貴族ルール
こんにちは
正規の貴族ルールは知りません。
あと、色々と貴族知りません。
ルールとか書いてますが。
どれだけ寝入ったのか分からない。
……けど
知らない声を掛けられようとも、エンが良い子良い子という感じで僕の前髪をサラサラと撫でて寝るように促す技は無敵だろう。
再び『んふぅー』と鼻息を吐いたら、また僕は夢心地な気分だ。
「ねぇ。私達の結界に入らないでくださる?」
波に揺られていると、どっからともなく優しいようなエンの声が聞こえてきた時"あの男"と話をするのかと思いナゼか安心し、目を閉じてはいるが見守ることにした。
「ああ。すいませんね。……それにしても、その絨毯はなかなかの上物ですねソコで寝転がっているダークエルフの気持ちが分かります。」
え?
「コラッ!言うな」
ああ、ヤーな。
「それに、ソコのソファでくつろぎながら高級そうなティーカップを飲み本を楽しむ方はなんと美々しい。」
「……」
スーか。って!誰のティーカップ使っているの?
「寝ている方がいますので、何処かに行って貰えますか?」
エンはそう言うけど、僕は目を閉じているだけだしティーカップが誰のモノなのか今ちょっと確認したい。
そう思ったとき、突然慌ただしくなった。
「控えなさい!彼は世界に3人しか存在しないと言われている勇者、名はアズト。そして私は聖女イナーク。そして、ソコにいる方は王の付き添いの賢者グラハンの弟子である賢者様キンダルよ。」
あ、ヤバい。そう思いガバッと起きたら
「私はデカカッタナ公爵家のメイド長の1人、名をスー。こっちはヤーで、こちらはエンです。」
スーは、それはそれは深くお辞儀をし終わっていた。
「私はアル・フォン・デカカッタナ。この者達の主人です。私、外に出るのは初めてで世間に疎いものですから勇者アズト様御許しください。
ですが!賢者グラハンという軍師はいつも耳に届いております。」
寝転びながら薄目で見た時は、男の顔しか見えなかったけど"勇者"という単語と"聖女"と出て来た時はドキッとしたよ。
そのあと、"王"と来てマジで焦ったな。
正直、賢者グラハンに弟子がいるなんて知らない。
そんな知らない人を再度見てから『なにようでしょうか?』と返答する。
「へん!サンシャイン家の令嬢がアンタに話があるのよ。だから、今すぐサンシャイン城に行きなさい。」
「なるほど。ですが、ハッキリ言って無理です。私の父や母に伝えてから、父から私に降りて来たら考えますけど、たとえ聖女だろうが勇者だろうが貴族を挟むのなら貴族を通して頂かないと。」
普通の貴族ルールを淡々と伝えたんだけど、相手側は"聖女だろうが"と言った時点で、僕の言葉に被せる感じで話し出す。
「るっさいのよ!私は聖女イナーク・フォン・アリシュアでアリシュエン聖教会の司祭。それに、ソコにいるのは王とゆかりのある者。平民が!貴族を追い出された身で偉そうに……」
どんなに言っても"サンシャイン公爵家"という名が出たんだったら、僕は寝るしかない。
そう思ったんだけど『貴族を追い出された』と言われた時
「別に僕は追い出されて無いよ。たんに、独身が確定しているし金喰らいだから自分で稼ごうとしているだけ。
あと、僕の父アルベルト・フォン・デカカッタナは現王の実の兄弟で4番目の弟。
それに、僕の母は同じ公爵で現王の第一王妃の妹だから僕ってソレなりに偉いんだよ。」
なぁ?分かってる??知らないだろうけど。まあ、7番目の末の兄弟だけど。
そう僕に言われて、グウッとなる聖女や賢者を押し退けて出て来たのは
「ふぅん。実は俺は、かの有名な転生者なんだぜ?」
「アズト様!それは秘密にしてください。」
そんなハワワワとなる御一行なのだが、何故か僕を含めてスーやヤーもそうだけどエンも冷静に見定めていた。
「俺はな、この世界を救う為に来たんだ。そして爺さんから色々と貰ってな、チヤホヤしてこの異世界を楽しく謳歌するんだ。で?ソコのエルフ!……いやハイエルフのスランダ・シェリー。俺とイイコトしようぜ。」
ん?誰よ??指先は……
僕とスーの目が合った時
「鑑定のスキルレベルが高いようですね。ハッキリ言って御断りです。鑑定でも出ている通り、私850歳なので転生者とか聖女とか魔王とか見飽きているので。」
「だな。」
そう言ったのはヤー。そしてエンは無言で頷いていた。
「と、ウチのメイド達が言ってますから。サンシャイン家の人達には、御間違えなきよう御伝え御願いします。では、人が居なくなったので私達はボスの部屋にいきましょうか。」
今さっきまで夢心地で寝ていた僕は、颯爽と一礼すると『スー。物を閉まってボスの部屋へ行こうではないか!』と激励し、スーはスーで特に反論せず『仰せつかりました』とあまり聞かない返事を聞いて僕達は出発する。
「無視するなオラッ!貴族がそんなに偉いのか!?そんな偉いと言っても死んだらソレまでだろがぁぁぁ!!」
突然勇者が貴族ルールに乗っ取った僕に切れたようだ。
「でろぉ!召喚雷獣グングニル」
勇者の両手が光り輝き、バチバチと辺り一帯を電撃がおちていく。その丁度真ん中な大きな雷が堕ち、砂ぼこりから唸る獣の声が聞こえ始めるとソイツは出て来た。
大きさはダンプカーより大きく、重そうな前足には電撃が幾度もショートしていてまともに目が開けられない。
「突き抜けろぉ。グングニルゥー!」
まばゆい電撃が重力を無視し、横一線に弾け飛ぼうかという時、僕はボソッと『怪獣だ』と言った瞬間!?
「アルの前に立たないと。早く!!」
ドガーン!と大きく立ち上る砂煙に『アルー!』と間に合わなかったエン達の声は響きわたる。
「オウ。なんだ?」
未だ砂煙が舞う中、何故か拡張機を使ったような声がダンジョンセーフティエリアから響きわたる。
また、会いましょう




