兄弟
こんばんは
新しく入ったメイド達に軽く会釈をして挨拶をした。
父上達は『では、またな』と言うと"スキル転移"と叫ぶと消えていた。
「では、私達は色々と準備がありますので一旦実家に帰ろうと思います。」
そう言うと、ヤーと似ているが少し柄が違うリストバンドから小さな笛を取り出すと、勢いよく吹き高い音色が響き渡った。
「ちょっ!?こんなところで吹く?」
吹いた本人はディアだ。
「私達もあなた達同様に自由となったのよ。なら当然、自由な事するでしょ?……あなたはしないの?」
『それはアル様が成長途中でっ……』とスーが叫んだ時だ。カタカタとタンスや机が小刻みに揺れ始めると、急に地面が擦れる音……つまり、建物の接地面が建造物と擦れる音が大きくなった!
「お!おおおお??」
ズゥンッと音がした時、僕の目の前に超巨大な黄色の目があった。と言っても、窓の向こうだけど。
ポンと肩に手を乗せるのは
「アル様失礼します。直ぐ帰ってきますから。」
そういい、僕が眺めていた窓から飛び降りると黄色の目をした超巨大な者に飛び乗るのだ。
「おおお!鷲だぁ。トンビかなぁ?」
再び強烈な突風なんて慣れたもんよ。羽ばたいた奴は、一瞬で超上空に登って行く姿に僕はワクワクして見惚れる。
暫く、ワクワクしながら飛んで行った方向をジッと見ていると、兄上がタメ息をついてからボソッと『魔人の力は健在か』と言った。
ふん!僕はな。小3だからな。中二病では無いのだよ。
僕は、普通に動物の方が好きなのだよ!
なので兄上の言ったことには反応せず、出て行った窓に肘を着け上空を眺めていた。
〈なるほど。あの捜索犬極の損失が甚大な損害だったとは……私はお客様から呆れている心情をヒシヒシと感じ取っていたのを知って、あえて!あえて再度の商品の受け渡しを控えていました。が、んが!!理解しました。
了解です。やはり成人した犬ではなく!購入ならば幼少というのが一般的ですから……ネ。
またの御来店お待ちしております。〉
「(あー。……スキルを発動しないでおこうかな。)」
熱弁を語るスキちゃんの対応に、僕はますます空を見上げる口実ができた瞬間だった。
「……魔人の力は健在か。」
「兄上。プロークがお話があると聞いていたしたが無ければ宿に帰り、もう一度寝たいのですが?」
めんどくさ。帰りたいという気持ちとなった僕に、兄上が食い下がる。
「なぁ?魔人を知っているか?」
「イエ。知りません。」
「昔、人間がエルフを魔法に長けた人と呼んで魔人とあったのだ。エルフが魔人なら、ハイエルフやダークエルフはなんと呼ばれていたと思う?」
「サソリのカニキングEXスーパーでしょうか?」
僕の今の心情は呆れているから、兄上から言われる知らない情報に対して全て"何を言ってんの?知らねぇよバカ"という感じが溢れていた。
簡単に言うと、御ふざけである。
だが、ここは異世界
「違うぞ。魔神や魔王と呼ばれていたんだ。」
御ふざけには、凄い真面目で返して来たのだ。
だから僕は必然的に真面目な心で向き合うことにした。
「で、改めて私からの相談だが……何故かは知らない。が!?しかし、今年入る学年トップと最年長の班長である私が戦う事になったのだ。」
『クッ。』と机に伏せる兄上に僕は真面目に受け答え出来るだろうか?と考えていると続けて『あんな奴絶対エルフだぜ。卑怯だろう……』と愚痴が
「最年少だからって、エルフ3人参加とか無理だろうが!って言ったら"では友達を2人参加しても良い"だって。私は友達は殆どいないんだよぉ!」
ドン!と机を叩く兄
「でしたら、リサとプロークを仲間につければ」
「もちろんソノ考えもしたさ。そうしたら、アッチもメイドを付けると言って来たんだ。」
その時、僕は感じたのさ。
兄が、チラリチラリとスーを見る視線を
「まさか!?スー達を引き入れるつもりで?」
「ダメか。」
僕は焦っている兄を見て冷静な判断ができたと言える。
何故なら、スーの呆れ顔が見えたことだ。アレは、結論で言えばダメという事が分かっていた。
しかし僕は助けを求めている真面目な兄を見捨てたりはしない!……ガタッと立ち上がる兄に対し、僕は冷静に世間一般の貴族として振る舞った。
「スー達は、もうデカカッタナのメイドではありません。僕の、僕だけのメイドです。ですから、デカカッタナの名を出した上では参加できません。
しかしながら、僕は追放されて無いですからシャル兄さんの弟として参加できるのでは無いでしょうか?それに、ココには僕のフィアンセのヒカルが在籍していますから合わせて3人……どうでしょうか?」
兄さんは嬉しそうな顔をして
「ああ!サンシャインのヒカル穣か。彼女はもっぱらの強面最強戦士と聞く。心強いぞ。」
え!?戦士なの?は置いて
「僕も色々と極っていますからねぇ。フフフ」
スキルを言ったところで忘れてしまうからな。
あえて、言わん戦法だ。
「ところで、いつ戦うのですか?」
「ああ。明日先生に名前を書いて提出するから、数日後ってところか。」
そうやって、婚約者ヒカリに確認せぬまま話は進んだ。
また、会いましょう




