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ちょっと怖いけど

「……行きたいところってまさか……」


 手を引かれてしばらく街の中を歩くと、カレンはとある建物の前で立ち止まった。そこは……


「いつの間にか世界を照らす光の聖球は中心を過ぎた……それならワタシたちも然るべき行動を取るべきではないかしら。」


(まあ要するに気がついたらお昼すぎててお腹すいたからなんか食べようと)


 実際、今目の前にある建物からは肉を焼くとてもとても、それはもう素晴らしくいい匂いがする。急にお腹すいた気がする……。


「でも、高かったりしない? やたらいい肉だったり……」


 でも、カレンはそんなふうに心配するわたしをみて笑う。


「ふふ……心配いらないわ……この店で提供される料理の素材はワタシが用意しているのよ……だから、ワタシやワタシの()()であるユイならお金の心配はない……」


「あ、そう」


(仲間とは思ったことないけど、ここで否定するとお金取られそうだしいいや……)


 それにしても、カレンが用意してるっどういうことかな。依頼をうけてモンスターとか倒して肉とってくるって感じ? まあゴールド間近な実力らしいし、それくらいは簡単なのかな。変な技も使えるしね。


「それじゃあ行きましょうか……ふふ、ワタシがその魂を射止めた成れの果てたちをユイが体に取り込む……とても素晴らしいわね……」


「食欲無くさせる天才?」


 ―――――――――――――――


 店の中、どんなもんかと思ってたけどなんかギルドと雰囲気似てる。こう……なんていうか、賑やかな店内でいい匂いがするからかな。チラッと他の人のテーブルを見ると、肉、肉、肉……なんて素晴らしい……!


「さて」


 カレンとふたり用のテーブルに座る。メニューらしきものがなくてキョロキョロしてると、カレンが言う。


「ユイは……」


「ん、なに?」


「ふふ……そうね、ミディアムでいいかしら」


「何を見てそう思った? いや、別にそれでいいけど……」


 どこの世界に人の顔みて肉の焼き加減決める人がいるんだ……。と、そこに店員と思われる男の人が来た。


「ご注文……おっと、カレンさんでしたか。それならいつも通りご用意いたします。………お連れの方は……」


「そうね……せっかくだし()()を用意して欲しいわ……いいでしょう? 程よく火を通して……ふふ……アレを食べたユイを想像しただけで楽しいわ……」


(きもちわる……)


「かしこまりました。それではご用意するのでしばらくお待ちください……」


 店員さんは深くお辞儀をして立ち去った。なんとなくだけど、カレンの雰囲気とか、黒のドレスの感じからすると、お嬢様と召使いっていう風にも見える。


「ねえ……アレってなに? まさかとんでもないゲテモノじゃあないよね? ドブに住んでるブヨブヨしたモンスターだとか、そんなのやめてね?」


「まさか……ワタシがそんな()()()()ものを用意するわけがないでしょう……」


「へぇ……すると思った」


「きっとひとくち食べるだけでその深淵より深い闇のような、そして妖しい魅力に囚われるはずよ……そう、ワタシがユイにそう感じているように……ふふふふふ……」


(帰りたーーーーーい……)


 若干店も混んでるせいで、恐らく料理が来るまでに時間がかかる。それまでの間、どうにかしのがないと……!


「……白と黒、光と闇、正義と悪、真実と偽り……」


「え、なに? 発作?」


「ギルドマスターははぐらかしたけれど、オーリン教会はなにかがおかしい……ワタシなんかより、よっぽどおかしいのよ……ふふ……信仰する神すらも彼らが作り出した偽りの幻想だとすれば、本来の彼らは一体なんのために存在しているのかしらね……。たとえ成り立ち諸共偽っていても、積み上げた歴史と『潔白』の看板の前には光が集まって正義が生まれるのかしら……興味深いわね……ふふ………」


(……この人、どこまで何を知ってるんだ……)


 一緒にいたくはないけど、そういうところは気になる……ってまさかそういう作戦!?


「…………ちょっときいてもいい?」


「……ダメね」


「な、なぜ………あ、なるほど」


 どうやら料理が出来たみたい。さっきの店員さんが持ってきてくれた。カレンの前に置かれた料理は……


「こちらでよろしかったでしょうか」


「ええ、素晴らしいわ。」


(塊みたいなステーキになにかしらの揚げ物に薄目の肉が10枚近く……それに加えてご飯も大盛りでその上にも肉乗ってる……)


 さすが、その一言に尽きる。


 続いてわたしの前にも料理が置かれる。見た目的にはまあ普通に美味しそうなステーキ。バカみたい分厚くもないし、面積も普通。なんか美味しそうなソースがかかってる。


「これ、なんですか?」


「それはこちらから言えませんので、是非食べてからカレンさんに尋ねてみてください。では、ごゆっくりどうぞ。」


(怪しい……)


 とは言え、カレンが協力してること以外は普通のお店だし、頭おかしいものとかは提供してないはず。得体の知れない肉はちょっと怖いけど、こんな美味しそうなもの目の前にあったら食べない訳にはいかないでしょ……!


「いただきまーす」


 食べる前、チラッとカレンの方を見るともう3分の1くらいなかった。なに、どこに消えてるの? 


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