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岸サヤカはツンデレのつもりでいる  作者: 夢乃間
聖恋島
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人魚信仰

サヤカの自由研究の題材である人魚の呪いと祝福について調べる為、アサの案内の下、島の中を探索している。ちなみにアサとは、私じゃない私の呼び名だ。容姿も名前も同じな為、サヤカが区別する為に付けた名前だ。てっきり、断るのかと思っていたが、アサはすんなりとその名前を受け入れた。やっぱりこいつ、サヤカにだけ甘いな。


「ほんとに暗いわね。懐中電灯じゃ全然足りないわ。」


「ここは周りの木々で陽の光が遮られてるんだ。でも悪い事ばかりじゃない。雨で濡れる事は無いし、強い風が吹いてもうるさいだけだしね。」


「そういやーさ、ここには虫や鳥の姿が無いよな。」


「・・・。」


「虫とかいないの?」


「いないよ。」


「おい!あからさまに無視すんなよ!」


「あ? 悪い悪い、気付かなかったわお前の事。」


こいつ・・・! 駄目だ、ここでキレたら奴の思うつぼだ。恐らくアサの狙いは私に対するサヤカの好感度を低くさせる事だろう。それでその隙にサヤカを自分の物にしようと企んでる。そうに違いない。てめぇには絶対にサヤカは渡さんぞ!


「アキ、あんた何で眉間にシワ寄せてんのよ。」


「べ、別に、なんでもないよー・・・!」


「・・・ふっ。」


「あ、てめぇ!鼻で笑いやがったな!」


「笑って何が悪い。大体お前は熱くなり過ぎだ。もっと落ち着いてみたらどうだ。」


「はぁ・・・あんたらさ、もう少し仲良く出来ないの?」


「「なんでこんな奴と仲良くしなきゃ駄目なんだ!こんなクソ野郎に!って誰がクソ野郎だ!」」


「はぁ。仲が悪いんだか、良いんだか。」


結局、この後も小さな事で私とアサは言い争いになり、その度にサヤカは呆れたようにため息を吐いた。

サヤカが呆れるのも分かる。私だって出来る事なら仲良くしたいさ。同じ姿をしてるし、正確だって瓜二つ。

でも、だからこそ駄目なんだ。私は自分の事が嫌い。多分コイツも同じなんだろう。だからお互い、言われた言葉や態度の一つ一つに腹が立って、思わず声を荒げてしまうんだ。


「・・・着いたぞ。」


「わぁ・・・あれが、黄金の果実・・・!」


辿り着いたのは私が足を滑らせて転がっていった先、黄金の果実が実っている小さな木がある場所だ。

サヤカは懐中電灯で果実を照らしながら近付いていき、果実の形を隅々まで舐め回すように眺めている。


「これ、中の実が光ってるのかしら? それとも、皮の方が光ってるの?」


サヤカは握っている懐中電灯で果実をつついた。その瞬間、サヤカだけでなく私の体に、まるで水の中にいるような冷たくて圧迫感のある感覚が流れていった。


「いっ!? 何、今の・・・?」


「一瞬海の中にいると思った・・・あの果実をつついた瞬間、だったよな?」


「う、うん。ねぇアサ?アサは知ってたの?こういう現象が起きる事を。」


「いや、極力触れる事を避けてきたから知らなかった。ただ、その果実からは美しさだけじゃなく、何かとても危うい思いさえ浮かんでしまう。」


「確かに、さっきの感覚を体験した後だと、これ以上触りたくも見たくもないと思っちゃったわ。」


「とりあえず、この果実から離れないか? このままここにいたら、なんか良くない気がする。」


「そうね・・・よし、記録出来た!それじゃあアサ、他に人魚について知る事が出来る物や場所はあるかしら?」


「案内するよ、ついてきて。」





「ここだ。」


次に案内された場所は、円状に開けた場所。その中央には穴があり、穴には水が満ちている。そしてその穴を囲むように、数字の4に似た形を形成した木の枝が刺さっていた。


「さっきとは違って薄暗いね・・・穴の周囲にある木の枝で作られたマークも不気味だし。」


「数字の4みたいな形だな。」


「あのマークはシンボルだ。人魚信仰の。初めて人魚の呪いを見た大人達が呪いを恐れて作ったんだ。」


「恐れていたのに信仰していたの?」


「恐れていたからだ。信仰する事で僕達は従順な信者だと思わせたかったんだろう。でも昨日言った通り、呪われた人物は人魚信仰を広めようとする。その所為で徐々に信仰する人が増えて、最終的に僕と一人の女の子以外の人が信仰していた。」


「その女の子はどこにいるんだ?」


「・・・悪いが、それは言えないな。」


流石に聞き出す事は無理だったか。だが反応を見る限り、その女の子は悲惨な末路を辿ったんだろう。この事については、もう話さない方がいいな。


「この水って海水なの?」


「さぁね。気にした事がなかったよ。この水は別に人魚と関係がある訳じゃないしね。」


「え? じゃあ、何でここで信仰されてたの?」


「場所がそれっぽいからだろうな。形だけの場所だけど、彼らにとっては必要な場所だったんだろう。」


「ふーん・・・よし、記録っと。ねぇ一旦さ、外に出ない? 暗い場所にいすぎると、目がおかしくなっちゃうし。」


「そうなのか?・・・あー、まぁ確かに僕の髪は長い間ここにいた所為で白くなったし、そうなのかもね。それじゃあ外に出ようか。」


髪の色が白くなる程って、じゃあ普段は外に出なかったのか? それにまだ二つの場所しか見てないからなんとも言えないけど、こんな場所に一人でいて、その・・・死にたくならないんだろうか?

サヤカはこの島や人魚信仰の事に熱心になっているが、私はそれよりもアサについて興味が湧き始めてきた。この島や信仰と同じ、もしくはそれ以上に、コイツは謎に包まれている。

それにあれだけ人魚について調べられる事を嫌がっていたのに協力的だし、でも自分の事やアサと同じく信仰していなかった女の子について語ってくれない。

もしかしてアサは、私とサヤカを利用しているのか? いや、そう判断するにはまだ早すぎる。

今はまだ、様子を見よう。

岸サヤカ

・虫を触る事が出来ないが、何か目的がある場合は平気で掴む事が出来る。


黒澤アキ

・夏休みの宿題の存在を忘れている。


アサ (アキ)

・白髪の髪は元々黒かった。長い間暗闇に居た所為で、髪の色が落ちていき、今の真っ白な髪になった。


【追記】

現在ネット環境に異常が続いている為、パソコンでの投稿が出来ずにいます。

直り次第投稿しますが、いつになるかは不明です。


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