  作者: 夢乃間
聖恋島
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隠された真実

ようやくネット環境が戻りました!長らくお待たせして申し訳ございません。

完結まであと少しですので、引き続きお楽しみください。

島から一旦出た私達は家に戻ったが、私にはアサに聞きたい事があった。平然と家の中に入ろうとしていたアサを引き留め、家から少し離れた場所に連れ出した。サヤカは家の中で聖恋島についての情報をノートにまとめているから、話すなら今が丁度いい。これはまだ私の考えであって、確かな証拠が何一つ存在しない為、余計なツッコミを入れられるわけにはいなかないんだ。


「それで、話ってのは?」


「・・・お前、何を企んでいる。」


「企んでなんていないさ。ただ僕は、サヤカの為に協力してるだけだ。」


「そこがおかしいんだよ。お前、初めてサヤカを見た時、名前を口にしたよな。この島から出た事が無いお前が、外の世界で生きてきたサヤカの事を知っているだなんてあり得ない話だ。」


「そんな事知って何になる。」


「・・・まだ、サヤカにも話していない事だが・・・私は、予知夢を見る事があるんだ。ルーさんに祓ってもらったから、もう見る事は無いと思ってたけどね。それで夢の内容だが、サヤカが人魚になって、海の中に消えていく夢だった。」


「・・・。」


アサは無表情を貫いているが、開いていた手の指がピクリと動いたのを私は見逃さなかった。


「最初はただの悪夢だと思ってたけど、どうも悪夢にしては現実味があってね。そうしてこの島に来てみれば、ここには人魚の伝説がある。そして私と同じ姿をした奴もいて、サヤカの事を知っていた。偶然にしては、ね?」


「・・・何が言いたい。」


「これは私の勝手な推察だけど、あの夢は未来を予知した夢じゃなくて、過去の光景なんだと思う。」


「・・・だから?」


そう言われると返しづらい。正直あの夢が意味する事や、人魚の祝福や呪いがどういったものなのか分からない。人魚についてはアサが詳しいと思うし、聞き出せたら夢の意味が分かるかもしれないが、私はアサに嫌われている。姿も性格も同じだから分かるが、嫌いな相手には何も教えてあげたくないのが私だ。

だからといって諦める気は無い。それに私にしか効かないとっておきの策も考えてある。


「お前にも、サヤカがいたんじゃないか?」


「っ!?」


流石は私、サヤカの話題には顕著に反応する。そして反応から察するに、私の予想は当たっているようだ。私が見たあの夢。夢には人魚となったサヤカが海の中に消えていき、私の体はその場から動く事が出来なかった。

これって実はアサが見た光景だったんじゃないか? 私の同一人物であるアサがいるように、この島には過去にサヤカと同一人物の存在がいた。でも何かの理由があって、アサともう一人のサヤカは離れ離れになってしまった、というのが私の推察だ。


「当たってるか?」


「・・・どうだかな。」


「なぁ、ぶっちゃけて言うとお前は私なんだから嘘は見抜かれてんだよ。変に隠したりせず、何があったのかを教えてくれないか?」


「お前に言ったところで何になる!」


「って事は、やっぱり当たってたか。」


「ぐっ!?・・・そうさ。僕にもお前のように・・・サヤカがいたんだ。でも島の連中に人魚として祀られて、半ば強引に人魚の祝福を与えられたんだ。」


「その人魚の祝福や呪いの正体は何なんだ?」 


「・・・意外に察しが良いな。それとも直感か?」


「両方だ。島の中にある黄金の果実や人魚を崇拝する暗がりの池。どっちも呪いが関連してある物で、肝心の祝福が何なのかを見ていない。それでふと思ったんだ。祝福や呪いなんて言葉は嘘っぱちで、ただのカルト集団の儀式なのかもなって。」


もちろん、私達がまだ見ていない場所もあるだろう。でも、アサが私達に見せようとしてくれたのは人魚の祝福と呪いだ。なのに、案内してくれた場所はどれも呪いに関する場所ばかりで、祝福に関連する場所を教えてくれなかった。

それで私は、元々祝福なんてものは無く、人が人魚になるのも呪いの一種だと考えた。


「・・・はぁ・・・お前、本当に僕と似ているんだな。」


「何だよいきなり・・・ま、私だって考える時もあるし、的を得た事だってたまには言うさ。」


「違う・・・調子に乗って油断し過ぎる所だ。」


「は?―――ぐぁっ!?」


突如として、後頭部に強い衝撃が走り、痛みを感じる前に感覚が遠ざかっていった。視界は歪んでいき、真っ直ぐ立つ事すら難しくなり、私の体は地面に崩れていった。


「悪いな・・・長年待ち望んでいたサヤカを救うチャンスなんだ。お前達を利用させてもらう。」


「て・・・てめ・・・ぇ・・・!」


見下ろすアサに手を伸ばすがその手は届かず、誰かに足を引っ張られているのか、どんどんアサから離れていく。


「嫌っ!離してよ!!!」


途絶えかけている意識の中、サヤカの叫び声が聞こえた。視界を声が聞こえた方に移すと、サヤカは全身白塗りの人間達に捕まっていた。


「サ・・・ヤカ・・・。」


「っ!? アキ!!!」


その声を最後に、また私の頭に強い衝撃が走り、私の意識は完全に途切れてしまった。

岸サヤカ

・パソコンなどの光を発する電子機器を使用する際は眼鏡を掛ける。


黒澤アキ

・変に察しが良すぎる時があり、そういう時は決まって痛い目に遭う。


アサ (アキ)

・過去にサヤカを失っており、もう一度取り戻す為に長い時の中で待ち続けた。

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