表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
岸サヤカはツンデレのつもりでいる  作者: 夢乃間
三章 特別な存在(岸サヤカ視点)
49/81

黒澤アキは唐突に

岸サヤカ編です。過去の回想が予定で3話程あります。もしかしたら伸びるかも・・・。

私が10歳の頃、日本に引っ越ししてきた暑い夏の日。長い間日本に憧れを抱いていた両親に半ば強制的に連れてこられた私は不機嫌だった。母国よりも暑くてジメジメとして、母国よりも小さな建物、母国よりもハッキリとしない日本人の態度・・・全てが気に入らなかった。

それでも、そんな酷い場所に連れてきてくれた両親と過ごすのはやっぱり幸せだ。いつも仕事ばかりで私の事なんて考えてはくれていないと思う時があるけど、一緒にいて見せてくれる笑い顔や怒ったフリをして私と遊んでくれるのを見て、ちゃんと私の事を見ているんだと安心できる。


日本に来てから1週間過ぎた頃。両親は隣に住む家族を家に呼んだ。外人を見るのは初めてなんだろうか、玄関に立っていた時から周囲を見渡すかのように目を泳がせ、手を首に当てたりして明らかに緊張していた。


「ハハハ!そう緊張しないでください!あ、こっちが私達の娘のレヴィ・ゴールスタイン。でも日本にいる間だけは、岸サヤカという名前で読んであげてください!」


「はぁ・・・えっと、日本にいる間?それって何か理由が~?」


「郷に入っては郷に従え!私が最初に学んだ日本の言葉!その言葉に従って、私達の名前も日本人っぽくしてみました!」


「ちなみに私は岸ノリコ!旦那は岸タカフミです!」


正直、凄く恥ずかしかった。よく初対面の相手に恥ずかし気もなくこういった事が出来るものだと感心もした。


「あはは・・・タカフミさん、面白い人ですね。申し遅れました、僕の名前は黒澤悟。こっちが妻の黒澤明子。あ、そうだ!僕達の家にも娘がいるんです!丁度サヤカちゃんと同い年だと思いますよ!」


「オー!それは何ともラッキーな事ですね!・・・それで、その子は?」


父が彼らの娘の姿を探すようにキョロキョロと見渡していると、玄関の扉が開いて、そこから私と同い年くらいの男の子が入ってきた。誰、こいつ・・・この人達の子供は女の子のはずなんだよね?


「あ、アキ!どこ行ってたんだ!」


ん?


「ごめんごめん。近所のガキ共がまた猫をイジメてたから、一発ぶん殴ってきた。」


まさか・・・。


「はぁ・・・正義感があるのはお父さん嬉しいけど、女の子が簡単に男の子を殴り倒すのは相手の子が可哀そうだから、今度は張り倒すようにしなさい。」


「え?う、うん・・・今度相撲でも見てみるか・・・。」


「あ、すみません!人様の家で説教だなんて・・・改めて、この子が僕達の娘の、黒澤アキです。」


「よろしく!」


こいつが女---!?いや、どう見ても男の格好で、男みたいな短い髪で、男みたいな口調で・・・女の子!?


「オー、ボーイッシュ!なんて元気一杯な子供なんでしょうか!まるであっちで読んでいた漫画のキャラクターみたいですね!」


「あはは・・・女の子らしく成長させようと努力はしてるんですが、昔から女の子の格好を嫌がる子でして。幸いな事は、僕や俺と言わない事ですね。」


「私だって女のつもりだよ、父さん・・・ん?」


やば、目が合った!?


「・・・可愛い。」


「「「「え?」」」」


あの子の発言でみんなが固まっていると、あいつは私に近付いてきた。凄く真剣な表情で、手は硬く握りしめられている。

私、殴られるの?や、やってやろうじゃないの!こっちだってパパと一緒にカンフー映画を観たのよ!


「・・・君、名前は?」


「・・・レヴィ・ゴールスタイン・・・一応、こっちにいる間は、岸サヤカよ・・・。」


「岸、サヤカ・・・決めた!」


「ッ!?」


「サヤカ!私と友達になろう!そして今すぐ遊びに行くぞ!」


「・・・はぇ?」


「はい!?そうかそうか!サヤカも私と遊びたいのか!よし、善は急げ!行くぞー!」


「はぇぇぇぇ!?!」


退屈で何もかもが気に入らなかった日本での生活。そんな中、黒澤アキという馬鹿で真っ直ぐな子と出会った事で、日本での退屈な日常が一変したんだ。

黒澤アキ

・この世で一番可愛い生き物は猫だと思っていたが、サヤカとの出会いで、サヤカが一番の可愛い生き物に変わった。


岸サヤカ

・日本での生活を楽しみにしていた両親よりも日本語を憶えるのが早かった。その為、両親がたまに間違った日本語を使うと、とても恥ずかしくなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ