知ってる顔
おはよう
エンを俺の女宣言したあと『俺は?』と耳に聞こえる。音の発信源を見れば、ヤーと目が合った。
「ヤーは裸の付き合いがある、俺の親友だぜ!」
まかしておけ!そんな感じで余裕の笑顔を向けると、やはりと言うべきか次は話の中に出てきて無い2人が『私は!?』と聞いてくるのだ。
"はん!仕方のない奴等め"的な目を向けて考えていた時だ
「セバルト王子。このアルって奴を八つ裂きにすれば、再び人間が支配する世になるんだろ?だったら、今殺してあんたの権力で欲しがっているエルフを手中にすればいいだろ?」
「コレだから異世界人は。バカめ。何度も言っているが、サンシャイン家の長女であるヒカルには全てのスキルとステータス数値や称号を見通す力があるのだ。
3歳の王城での謁見で、この俺のステータスを見たあと2年後の御披露目の時に、目の前のカビ臭い田舎ヤツに心がわりをしている。
……ということは、コイツは私以上に特出しているスキルを持っているはずなんだ!だが、なにも噂になって無いのだ。我が父が少し言っていた記憶がある。アノ家に可愛い小動物が居てな、名を……?何度聞いても"忘れた"と言っていた父上の情けない事。ククク、だが!もうすぐで我の手になるのだ!」
目の前のヤツは特に面白く無いのに"クハハハ"と目がハイテンションとなっていた。
「ま、あんたに恨みは無いが全力で潰して……。もしやお前はスキル創造を持ってはいないか?」
普通なら言わないけど俺には安心なイケイケのサポートがあるから大丈夫。
「ああ、あるぜ。」
「成る程、あの爺さんが言っていた事は本当だったのか。(俺が創造のスキルが欲しいと言った時、世界に1人のみという規則というのは本当だったようだな。)
因みにどんなスキルを所持しているんだ?……まさか銃器や果ては戦闘機を作るスキルとか持って無いよな。」
ここも、言った所で問題点は無いのだ。だからスラスラと話し出す。
「持って無いよ。あるのは、ツボ押し、怪獣、絶対無……。あ、」
怪獣と言ったら、怪獣と成ってしまったが直ぐにポンッと元の姿に戻ったんだ。
そして、何を聞かれるのかと待ち構えていたのだけど相手側がナニカを言おうとした時には既に
「驚いたぜ!アレは、たしか……アレ?百貨店とかで一体五千円以内で打っているソフビの人形で……アレ?」
この後も『名は……名は?』と言っていると、3人の内の1人が『それよりもだ!』と切り返してくるのだった。
「それよりも、その女のスキルが戦闘スキルでは無いのだしソコの髪が白い班長も戦闘系に特化したスキルを所持してないのは確認をしていただろ?だったら、こんな女の前でウロウロするより我等は隠れて出番を待つべきだろう。」
この言葉で俺のスキル怪獣は、百万光年は遠退いただろうな。その後『そだな』と言うと『俺達は向こうの控室へ行くぜ』と言い歩きだした。
「まて。私も行くぞ」
スッと優雅に手を伸ばすは、セバルト王子という見たことの無いヤツであった。
〈寄ってらっしゃい見てらっしゃい!今この時期にしか見ない奴等の卸売りだい!でな、……ということでな見つけました。この商品の名はズバリ!"認知度MAX化"ですね。コレを知らない人に当てる事で……〉
ああ言ってから3人には待たせており、俺の目の前のセバルト王子という奴は、律儀に貴族の挨拶を優雅にしてみせている。
だが!スキちゃんの話は終わらない。
〈……皆が知ってる顔と成るのです!御安心を。創造で改変したスキルは、この世のスキルでは無い為スキル強奪ができません。では、まずは試し打ちをしましょう!
さあ!貴方も一緒に。知らなければ知ってる人に成れい!〉
そうして、去り行くセバルト王子の後頭部がシュインと粋な音を発すると変化をしてみせた。
と同時に俺はドクンと心臓が高鳴り出したのだ!
「(アレは!?もしや!)殿下!」
「なんだ?何か用か」
「(やはりアレは、俺の好きな怪獣の宿敵……といっても雑魚だけど。メイン主役をやっていた金剛たけしという一応青年で通っている、ゴツゴツした顔が特徴で腹筋バキバキに割れているオッサンだぁ。
しかも、ヒロインと科学者の女性とでイチャコラしているのに、エッチなシーンは全然無く"今日も楽しかったね"と、そんな感じで終わらせていたな。ああ、懐かしい)
正々堂々と参ります。」
『フンッ』と言う、金剛たけしは見たこと無い顔をして去って行ったのだった。
〈あー。もう少し近ければ、見たことのある金剛たけしの"フンッ"を追加出来たんですが……残念です。〉
まだ発動していたのには驚きだが、もう慣れたからそれほどビックリはしてない。
言うなれば、転生前に母ちゃんが何時もの晩御飯よりも豪勢なレパートリーだったとしても、ソコは驚かず"今日は百貨店行ったの?"と聞けば良いだけだからな。
そうして
「ねぇ?アル様。アレ何?」
「アレは金剛たけしだよ。良い男だろ。優しそうで」
「……(何故かは分からないけど、あの王子は確かにセバルト王子なんだけど顔が!というか歳が!?変化し過ぎじゃないの。それと、どういうワケか顔が変化したのに妙に私の心が落ち着いていて変な感じだわ。まるで私の叔父を見ている感じだわ。)金剛たけしでは無いわ。
アレは、セバルト・ニュートラル・ジ・ゴーブラスという王子で、転生者を親に持つハイブリッドな子。……」
とは言ったがチラリとアルを見て『アル様程じゃ無かったわね』と言ったのち、『怖かった』と抱き付いてくるのだった。
「アル。なんだか分からないが、ホラッ聞こえてくるだろアノ声援が!上へ行くぞ」
まだ、俺達やあの方達が出て無いというのに、アナウンサーがカウントダウンを始めると一気にボルテージが最高潮となっていた。
観客からはギリギリ見えない出入口付近で立っていると声が聞こえて来た。俗に言うと青コーナー!という感じだろうか現に『シャル・フォン・デカカッタナぁ。入場です』とか聞こえるもん。
「あと、御学友はナント!我が学園長の長女ヒカル・フォン・サンシャインがきたぁぁぁ!あとに続くは、驚きのぉフィアンセ・アルゥゥ!」
「コノ3人がセバルト王子の相手とは厳しいモノですな。」
「そうですね。ですが、私はシャル様の健気に勉学を励む姿は後ろから襲いかかりたくなりますがね。」
「ああ。分かります。あの運動音痴で未発達な体を力で制圧したいものですが、女性からは絶大な指示がありますから……この話は終わりましょう。」
「そうですね。私も同意見です。愛するフィアンセから、往復による往復ビンタは喰らいたくありませんから。」
2人のアナウンサーが話している最中に、あの3人のエルフは出てきていた。
「おっと!?次の御登場はぁ、セバルト・ニュートラル・ジ・ゴーブラス様だぁぁ!!」
アナウンサーが言い切ってから登場する。
そして、観客はドカッと盛り……
「ああ。いつ見ても御元気そうで何よりです。」
「そうですね。とりあえず、格下をハメるためとはいえ殿下ですから拍手を送りましょうか。」
パチパチパチ……盛り上がらない。
また、会いましょう




